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映画・演劇のレビュー

ザ・ブロードキャストショウ『俺たちの明日は、このマグナムに聞け!』

2009-08-05 20:21:26 | 演劇
 正直言ってこれは僕の見るべき芝居ではなかった。見る前からそんなことわかっていたけど、誘われたら断りきれないし、時間もちょうどあいていたから、ついつい好学のために、だなんて思い、劇場に足を運んでしまったのが間違いだった。一度くらい見てもいいかぁ、なんて甘い考えを抱いた僕が悪かった。

 シリアス(とは素直には言い切れないが)なブレヒト劇『母 おふくろ』を作った往来の鈴木さんがリハビリを兼ねて、思いっきりふざけて楽しいんだ舞台を作ってくれていたならいいなぁ、なんて期待してしまったのも間違いだった。

 なんだか制約ばかりでまるで遊び心のない舞台だった。観客参加型演劇なんていう新機軸を前面に打ち出すのは悪いことではないが、芝居はまず「芝居」でなくてはならない。アミューズメント・パークのアトラクションではないのだ。しかも、これは自分たちで仕掛けたスタイルに縛られて不自由極まりない。これでは誰も楽しめやしない。
 
 だいたいここまで穴だらけのストーリーで推理劇なんて作れないと思う。お話自体にリアリティーがまるでないのも大問題だ。しかも、そのお話自体もつまらないし。最初の事件編が終わったところで帰ればよかった。それならまだ傷は浅かったはずだ。根が真面目なので、劇場に来た以上途中では出れない。まぁ、それは礼儀なので当然だが、それにしても2時間40分は長すぎないか? 事件編、捜査編(推理タイム、逮捕状投票)そして、解決編と続くのだから、長くなるのは仕方ないが。

 それにしてもいくらヤクとか、賭博とかやってるからって、お店の中で平気でマグナムをぶっ放すってないんじゃないでしょうか。危ないし、普通じゃないです。だいたいこのいいかげんなタイトルで推理ものってのもないよなぁと思うし。

 観客を楽しませるってこういうことなのか?僕にはよくわからない。こういうのが楽しいと思えれる観客がたくさんいて、これがきちんと支持されているのならそれはそれで平和でいいかもしれないが。まぁ僕には無理だけど。 ごめんなさい。

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