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映画・演劇のレビュー

『決算!忠臣蔵』

2019-12-04 22:58:21 | 映画

年末といえば忠臣蔵、なんていう時代ではもうないけど、今年は久々に忠臣蔵映画が登場した。松竹映画のお得意のちょっとふつうじゃない時代劇シリーズとして。『殿、利息でござる!』のあのテイストの映画だろうと楽しみにして劇場に向かったんだが・・・う~む。

これはむごい映画だ。これだけの大作映画なのに、このつまらなさ。しかも、監督はハズレなしの中村義洋! なのに、なんなんだ、このくだらなさ。お話がまるでない。忠臣蔵なのだけど、討ち入りシーンもないし、時代劇なのにチャンバラもない。もちろん、これは最初からそういう映画を目指したのだけど、では、肝心のお金を巡るお話として楽しめるかというと、まるでつまらないのだ。問題はそこに尽きる。「討ち入りにはお金がかかる」というコンセプトはまぁ、悪くないとしておこう。そこをとっかかりにしてどれだけ面白い映画を作るのか、が職人の腕の見せ所なのだろうが、今回のこの企画、さすがの中村監督でも難しかったようだ。

まるでドキドキがないし、何をしてるのかも、これではさっぱりわからない。どんどんお金がなくなっていくという危機感すら伝わらないのだ。せっかく当時の貨幣価値を現在のお金と換算してその都度提示してくれるけど、まるでピンと来ない。

豪華キャストもなんのために出たのかわからないありさまで、見せ場はない。主人公のはずの堤真一はともかく、もうひとりの主人公であるはずの岡村隆史なんてそれはないわ、というほど意味がない。台本が圧倒的につまらないのだ。群像劇にすらなってない。2時間こんなはずではあるまい、とずっと今に何かが起こると期待しながら最後まで見たのだが、ため息すら出ない。これはありえないつまらなさ。衝撃的だ。


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1 コメント

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おゃおゃ   (もののはじめのiina)
2019-12-14 16:44:07
「決算!忠臣蔵」は、「討ち入りにはお金がかかる」ために、お金をケチって 撮影したようですね。
お金を払ってみた方の悲喜劇こもごもというところでしょうか("^ω^)・・・。

大チャンバラの立ち回りをいれて出血大サービスして欲しかったですね。

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