笑いをテーマにして見せていく。「コント公演」と銘打っている。1時間ほどの短編集。1本の長編とは違うけど、ともにょ企画らしいさりげなさがいい。ことさら笑いに拘っているわけではない。さらりといくつかのシチュエーションを見せるだけだ。人間観察の方がメーンとなる。ひとつの状況下で複数の人間のとる行動の差異で笑わせる。
第1話が一番おもしろかった。鈴木さんらしいシュールさがいい。絵を描いていた女の子がいる。彼女は開場から開演までの30分間その絵を描いていたようだ。彼女による前説があり、芝居が始まる。4人の男たちが彼女の描いた絵を突き破って、舞台に現れ元気にダンスを踊る。すると、彼女は怒り出す。「なんで、私の絵を破るの!」と。彼らは自分たちが絵を破ったことにすら、気付かす気持ちよさそうに踊るのだが、彼女はそれを止め、謝罪を要求する。このダンスシーンから舞台は始まったのに、話はそこで止まり始まらない。男は彼女の怒る理由がわからない。自分たちのダンスのことを熱く語るばかりで、話はまるで噛み合わない。しかも、突然音楽が入り、すると自然に身体が動きだし噛み合わない会話すら途切れてしまい、彼らは踊り出す。さらには、破られた彼女の絵を食べる女が出てくる。おいしそうな絵が描かれた紙だから、と彼女は言う。自分はもともとはヤギでこんなおいしそうな紙があると本能が目覚めるらしい。バカバカしいといえば、これまでだが、そんなばかげたことがさらりと描かれる。
へんな食堂の話もこれと同じで噛み合わない会話がベースとなるエピソードだ。今ここにいるにもかかわらず、もっと別のところに連れて行かれる感覚。それが彼らの持ち味である。今回のライブでもそれは遺憾なく発揮される。だが、このどんどんずれていく横滑りの感覚は長編でこそ、上手く機能するが、今回のような短編ではちょっと物足りない印象を残す。いつものダイナミズムがないのは残念だ。
だが、別の意味でのダイナミズムはある。狭い空間をことさら狭く使うのだ。あんなにも狭いアクティングエリアなのに、そこを縦横に使いエネルギッシュに踊るダンスシーンの躍動感。彼らの暑苦しさがすごい。それだけで笑える。狭さを武器にするというこのアプローチはおもしろい。
第1話が一番おもしろかった。鈴木さんらしいシュールさがいい。絵を描いていた女の子がいる。彼女は開場から開演までの30分間その絵を描いていたようだ。彼女による前説があり、芝居が始まる。4人の男たちが彼女の描いた絵を突き破って、舞台に現れ元気にダンスを踊る。すると、彼女は怒り出す。「なんで、私の絵を破るの!」と。彼らは自分たちが絵を破ったことにすら、気付かす気持ちよさそうに踊るのだが、彼女はそれを止め、謝罪を要求する。このダンスシーンから舞台は始まったのに、話はそこで止まり始まらない。男は彼女の怒る理由がわからない。自分たちのダンスのことを熱く語るばかりで、話はまるで噛み合わない。しかも、突然音楽が入り、すると自然に身体が動きだし噛み合わない会話すら途切れてしまい、彼らは踊り出す。さらには、破られた彼女の絵を食べる女が出てくる。おいしそうな絵が描かれた紙だから、と彼女は言う。自分はもともとはヤギでこんなおいしそうな紙があると本能が目覚めるらしい。バカバカしいといえば、これまでだが、そんなばかげたことがさらりと描かれる。
へんな食堂の話もこれと同じで噛み合わない会話がベースとなるエピソードだ。今ここにいるにもかかわらず、もっと別のところに連れて行かれる感覚。それが彼らの持ち味である。今回のライブでもそれは遺憾なく発揮される。だが、このどんどんずれていく横滑りの感覚は長編でこそ、上手く機能するが、今回のような短編ではちょっと物足りない印象を残す。いつものダイナミズムがないのは残念だ。
だが、別の意味でのダイナミズムはある。狭い空間をことさら狭く使うのだ。あんなにも狭いアクティングエリアなのに、そこを縦横に使いエネルギッシュに踊るダンスシーンの躍動感。彼らの暑苦しさがすごい。それだけで笑える。狭さを武器にするというこのアプローチはおもしろい。