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映画・演劇のレビュー

北川悦吏子、百瀬しのぶ『夕暮れに、手をつなぐ』

2023-04-28 12:45:00 | その他

久しぶりにノベライズ本を読んだ。あまり記憶はないけど、高校生の時、『新幹線大爆破』を見て、あまりに感動して、サウンドトラックレコードやノベライズ本を買ってきて映画の余韻に何ヶ月も浸っていたことははっきり憶えているけど、それ以降はノベライズを読んでないかも。もう45年以上前の話だ。なかなか新鮮な体験だった気がする。

 
大好きだった北川悦吏子の新作ドラマのノベライズ本である。間違えて借りてきた。本人が書いた小説だと思って図書館で借りたところ、ノベライズだと判明。ドラマは1話だけ見ている。つまらなかったが小説は面白いのではないか、と期待したのに。本の表紙には百瀬しのぶの名前はない。なんだかなぁ、と思う。
 
ドラマとは違い小説なら1日で読めるから、と思い借りたのだが、ノベライズとは少しガッカリだ。ドラマでは出来なかったことを北川悦吏子に小説でして欲しいと思っていたけど、まぁ仕方ないから読み始める。
 
まるで台本そのままみたいだ。ト書きを説明文にしてアレンジしただけ。百瀬しのぶは台本に忠実になぞっているのだろう。彼女のオリジナルアレンジはなされていないし、それは作者ではないから出来ないだろう。こんなことなら脚本をそのまま出版して欲しいけど、それは向田邦子や倉本聰ではないから、無理。
 
それにしても芸がない。お話自体もなんだか安直でつまらなかった。ラブストーリーだけど、ふたりの想いが伝わってこない。男はミュージシャンとしての成功を実現する。女はファッションデザイナーとしての成功を投げ出す。このふたりの選択が何を意味するのか、そこからどこに向かっていくのか。わからないままハッピーエンド。なんだかなぁ、と思った。広瀬すずがどんなふうにこの子を演じたのか、気になるけど、さすがに10話を見る気力はないし、時間もない。
 
ドラマは10話で、この本ももちろん10章からなる。340ページのそれなりの長編。ドラマもあまりヒットしなかったようだが、この内容なら仕方ないだろう。じゅうぶんわかる。
 

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