大好きだった西河克己監督の業績を集めた「西河克己映画記念館」に行ってきた。鳥取県の智頭というところにある。
大阪から青春18切符を使って行くことにしたが、なかなか上手く行けない。智頭急行や新幹線を使うといいのだが、在来線だけで行くなら、遠回りしてなんと片道6時間もかかるのだ。まぁ暇だから、それで行くことに。
智頭はいいところだった。観光客はたぶん僕だけ。どこに行っても人はいない。記念館でも僕ひとり。施設の人すら姿はない。のんびり隅々まで眺めて歩く。
高校生の頃、西河監督の61年作品、吉永小百合と浜田光夫主演の傑作『草を刈る娘』を見て、彼のファンになった。(もちろん最初は吉永小百合のファンになったんだけど)『草を刈る娘』のオリジナルポスターやスチール写真が展示されていて興奮する。西河監督の映画はいつも優しい。癒される。映画のなかで暮らしたいと思わされる。若き日の小百合ちゃんと一緒に。高校生の僕はそんな夢を見ていた。(恥ずかしい)
僕がリアルタイムで彼の映画を劇場で見たのは山口百恵主演『伊豆の踊り子』からだ。それから以降はすべての映画を映画館で公開時に見ている。百恵映画の『エデンの海』は傑作だ。もちろん智頭が舞台になった『絶唱』も好きだ。
この小さな記念館をゆっくり見て堪能した。とてもゆったりしたいい時間だった。