|フェデリコ・フェリーニ監督の「8 1/2」のミュージカル版「ナイン」の映画化。何よりもまず、これがフェリーニの『81/2』を題材にしたミュージカルと聞き、ものすごく興味を持ってしまった。そんなんありか、と思った。
期待というよりも、そんなアホな企画でよくもブロードウエイミュージカルが出来たものだな、という驚きがまずある。それを『シカゴ』のロブ・マーシャルがアカデミー俳優たちをきら星のように並べて絢爛豪華に映画化する、というところにも惹かれた。こんな地味な題材が本当に大丈夫か、と心配になる。まるで想像もつかない世界だ。でも、ブロードウエイで大ヒットロングランされた作品だし、そこにはみんなが楽しめる何かが隠されていたのだろう。
ということで、期待して劇場に行ったのだが、実際に目にしたものは、目を覆いたくなるような失敗作で、これってニウ・チェンザー監督の『ビバ!監督人生!!』と同じじゃん、と笑ってしまった。
映画を作れなくなった監督の苦悩を描くミュージカルなんて、一体誰が見たいと思うのだろうか。よくわからない。かって映画大好き少年だった僕ですら、こんなマイナーな企画、本当なら見たいとは思わないくらいなのだから、一般観客にアピールする要素は皆無だ。当然封切ったところなのに、劇場には閑古鳥が鳴いている。同じようなネタで、同じペネロペ・クルスが出ているアルモドバルの『抱擁のかけら』の方が断然すばらしい。取ってつけたようなミュージカルシーンには閉口する。
とはいえ、ファーストシーンとラストは圧巻だ。全キャストが一堂に会す顔見せなのだが、胸一杯にさせられる。そこには確かに映画への愛がある。ここには映画を撮るという行為の喜びが満ちあふれている。
女たちの間をふらふらするばかりの主人公には共感できないが、ダニエル・デイ=ルイスはなかなかいいし、ニコール・キッドマンはハリウッドの大女優を貫禄充分に演じていて凄い。久々にソフィア・ローレンが出ていてこの人も凄い。ついでにマルチェロ・マストロヤンニも主人公の父親役で出て欲しかった。
9歳の少年の瞳が、主人公の映画監督と重なる。(少年は監督の少年時代の姿だから、当然だ)その仕掛けは悪くないと思うから、もっと少年と監督の関わりも描くべきだった。
期待というよりも、そんなアホな企画でよくもブロードウエイミュージカルが出来たものだな、という驚きがまずある。それを『シカゴ』のロブ・マーシャルがアカデミー俳優たちをきら星のように並べて絢爛豪華に映画化する、というところにも惹かれた。こんな地味な題材が本当に大丈夫か、と心配になる。まるで想像もつかない世界だ。でも、ブロードウエイで大ヒットロングランされた作品だし、そこにはみんなが楽しめる何かが隠されていたのだろう。
ということで、期待して劇場に行ったのだが、実際に目にしたものは、目を覆いたくなるような失敗作で、これってニウ・チェンザー監督の『ビバ!監督人生!!』と同じじゃん、と笑ってしまった。
映画を作れなくなった監督の苦悩を描くミュージカルなんて、一体誰が見たいと思うのだろうか。よくわからない。かって映画大好き少年だった僕ですら、こんなマイナーな企画、本当なら見たいとは思わないくらいなのだから、一般観客にアピールする要素は皆無だ。当然封切ったところなのに、劇場には閑古鳥が鳴いている。同じようなネタで、同じペネロペ・クルスが出ているアルモドバルの『抱擁のかけら』の方が断然すばらしい。取ってつけたようなミュージカルシーンには閉口する。
とはいえ、ファーストシーンとラストは圧巻だ。全キャストが一堂に会す顔見せなのだが、胸一杯にさせられる。そこには確かに映画への愛がある。ここには映画を撮るという行為の喜びが満ちあふれている。
女たちの間をふらふらするばかりの主人公には共感できないが、ダニエル・デイ=ルイスはなかなかいいし、ニコール・キッドマンはハリウッドの大女優を貫禄充分に演じていて凄い。久々にソフィア・ローレンが出ていてこの人も凄い。ついでにマルチェロ・マストロヤンニも主人公の父親役で出て欲しかった。
9歳の少年の瞳が、主人公の映画監督と重なる。(少年は監督の少年時代の姿だから、当然だ)その仕掛けは悪くないと思うから、もっと少年と監督の関わりも描くべきだった。