中国の若手監督コン・ダーシャンが映画大学の卒業制作作品として撮った作品。それが評判になり本国で劇場公開され、さらには日本でも公開された。今年の大阪アジアン映画祭でも上映された作品である。
とてもヘンテコな映画だけど、ふざけた映画ではなく、真面目。まじめにこんなことをしている彼らはやはり変。
90年代にちょっとした人気になったけど、今となってはまるで顧みられない宇宙探索雑誌の編集部が舞台になる。UFO目撃情報を信じて、旅に出る一行を描くロードムービー。描かれる中国の僻地の町、そのうらぶれた風景が素晴らしい。こんな何の変哲もない光景が中国ではどこにでも広がっているのだろう。
宇宙人は必ずいると信じる編集長と、なんとなく彼に付き合っていく人たちの姿をドキュメンタリータッチで描いていく。
頭に鍋を被った少年が素晴らしい。わけのわからないキャラだけど、しかも訳ありではなく、ただの変な奴なのに、実は、というところが嘘臭いこの映画にピッタリ。
安易なファンタジーにはならないのもいい。エセドキュメンタリーに胡散臭いキャラ。なのに何故か誠実。こんな映画をよく作ったものだ。