『アイヌ神謡集』を作り上げた知里幸恵を描く評伝。北海道から金田一京助に誘われて単身、東京に出てきた19歳の少女の死までの短い日々を描く。大正12年。差別と同情。理解あるフリ。彼女はアイヌで女性。
一気に読ませる。だいたい描かれる時間も短い。たった19年の人生。その最後の1年にも満たない時間。だけど、彼女はたったひとりで東京までやって来た。知らない場所でたまたま出会った国語学者に誘われ . . . 本文を読む
『マジカル・ガール』で第62回サン・セバスチャン国際映画祭グランプリ&監督賞を受賞した(という)スペインの鬼才カルロス・ベルムト監督最新作。相変わらず日本をリスペクトしてくれる。我がごとではないのに、なんだか気恥ずかしい。主人公はゲームデザイナーのフリアン。隣人の少年を火事から救う。お話はそこから始まる。だが、何を描こうとしているのか、なかなか明確にならない。もちろん少年への愛(ロリコン)を包み隠 . . . 本文を読む