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映画・演劇のレビュー

追手門学院高校『農業少女』、千里高校『ノベル』

2010-08-09 19:53:11 | 演劇
 HPFが終了して、1週間になる。16日間23作品のうち10本を見ることが出来た。近年では久々のことである。二桁を記録したことは。この時期は日程的にもスケジュール的にもなかなか厳しいものがあり、どうしても5.6本程度になっていた。だから、今年は最初からかなり融通を利かせて計画した。その結果である。しかも作品自体も充実したラインナップで満足している。

 さて、僕の最終日である7月30日に見た追手門『農業少女』と、千里『ノベル 少女が夢見たフェアリーテイル』について、少し書きとめておきたい。実は正直言うと、この2本について書くのはかなり気が重い。

 最近、追手門の作品からはかつてのパワーが感じられない。その理由はある程度ははっきりしている。部員数の減少から、芝居に厚みがなくなったからだ。それは仕方がないことだろう。なのに、従来と同じスケールの作品作りがなされる。そこにはかなりの無理がある。だが、阪本先生は追手門ブランドを維持することを前提にして作品を作り続ける。無理を押し通すのである。パンフレットによると、なんと13人の部員のうち7人が1年生らしい。この状況下で従来通りのグレードを維持するのは並大抵ではない。

 今回も、確かに追手門らしい大作である。役者たちは頑張っている。スタッフワークも抜群である。伝統がしっかり受け継がれている。だから、安心して見ていられる。いい芝居であることは認める。だが、それ以上のものがない。仕方がないことだろう。だが、そう言うことは躊躇われる。アプローチを変えることも必要かもしれない。発想の転換は必要だ。

 千里高校の『ノベル』はなかなか役者たちが器用で手慣れた芝居をしているのに驚く。だが、そこが鼻に付くのも事実で、もっと下手で不器用な芝居をして欲しい、なんて言うと叱られるかなぁ。芝居の内容はあまりにたわいなく、作者が(演出も)先生であると知って驚く。確かにあのあからさまな『山月記』の引用なんて高校生は絶対しない。まず、そこからリアリティーがない。と、書き始めて、もう書けなくなる。

 実は僕はこの芝居の前半50分しか見ていないからだ。正直言うと、この芝居については何一つ書く資格はない。えらそうな、書き出し、しました。後半凄いことになっていたのなら、ごめんなさい。

        と、いうことで、今年は、実は9本と半分でした。

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