Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

Niobe, Regina di Tebe@ロイヤルオペラハウス、ロンドン

2010-09-30 00:30:00 | オペラ

ステファーニ(Steffani)というイタリア人作曲家のオペラ。1688年初演、というから既に300年を超えている。当時は大変人気のある作曲家だったらしいが、今では殆ど忘れられている。それを、今回も指揮をしたThomas Hengelbrock氏とディレクターのLukas Hemleb氏が再発見した、ということらしい。

17世紀のオペラであるから、演奏もBalthasar Neumann Ensembleというドイツの合奏団。後から見に行ったところ、ビオラ・ダ・ガンバやハープシコード、ハープなど、古楽器が勢揃い(そのほかの弦楽器奏者は既に退場していたので不明)。ファンファーレのトランペットも古楽器のように見えた。そのためか、少し演奏しづらいようで、出来も今一つ?

ストーリーは単純といえば単純で、自由奔放な王妃が神の逆鱗に触れ、子供4人は雷に打たれて死に、夫(王)は自殺、最後には本人も石になってしまう、というもの。

舞台装置は基本的にシンプルだが、そこにフラッシュが焚かれたり、巨大な風船が幾つも舞台に現れたり(最後は割られてしまう-一つ欲しいんだけれど)、これまた巨大なミラーボールが舞台の上でぐるぐるしたり、火が焚かれたり。

王(Anfione)のLaszczkowski(どう発音するのだ子音が4つ繋がって??)はソプラニスタということになるのだろうか。他にもカウンターテナーの男声など、全体的に皆声が高い。これは17世紀の頃のオペラの特徴なのだろうか。

また、ステファーニはイタリア人でドイツで活躍したらしいが、舞曲のような曲も多く、中にはケルト音楽ではないか、というようなリズムのものも。また、ヘンデルの頃の人だからなのか、「私を泣かせてください(Lascia Ch'io Pianga)」を思い出させるような曲想もあったり。

全く知らないオペラではあったが、音楽が非常に楽しく、飽きることなく鑑賞することができた。それにしても、300年前の人々は、どんな思いを胸にこのオペラを鑑賞したのだろう。神の怒りを買わないように、品行方正に生きよう、と心に誓ったりしたのだろうか?


Que je suis productive!

2010-09-28 21:30:00 | ロンドン

季節の変わり目だからか、「眠い」という声を聞くことが多い。日本からも、こちら英国でも。

実は私の睡眠時間は短いほうだ。歳のせいかもしれないが、4時間眠ると自然に目が醒めてしまう。

友人や同僚がやたらにそれを羨ましがるので、大事なのは生産性(Productivity)であって、起きている時間の長さではないだろう、と反論したら、賢い友人はこんな風に反論してきた。

Productivityなんてものは、極めて限られたプロフェッショナルな観点において重要であるにすぎず、人生において重要なことは、君のBlogの題名にあるように”Que ma vie est belle!”といえることで、”Que je suis productive!"ということではないだろう、と。

あなたの言っていることは正しいかもしれないが、偏狭な観点だろうと何であろうと、できることなら変えたいよ、Blogの題名、

Que je suis productive!に。


ラタトゥイユ&いちじくのコンポート

2010-09-25 02:30:00 | ロンドン

友人がご飯を食べに来てくれるというので、ラタトゥイユといちじくのコンポートに挑戦してみた。

ラタトゥイユは以前からNoellaさんのレシピで作っていたが、彼女が作ると美味しいのに、私が作ると、まずくはないけれど、何かが足りない、と思っていた。

そこで、Netでいろいろなレシピを見て、私なりにアレンジ。

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最後に入れたタイムが効いて、相当美味しい。招いた友人を差し置いて私が満足。

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いちじくのコンポートはHidemi Suginoの杉野さんのレシピをアレンジ。赤ワインではなく、料理に使った残り物の白ワインで。でも、いちじくからの色が出て、シロップも赤く染まった。

これをヨーグルトに乗せて食べると、もう至福。友人をもてなすはずが、自分が最高に満足していたかもしれない。


塩味は天才に

2010-09-22 21:00:00 | ロンドン

アクアパッツァはそろそろ卒業しようと、今度はNoellaさんのレシピでサーモンに挑戦。

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確かに、簡単で美味しい。サーモンもアラスカ物を切り身にする場所を指定して購入したし、バターはエシレだし、生クリームはYaoValleyのだし、ワインも安いけれどルイ・ジャドのだし、素材に関して問題はないだろう。

しかし、塩味のキレが甘い。やっぱり塩味は天才にお願いするしかないのだろう。

それにしても、このカロリー。夜に食して、どうやって消費したらよいのだ?


Don Pasquale@ロイヤルオペラハウス、ロンドン

2010-09-22 01:30:00 | オペラ

ドニゼッティのオペラ、Don Pasquale。Dramma Buffo=コミックオペラである。

序曲がちょっと長い。比べてはいけないけれど、モーツァルトやヴェルディ、ワーグナーのように面白い曲ともいえないし、序曲で期待が膨らむ、というよりはしぼんでしまう感じ(ごめんね、ドニゼッティ)。

さて、歌手陣。エルネスト役のBarry Banks。イギリス人のテノール歌手。Wikiによればテノーレ・リリコとあるが、私にはテノーレ・レッジェーロのように思われた。登場したときはズボン役?という感じがして(顔がまん丸で小柄だったからか)、声を聞いてもまだズボン役かもしれない、なんて思っていた。

ノリーナ役はIride Martinez。コスタリカ生まれのソプラノ歌手。小柄で、こういうコミカルな役-特にDon Pasqualeを騙す役柄には向いているように思われた。

Don Pasquale役のPaolo Gavanelli。イタリア人バリトン。一部ブーイングが出ていたらしいけれど-そこまでひどかったかしら?

Dr. Malatesta役はJacques Imbrailo。南アフリカ生まれのバリトン。えー、彼が32歳なんて信じられない!どう見ても40代以上。役になりきっていた、ともいえるのか?

全体としてRoyal Opera House級ではないように思われた。English National Operaとか、そのあたりならば納得するかもしれないが。。。コミックオペラは楽しいから笑えるし、その分「損をした!」と思うことは少ないけれど、Royal Opera Houseに期待するものは、もう少し高いところにあるような気がした。


ドゥダメル指揮、ウィーンフィル@ルツェルンフェスティバル

2010-09-19 00:30:00 | Gustavo Dudamel

ルツェルンフェスティバル最終日。Gustavoの指揮で、ロッシーニ、オルボーン、バーンスタイン、ラヴェルと盛り沢山。10月最初のNY、カーネギーホールでの演奏会を意識したプログラムなのだろうか。

オルボーンはスペイン生まれの作曲家ではあるが、キューバに移住したらしく、この日の曲もちょっとSimon Bolivar Youth Orchestra of Venezuelaが演奏する曲に雰囲気がとてもよく似ていて、Gustavoの得意分野のような感じ。バーンスタインしかり。

一方、戸惑ったのがラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」。ホルンの出だしが難しいのはわかるが、ウィーンフィルなんだから、しっかりして~。

90日間視聴ができるというmedici TVのサイトで、録画を見たところ、この「亡き王女」が終わった後のGustavo、楽屋裏で「Sorry」。。。この場面、カットしなくて良いのか知らん?

最後は同じくラヴェルの「ボレロ」。こちらは流石にきっちり決めて、沢山の拍手とともに終了(アンコールはバーンスタインから-当初はピチカートポルカが予定されていたらしいが)。

Gustavoのファンであり続けられることに心から感謝を。老いて死ぬまで彼を追い続けよう、と心に誓った夜であった。


ドゥダメル指揮、シューマン・チェロ協奏曲、ドボ9@ルツェルンフェスティバル

2010-09-18 01:30:00 | Gustavo Dudamel

ルツェルンフェスティバル、お目当てのGustavoの指揮で今日はシューマンのチェロ協奏曲、ドボルザーク交響曲第9番。

昨日のベト7が少々期待はずれだったので心配する。しかし、昨日に比べれば、まあまあといったところか。昨年のザルツブルクほどの興奮はないけれど。

それでも、せっかく家人とルツェルンまで来たのだから-Gustavoに会いに行く。1時間近くも粘って何とか思い通りに作ってもらった花束を持って。

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ルツェルンの夜は更けて。。。良い一日だった。

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ラン・ラン&ベト7@ルツェルンフェスティバル

2010-09-17 01:30:00 | コンサート

まるで「のだめ」のようなプログラムである。ラン・ランによるベートーベンのピアノ協奏曲第1番、ベートーベン交響曲第7番。

ラン・ランを生で聴くのは初めて。録音でもまともに聴いたのは「のだめ」の映画くらい。でも、あの映画のピアノは上手くて(映画の内容は覚えていないが、終わったときの感想第一声が「ラン・ラン上手い」であった)、生を聴きたいと思っていた。

いやいや、噂に違わずよく動く指だこと。また、立ち居振る舞いも「出来る中国人」そのもの。美男子とは言い難いけれど、見ていて飽きない。

カデンツァ、長い。どれだけ変奏したら気が済むの?というくらい長い。でも、観客は大喜び。

アンコール曲-題名がわからないけれど、彼の技術力を遺憾なく見せ付ける曲であったことは確か。これも観客大喜び。

後半はベト7。これなら眠らない、と思っていたのに、なんだか精彩に欠ける演奏。ウィーンフィルがこういう演奏をするとは。特に金管が冴えない気がするけれど。。。ちょっと残念な後半であった。

でも、ラン・ランを聴けたのは良かった。追っかけをしよう、という気にはならないけれど、Londonに来たら、用事がなければ行ってもよいかな(その程度??)。


Invitation@ロンドン

2010-09-12 22:00:00 | ロンドン

土曜日にピアノのレッスンを受けたので、忘れないうちに復習をしようとピアノに向かった。スケールを弾きながら音名を歌う。声が出な~い-なんて思っていると、誰かがドアをノックする。

まずい、うるさかったかな?

しばらくピアノを弾く手を止めて様子を伺う。苦情のときは、音を止めたらドアをたたく音も止まるはずだ。ところが、再びドアをノックする音が聞こえる。

どーしよう、怖いおにーちゃんやおじさんだったら。

仕方がないのでドアに向かい、のぞき窓から外を覗くと、女性の姿。

「素敵なピアノの音がするので」

え、スケールだし、間違えてるし、たどたどしいし。その上、うなり声付きだし。

「今日6時半から小さなパーティをするのだけれど、来ませんか?」

上司から、英語を何とかしろ、普段英語を話す友達は居るのか、と言われたばかりの私は二つ返事で招待を受けた。

伺ってみると、同じマンションに住む仲良しさんたちの集まりのようだ。そこに声をかけてくださった方の友人ご夫妻がニューヨークから到着。相変わらず話は60%くらいしか分からないが、新しい知り合いを一挙に得られたことは大収穫。

ところで、声をかけてくださった女性、実はRoyal Collegeでピアノをやっていたらしい(大恥)。その後BBCに勤務し、今はリタイアして関連したコンサルティング業務をやっているとか。

やはり「音楽好き」がキーワードということか。この出会いを今後に活かして行けるとよいな、と思う。


Cosi Fan Tutte@ロイヤルオペラハウス、ロンドン

2010-09-11 01:00:00 | オペラ

ロイヤルオペラハウスの2010/2011シーズンの開幕。有名なモーツァルトのCosi Fan Tutte。

Tube(地下鉄)駅の広告写真からも、現代的な演出になることが分かっていたので、多少心配をしていた-現代演出でオペラを楽しめたことがあまりないのである(以下、ネタばれになります)。

しかし、そんな心配は無用だった。最初から笑う、笑う-Da Ponteの絶妙な会話+小道具に。iPhone、Nokiaの着信音、スタバのラテ、クリスピークリーム(?)ドーナッツ、CNN&UN(これらは苦情が来なかったのだろうか)、そして毒薬の代用品(毒薬をあおる振りをする)の代用品はM&Mチョコレート。現代の「記号」に満たされたモーツァルト。

2人の出征したはずの恋人達が扮したのは、ラッパー(?)風の若者で、その登場に会場は爆笑。ちなみにグリエルモはこちらのほうが似合っていたと思う。フェルランドに扮したブレスリクは、声質こそざらざら感がほんの少しながらあったものの、見た目も悪くない(ちょっとデカプリオ似?)し、運動神経も良いし、ちょっと心が動いた(!?)。

時代を超えて普遍的なテーマ「Cosi fan tutte」を時代を反映した演出で楽しませる試みは方向性として良いと思う。私自身、笑い、楽しんだが、ふと、この演出でもう一度観たらどうだろう?、と思った。この演出で見るのが2度目という友人は疲れもあったのだとはいうが「半分寝ていた」らしい。また、CNNによる出征取材など、90年代ならば受け入れられたかもしれないが、今は疑問だ。この演出が最初に使用されたのは15年ほど前。現代において15年は長すぎる時間なのかもしれない。