ドリーム 2(セカンド)

長坂徳久が語る夢教育(ときどき日常)

ドリーム No.621

2008年02月18日 00時38分55秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

少林寺拳法   橋本西支部  道場通信

発行日 2008年2月16日(土)   発行・文責 長坂 徳久

 【長坂流少林寺拳法指導の要諦 ②】

 その本(教育技術入門)で、向山先生から教えてもらった一番のこと。それは、

 

「できないのは、指導者に責任がある。」

 

「指導者が変われば、子どもたちは変わる。」

 ということ。つまり、すべては「指導者の責任」。少なくとも指導者がそう考えることで一気に局面は変わる。それは「自分に責任がある。」「自分が努力すれば子どもたちは変わる。」と気づいた指導者は「学ぶこと」をはじめるからだ。

 長坂は向山先生の本をどんどん読んでいった。1日1冊のペースで乱読した。どれもが腹の底に落ちる本だった。また、自分の未熟さも痛感した。しかし、向山先生の本には、どうすればいいのかが書かれている。実直にそのとおり実践していけばいいのだ。

 今、指導に困っている人がいるならば、特にオススメなのは、

 

「子どもを動かす法則」(向山洋一著・明治図書)

 

「授業の腕を上げる法則」(向山洋一著・明治図書)

 

 この二冊だけで、道場や教室は一転するだろう。次に、

 

「学級を組織する法則」(向山洋一著・明治図書)

 

「いじめの構造を破壊せよ」(向山洋一著・明治図書)

 

 この二冊を理解して、実践できれば、どんな荒れた状態からも抜け出せる。現に長坂は荒れた道場を生還させた。(ただし、荒らしたのも長坂が原因だが。)

 

 まず、現場の指導で心がけたことは、

 ほめる

 ということ。これに至るには次のような体験があった。

 教育雑誌に次のような趣旨の文章があった。

 「私はほめることを大切には思いながらも、実践は出来ていなかった。あるとき、教  頭先生が私の教室に参観にこられた。そのとき、私は、座る姿勢の悪い子どもたちを注意した。しかし、子どもたちに変化はない。そんなとき、教頭先生が、「○○くん、座る姿勢がいいな。」とほめたのだ。その瞬間、それを聞いたほかの子達の背筋が一斉に伸びたのである。」

 長坂もこの「私」と同じ状態だった。ほめることは知っていた。しかし、その効用までには気づいていなかった。そして半信半疑で次の六地学園の稽古のときに試してみた。

 鎮魂行。座る姿勢が悪い拳士が大半。

 今までは、

 「○○、背筋を伸ばせ。」

 「□□、手は結手しろ。」

 とこのように悪い子達を指摘していた。(指導という高度なことではなく、あの頃は単なる指摘だった。長坂の言葉遣いも上のように口語調できつかった。)

 しかし、その日は、

 「○○の、姿勢がとってもいいね。」

 とほめてみた。すると、どうだろうか・・・本のとおり、なんと!

 全員の背筋が、スーと伸びたのだ。

 一種の感動だった。ほめることの効用をはじめて知った瞬間だった。それまでは「ほめられた子はうれしいだろう。」という認識の「ほめる」でしかなかった。

 しかし、ほめることで、他の子達がよくなるということをここで初めて学んだ。

 正しくは、自分もほめられようとするのである、子どもたちは。いや、人はすべて。 ほめるということは、その子だけでなく、他のみんなをよくすることができる魔法なのだ。

 のちに、なぜそのような効果があるのかは、デール・カーネギーの「人を動かす」を読んで学ぶこととなった。続く。 

 

※「長坂流少林寺拳法指導の要諦」は全国の少林寺拳法指導者のみなさんのお役   に立てればと思い書いていく。


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