Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

クラウス・マケラ&オスロフィル@サントリーホール

2023-10-24 19:00:00 | Klaus Makela
金曜日に浜松でかなりがっかりしたので心配していたものの、やはりサントリーホールという容れ物と前から2列目中央、という席のおかげですっかり楽しませていただいた。指揮者はこの音の洪水の中で仕事ができるなんて羨ましい限り。シベリウスの美しい音楽が胸に迫る。目の前をチラチラと動くマケラさまの赤い靴下がなければ、涙してしまったかもしれない。
 
アンコールは「レンミンカイネンの帰郷」。曲を紹介しながら、今年も、サントリーホールはthe best hall in the worldとリップサービス(去年も全く同じことをおっしゃったマケラさま)。本当?ウィーンよりも?パリよりも?って問い詰めたくなる。マケラさまは、こうしたノリノリの曲が良いのかな。まだ、若いからかな?去年のパリ管の時も、アンコールのルスランがとても良かったことが印象に残っている。
 
サントリーホールでも、椅子を重ねていたヴィオラパート。サントリーホールの椅子って、もう少し立派なのかと思っていたけれど、他とあまり変わらないのね。
 

クラウス・マケラ&オスロフィル プログラムA@アクトシティ浜松

2023-10-20 19:00:00 | Klaus Makela
【I have no will power】
イギリスで働いていた時、同僚にこう書かれていたあたくし。
今回は行かない!と決めていたのに、皆さんの感想を読むうちに
結局誘惑に負けて、浜松でマケラさまを聴いた。
 
Aプログラムは、
ショスタコーヴィチ 祝典序曲 Op.96
ショスタコーヴィチ ピアノ協奏曲第2番ヘ長調 Op.102
R.シュトラウス 交響詩「英雄の生涯」
 
容れ物の重要性を今回もひしひしと感じる結果に。
アクトシティって、確かピアノコンクールの会場にもなっていたと思って、
もうちょっと良い感じのホールなのかと思ったら、基本文化会館仕様。
 
舞台上の椅子も足の長い北欧人には低いらしく、
ヴィオラパートなどパイプ椅子3つ4つ重ねて使っている方も。
 
ショスタコーヴィチにしても、R.シュトラウスにしても、
ただでさえごちゃっとしやすいのに、
このホールでは余計に(舞台上も狭くてほぼ平面、また舞台に対して客席がかなり後ろまで低い)...
もしかしたら、2階席ではもう少し聞こえは良かったのかも?
 
そして、残響を楽しむ所(大音量→G.P.)も残響少なく余韻が淋しく残念。
 
その中で良かったのはアンコール。辻井さんはカプースチン、オケはチャールダーシュ。
マケラさまは去年もアンコールのルスランが良かったし、ノリノリの曲がよいの?
(アンコールの曲はシンプルなだけ?)
 
そして終演後オーケストラメンバーはどうやら名古屋移動だったらしい。
まあ浜松にはマケラさまをお泊めできるような良いホテルがないから仕方ないけれど、
後の移動が頭を掠めていても不思議ではなく...
 
 

クラウス・マケラ & コンセルトヘボウ マーラー交響曲第3番

2023-09-17 14:15:00 | Klaus Makela
出張中の3連休、まるで近くもないアムステルダムへ向かった理由は、もちろんクラウス・マケラ、コンセルトヘボウ、マーラーの交響曲第3番、というあたくしにとって魅力的なコンビネーションがあったから。
 
視界を妨げるもののない1列目、と思ったのだが、なんとステージが日本のそれに比べて相当高く崖のようにそそり立っていて、もう、マケラさま、文字通り「貴方しか見えない」(爆)。
 
演奏は、素晴らしかった。特に自分が第9番を弾いて難しさを存分に味わった分、プロの上手さ、プロの中でも弦管バランス良く上手いコンセルトヘボウに感動!!チェロはここでも金管と同じ動きをする、後方席ではわからないが、この席であれば、同じ動きをチェロも支えていることがしっかりと聞こえてくる。ヴァイオリンと同じフレーズをマケラさまの容赦ないスピードでもしっかり弾いている(多分)。
 
ところが、第一楽章が終わったところで、誰かが叫び、一瞬すわアクティビストか?と思ったところ、続いて「Doctor!」という声が聞こえ、どうやらどなたかが倒れられた模様。過日のパリ管のマケラさまマーラー第2番の悪夢再び...?マーラーは血圧上がるのかな?今後高齢者向けに注意書きが必要ではないかと思う...
 
しばらく中断後、マケラさまとコンマスが頃合いを見て頷き合い第2楽章へ。第3楽章のバンダのフリューゲルホルンが、まあ、なんと柔らかで美しいことか。最高音だけちょっと低い気がしたけれどあたくしの音感の問題かも(高音は低く感じてしまう)。ほぼ0メートル地帯のオランダでアルプスの曲を聴く不思議。第4楽章のアルトも、第5楽章の少年少女合唱も良かった。第6楽章はえも言われぬ美しいメロディだけれども、明るめで若々しい曲で、ああこれはマケラさまのtriompheの歌ではないか...と。最後は、割と派手に終わるので、そのまま雪崩れるように拍手が出るかと思いきや、みなさんお行儀よくマケラさまがほぼ脱力仕切るまで待って、続いてほぼ全員がスタンディングオベーション。
 
中断がなければ、どうなっていたか(良い意味で)、と思うような瑕疵の少ない演奏。アムステルダムに来た甲斐があった。いいなー、あたくしもアムステルダムに住みたい...
 
 

クラウス・マケラ & ベルリンフィル 第3日目

2023-04-22 19:00:00 | Klaus Makela

これまで通り20時開始かと思い、お昼寝をしようと思ったのだけれど、ちょっと気になって確認したら、何と19時開始。

慌てて着替えて演奏会場に向かうと、何とBritish Airwaysからメールが入っており、フライトがキャンセルになったから、別フライトを充てがった、と。よく見ると1日遅れの便。これでは会議に間に合わないではないか!日本の旅行代理店へ連絡を入れ、とりあえずは演奏会を楽しむこととした。

そんなわけで、今回は神経ピリピリで、シャンパンを飲みすぎて途中記憶が飛んだ1日目とは違って、しっかり聞けたと思う。ただ、しっかり聞けすぎて、あっという間すぎた。チャイコフスキーは、え、もう終わっちゃうの、という感じ。

この日はベルリンフィルのbroadcastを行う日で、それもあるのか、これまでの中で最もノリノリというか、速かった。ショスタコーヴィチなど、本当に見事。初日も思ったけれど、ベルリンフィルは管楽器が本当に技術高い。弦楽器は、技術はあると思うけれど、音質を揃えよう、という意識はあまりない、ソリストが一斉に演奏している感じを受けた。まあ、1列目だと、一人一人の音が聞こえすぎるのかもしれない。それでも、ウィーンフィルだと、こういう感想にはならない気がする。


クラウス・マケラ & ベルリンフィル 第2日目

2023-04-21 22:00:00 | Klaus Makela

クラウス・マケラ & ベルリンフィル 第2日目。

演目は昨日と同様。

ショスタコーヴィチは昨日同様丁寧な第1楽章、乗りっ乗りで運動神経抜群、こんな反射神経が欲しいなと思わせる第2、3楽章。比較に意味があるかわからないけれど、明らかに昨日より良い印象。座席のお陰もありや?(今日は1階1列目(表記は2列目だけれど)ど真ん中)
 
チャイコフスキーも、緊張感ある第1楽章、美しい第2楽章、第3楽章は華麗にfinish、後ろのおばさま「Oh, my God!」と叫び拍手。他にも拍手がちらほら。でも、これは拍手したくなる気持ちわかる!第4楽章はホールに響き、心に響き、言葉を失い、拍手に力が入らない。ちょっとマーラーの第9の最後のよう。まあ同じか知らん、人生の最期だもの。ただ、53歳、まだまだ活躍するつもりだったのに、こんな曲を作曲してこの世を去ってしまった、チャイコフスキーが切ない。
 
今日の演奏会は、本当に素敵だった。最後は一般参賀。チャイコフスキーの6番、以前にオケで(ヴァイオリンで)この曲を演奏したことがあったけれど、全然この曲を理解していなかった、今日聴いて理解できた程度にも理解できていなかった。こうして音楽の中身を見せてくれる、分析的な指揮者が、嫌いではない。

 


クラウス・マケラ & ベルリンフィル 第1日目

2023-04-20 20:00:00 | Klaus Makela

クラウス・マケラのベルリンフィルデビュー。

ショスタコーヴィチ 交響曲第6番 ロ短調

チャイコフスキー 交響曲第6番 ロ短調

バーンスタインがこの2曲については語っているvideoがYouTubeにある。

https://www.youtube.com/watch?v=9QZ6zGXir3g&ab_channel=incontrariomotu

 

ゆったりとした第一楽章のショスタコーヴィチと、消え入るように終わるチャイコフスキーの第四楽章。

マケラはいつもよりも丁寧に振っている感じのあるショスタコーヴィチの第一楽章。第二、第三楽章は、もっと丁々発止、運動神経の良さ、というのか、反射神経の良さ、というのか。オーケストラ全体が蠢く感じは、これは映像でも伝わるのだろうか、あるいはやはり生でみる醍醐味だろうか。

ベルリンフィルは、管楽器がとても上手いと思う。今日は、クラリネットが素晴らしかった。ググってみると、首席奏者のフックスさんらしい。こんなにも差が出るものなのだと、改めて感心する。シンバルも毎回同じように叩くわけではないのだと知って、今まで何となく聞いていたのだな、と思う。

3日間、演奏がどんなふうに変わってゆくのか、楽しみである。

 

 


クラウス・マケラ & パリ管 in ウィーン楽友協会 第3日目

2023-03-13 19:30:00 | Klaus Makela
何にでも終わりはある。
楽しかったマケラ様演奏会もついに最終日3日目を迎えた。
 
演奏曲目は昨日と同じ。
ただし、1曲目と2曲目の間は開けられた。
後に作曲者のMark Andreに確認したところ、
これは彼の意図ではない、とのこと。マケラ様なのかな?
 
今日の座席は昨日のちょうど真向かい。
舞台向かって右にはカリヨンなどが配置されている。
昨日よりさらにマーラーの音楽の優しさと厳しさのコントラストが
はっきりと浮き彫りにされた演奏だった。
優しいフレーズはどこまでも優しく、
厳しいフレーズはまるで軍隊のように統率された集団に。
フランス人もやればできるやん。
 
オケでトランペットは神の声、と聞いたな、確か。
楽友協会のこの黄金のホールで、金管が高らかに歌うと、
部屋の明るさが心なしか増したような気がして、
本当に天上から音楽が降りてくるような幸福感に包まれる。
初めてこのホールを体験した、GustavoがVPOを指揮したR.シュトラウスを思い出す。
 
アルトのWiebke Lehmkuhlの声がとても好き。
昨年のパリでのマラ2公演の時も彼女のファンのおぢさまが近くの席におられたが、
気持ちはわかる。ソプラノのChristiane Kargも悪くはない(出番が少ない)。
人の声は最強で、最後にコーラスが入ると
男声の地の底からのような音とも振動ともつかぬ空気の震えに心まで震える。
 
今日の演奏はしばらく忘れないし、忘れたくない。
このホールならではの音響(昨日のピアニストが言っていたが、
パリのPhilharmonieは彼からすると響きすぎなのだそう)と、
この位置(昨日に比べて最後のオルガンとカリヨンの響きが素晴らしかった)、
目に焼き付いたマケラ様の指揮。
 
この幸せを持って、来月のベルリンまで乗り切ろう(また追っかけるよこの人)。
感動しすぎて今日は映像なし。

クラウス・マケラ & パリ管 in ウィーン楽友協会 第2日目

2023-03-12 19:30:00 | Klaus Makela
クラウス・マケラ指揮 パリ管弦楽団
 
Mark AndreのIm Entschwinden fur Orchester(オーケストラのための「消失の中で」?)
マーラー交響曲第2番
 
席についてみると、なんと今日はオケの編成が大きいために客席が一部取っ払われており、
あたくしの真横はベーゼンドルファーのピアノと奏者のお兄様。
 
2曲は続けて演奏された。
Mark Andreの曲は、ピアノも特殊奏法で、美しいベーゼンドルファーが、
ハンマー(と言っても金槌みたいなのではなくて、プラスチックかアクリルの頭)
で引っ掻かれたり。
 
マーラーはこれまで3回(パリ2回、ウィーン1回)聴いた中で最もよくまとまっていたように思う。
おそらくホールのサイズが大きく影響していて、バンダも遠すぎないし、
ソロも合唱も肉声を丁度良く感じられるサイズ。
一昨日の幻想交響曲よりよかったのは、pの音量下げを意識していたように思えたこと。
 
素晴らしい席で、マケラ様の横顔をずっと鑑賞しながら曲を楽しめた。
優しい顔、厳しい顔、楽しそうな顔。
オーケストラも年若い才能ある指揮者で演奏することはさぞ楽しかろう。
 
演奏会終了後、ピアノのお兄様とフランス語で会話。
マケラってどう?と聞いたら、とても良いし、
オーケストラもマケラのこと大好きだよ、と。
やりたいことがはっきりしているし、指揮も明確だし、
オケのメンバーとの関係作りもうまい、と。
 
ちなみにあたくしの向かい側にアンゲラ・メルケル女史がいらしたとのこと。
あちら側、見ていたつもりだったけれど、全然わからなかった。残念!
 
フランス語、やっぱりもうちょっとブラッシュアップしたいなぁ。
英語もやらなきゃではあるけれど、
フランス語はこうやって何かと世界を広げてくれるような気がする。。。
 

クラウス・マケラ & パリ管 in ウィーン楽友協会 第1日目

2023-03-10 19:30:00 | Klaus Makela
クラウス・マケラ指揮、パリ管弦楽団演奏会、第1日目。
 
シベリウス ヴァイオリン協奏曲
ベルリオーズ 幻想交響曲
 
幻想交響曲の第二楽章の終わり方がとてもエレガント。
最後は、指揮より演奏の方が先を行っていたようないないような(笑)。
 
同じホールなのに、ウィーンフィルとは全く違う。
曲線の描き方が違うからのような気がする。
 
演奏会終了後にマケラ様の公開インタビュー(ドイツ語でなく感謝!)。
母国語でもないのに早口。頭の回転が早いのだろう。
Help, don't disturbは指揮において心掛けていること、だそう。
 
愛器は1725年製のチェロ。パリに置いてあるとか。
名前が聴き取れなかったけれど素晴らしい楽器屋さんがいらっしゃるらしい。
いつかマケラ様と楽器(チェロ)のお話ができますように!
 
 
 

【香りと音楽】 クラウス・マケラ チェロ

2022-12-02 20:00:00 | Klaus Makela
マケラ様最終夜 in Paris の今日は、香りと音楽。
彼と香水クリエーターのフランシス・クルジャンの競演で、
クルジャンがバッハの無伴奏2番にインスピレーションを得て作った
プレリュード、アルマンド、クーラント、ジーグ、サラバンドへの香りをマケラが聞き、演奏する、というもの。
 
入場時各人にクルジャンが作った香りを試香紙につけた冊子が配られ、
開演を待ちながら、それぞれに香りを聞いてみる。
香水文化のあるフランスらしい試み。
 
マケラ様は、あの長身、また体幹がとてもしっかりしていて、
ウエストには無駄が1mmもない!
意外と腕は長い印象はなかったけれど、指が細くて長くて綺麗。
惚れる〜。
 
そうそう、ちなみにユジャ・ワンが来てました。