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映画・演劇のレビュー

『羊とオオカミの恋と殺人』

2019-12-04 22:29:14 | 映画

こんなヘンテコな映画が作られ、TOHOシネマズで公開される。最近はなんでもありで、楽しい。B級映画だけど、キャストも地味というか、ほとんど知らない人だけ(僕が知らないだけかもしれないけど)で、自主映画に毛が生えたくらいの低予算作品なのに、なんだかアイドル映画みたいなテイストで、主人公の2人を売り出し中の若手俳優にでも演じさせても成立する。毒のある映画だけど、マイルドなテイストなので、誰が見ても大丈夫。

隣の部屋の住人が殺人鬼で、でも、彼女を好きになるという男の子のお話。ふたりはやがて恋人同士になるけど、彼女の趣味というか、仕事(?)である殺人は止まらない。自分だっていつ殺されるかわからないから、ドキドキさせられる。コメディ仕立てにしても大丈夫な題材なのだけど、ちゃんとラブストーリーにしている。先にも書いたがアイドル映画としても十分機能している。

それにしても覗くことになる穴が大きすぎてあれではすぐに気づかれるのではないですか。あれだけ覗いていながら、ばれないはずはない。彼女は覗かれるのが趣味なのかな、と思いつつ見るけど、そうじゃないみいだ。そんなこんなで取っ掛かりの部分で突っ込みどころ満載なのだけど、そこも確信犯なのかもしれない。江口のりこが死体処理チームのリーダーとしていい味を見せてくれる。

ラストのオチもまぁ、ある種パターンかもしれないけど、悪くはない。『奥さまは魔女』だったんです的なノリで、恋人はキュートな殺人鬼なんです、って感じの映画。もっと残酷でも構わないのだけど、そうはしないのがいい。実はこれはこれでバランス感覚の優れた映画なのだ。まぁ、大した映画ではないけどそれなりに楽しめる。

 


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