NPO法人 こころとからだの総合教育 育夢学園通信
発行日 2008年2月16日(土) 発行・文責 理事長 長坂徳久
【石川啄木の短歌を一字読解で授業】
(2/9 土曜スクール高学年国語より)
教育出版「6年国語下」に、石川啄木の短歌がある。その短歌を元に、一字読解の授業をした。TOSSランドの国友靖夫氏(北海道)の追試である。
主な発問、指示のみ掲載する。
晴れし空 あふ(お)げばいつも 口笛を ふきたくなりて ふきて遊びき 石川 啄木
<発問> むずかしいよ。作者は、誰ですか?
「石川啄木です。」
『なぜ、分るのですか?』
「書いてあります。」
<指示> この短歌を、五・七・五・七・七で区切ります。赤鉛筆で、線を入れなさい。
<指示> 「晴れし空」とあります。この言葉を、普通の言い方に直しなさい。
晴れてる空 晴れた空 晴れている空。 どれも「良し」とした。
<指示> 「ふきたくなりて」とあります。この言葉を、普通の言い方に直しなさい。
ふきたくなって ふきたくなった ふきたくなる
『「なりて」というのは、このあとにもまだ続きそうな言い方です。この 3つの中で、まだ続きそうなのは・・・?(「ふきたくなって」)そう、だから、 ここでの正解は、「ふきたくなって」ですね。』
<指示> 「ふきて遊びき」とあります。この言葉を、普通の言い方に直しなさい。
ふいて遊んだ ふきながら遊ぶ ふいて遊ぶ
『「遊びき」は、「遊んだ」が正解です。ここでは「ふいて遊んだ」がいいですね。』
<指示> この短歌を、普通の言い方に直しなさい。
晴れた空を見ると、いつも口笛がふきたくなってふいて遊んだ。
晴れた空を見上げたら、口笛をふきたくなったから、ふいて遊んだ。
<発問> 話者(作者)は、今、口笛をふいていますか?
「ふいていません。「遊んだ」って書いてあるから、前のことです。」と回答有。
<発問> 話者(作者)は今、大人ですか?子どもですか?
これは、一人ひとりのイメージである。 いずれの場合でも、解釈は成り立つ。
長坂の解釈を紹介して、授業を終えた。
晴れた青空を見上げた話者(作者)が、「子どものころ、いつも空を見上げては、口笛をふいて遊んでいたよなあ」と、昔を懐かしんで詠んだ短歌である。