Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

演奏する理由

2008-12-13 20:11:08 | 音楽

先日の演奏会ではマーラーの交響曲第4番を演奏した。最初、この曲を演奏すると聴いたときの感想は、

「何で、4番?」

であった。どんな曲だったかも思い出せないくらい「影の薄い曲」だったのだ。知人の「マーラーの4番ならば演奏したい」という発言にも、訝しげな目を向けてしまった私である。しかし、自ら演奏した今はそのロマン派的な美しいメロディに魅せられ、マーラーの交響曲の中でもかなり好きな曲となった。

モーツァルトのピアノソナタK331。非常に有名なソナタである。個人的には初めてLPを購入した曲である。バッハのヴァイオリンソナタとパルティータ。ヴァイオリンを愛する者にとってのバイブル、何度となく聴いている。しかし、聴くのと、演奏するのでは、見えてくるものが全く違う。

例えて言うならば、同じ風景を車や電車から眺めることと、歩いて眺めることの違いだろうか?美しさの仔細が手に取るように分かるような気がする。

他人の演奏を聴いただけで譜面が目の前に再現できる人ならばこんな違いは感じないのかもしれないが、私のように脳の音楽処理能力がお粗末な人間には、自分で弾いて初めて見えてくるものが多い。だからこそ、どんなに下手でも自分で弾くことを止められないのだろう。

それにしても、モーツァルトもバッハも、どの音(の並び)が私に美しさを訴えるのかはわかったが、「何故」それがこんなにも美しいのかは説明してくれない。