なんて気持ちのいいお芝居なんだろう。大人が隠れ家で過ごす時間。ゆっくりお酒を飲む心地よい時。それを殊更誇示しようとするのではなく、さらりと見せて、いいなぁという気分にさせてくれる。誰のものでもない自分だけの時間と場所がある。
仕事に疲れた体を解きほぐし、また明日からも無理せず生きていこうと思う。そのための一時を提供してくれる。みんなで飲む酒もきっと楽しい。仕事の憂さをはらすために飲む酒もいいだろう。だけど、ひとり静かに、誰にも邪魔されず、何の気兼ねも遠慮もなく過ごす至福の時間。気の合うマスター(関川祐一)と二人。何も言わなくても分かる。それってある種のパターンかもしれないが、ここではなんの臆面もなくそんな風景が無理なく描かれている。
そんな場所に邪魔が入る。彼の部下で密かに彼を慕うOL(佐藤あい)が押しかけてくる、というのが第1話。困ったものだな、と思いつつも、そんな彼女を受け入れてしまう。勢いに任せてどんどん飲み続け、話を続ける彼女がとても可愛い。
2話目は、同期の女性をここに連れてくる話。今まで誰にもここを教えなかったのに、しかたなく部下の女性と過ごした後、今度は自分から人をここに連れてくる。もし、誰かとここで飲むのなら、彼女だろう、と思う。同期入社で、自分より先に出世した女(阿矢)。それでもなんとなく、ずっと友だちで、ある意味で戦友みたいなもので(この言い方は古すぎるかぁ)、なんでも話せて、男と女ではなく、でも、密かに女として尊敬と、ちょっと愛情も抱いている。(彼女も彼に対してそんな気持ちを抱いている、と思う)そんな二人が仕事の話を肴にして飲む。ここでは仕事の話は一切しないというのが、ルールなのに、彼女と二人で話す事と言えば仕事のことしかない。そんな微妙な関係が面白い。
わざとらしい話にはならない。この主人公をとてもさりげなく見せていくからだ。彼は男前でもなんでもなく、仕事に対しても特別情熱を傾けているわけでもない。どこにでもいそうな、何の変哲もない男だ。なのにそんな彼がとてもカッコよく見える。こういう中年男を女たちが好きになる気持ちが、なんだかよく分かる気がするのだ。
もちろん杉山寿弥さんがこの男を演じる。彼はいつの間に、こんな渋い役者になってしまったのか。驚きである。この素敵な中年男を演じて全く違和感がない。自然体でそれをさらりと演じてみせるなんて凄い。わざとらしくなりそうなものなのに、そうはしない。
肩に力を入れず、日々のある一側面をさりげなく見せる。一番リラックスできる時間と場所。勝ち負けから遠く離れて、休息する時間を、役者二人の2番勝負として見せる。タイトルにある3番勝負、さらには延長戦もぜひ見たくなる。そんなお芝居だ。
仕事に疲れた体を解きほぐし、また明日からも無理せず生きていこうと思う。そのための一時を提供してくれる。みんなで飲む酒もきっと楽しい。仕事の憂さをはらすために飲む酒もいいだろう。だけど、ひとり静かに、誰にも邪魔されず、何の気兼ねも遠慮もなく過ごす至福の時間。気の合うマスター(関川祐一)と二人。何も言わなくても分かる。それってある種のパターンかもしれないが、ここではなんの臆面もなくそんな風景が無理なく描かれている。
そんな場所に邪魔が入る。彼の部下で密かに彼を慕うOL(佐藤あい)が押しかけてくる、というのが第1話。困ったものだな、と思いつつも、そんな彼女を受け入れてしまう。勢いに任せてどんどん飲み続け、話を続ける彼女がとても可愛い。
2話目は、同期の女性をここに連れてくる話。今まで誰にもここを教えなかったのに、しかたなく部下の女性と過ごした後、今度は自分から人をここに連れてくる。もし、誰かとここで飲むのなら、彼女だろう、と思う。同期入社で、自分より先に出世した女(阿矢)。それでもなんとなく、ずっと友だちで、ある意味で戦友みたいなもので(この言い方は古すぎるかぁ)、なんでも話せて、男と女ではなく、でも、密かに女として尊敬と、ちょっと愛情も抱いている。(彼女も彼に対してそんな気持ちを抱いている、と思う)そんな二人が仕事の話を肴にして飲む。ここでは仕事の話は一切しないというのが、ルールなのに、彼女と二人で話す事と言えば仕事のことしかない。そんな微妙な関係が面白い。
わざとらしい話にはならない。この主人公をとてもさりげなく見せていくからだ。彼は男前でもなんでもなく、仕事に対しても特別情熱を傾けているわけでもない。どこにでもいそうな、何の変哲もない男だ。なのにそんな彼がとてもカッコよく見える。こういう中年男を女たちが好きになる気持ちが、なんだかよく分かる気がするのだ。
もちろん杉山寿弥さんがこの男を演じる。彼はいつの間に、こんな渋い役者になってしまったのか。驚きである。この素敵な中年男を演じて全く違和感がない。自然体でそれをさらりと演じてみせるなんて凄い。わざとらしくなりそうなものなのに、そうはしない。
肩に力を入れず、日々のある一側面をさりげなく見せる。一番リラックスできる時間と場所。勝ち負けから遠く離れて、休息する時間を、役者二人の2番勝負として見せる。タイトルにある3番勝負、さらには延長戦もぜひ見たくなる。そんなお芝居だ。