2045年。ひとりの老婆が回想する1990年代のある夏の日々。とある高校の演劇部、夏合宿でのできごと。話自体はまるでリアルじゃないけど、多少脚色された想い出の中の風景としてなら、こういうドラマチックな展開もありかもしれないと思い、受け止める。女子高生を妊娠させる高校教師(演劇部の顧問)とか、いくらなんでもありえないだろ、と思う。しかも、あんなにけろっとしている。(匿名劇壇の福谷圭祐がふ . . . 本文を読む
4月にオリゴ党公演を終えたばかりの岩橋貞典が公演終了と同時に稽古を初めて、5月11日に初日を迎える。前作は2プロの公演で大変だったはずなのに直後の1ヶ月の準備期間でまるでタッチが違うこの作品の演出に挑んだ。落ち着いた手触りで、ところどころにちゃんと持ち前のユーモアを滲ませて、とても丁寧な作品として仕立てた。
4人の女優たちの持ち味をきちんと生かして、そんな4人のア . . . 本文を読む
これはとても難しい芝居だ。円形舞台で中央のアクティングエリアだけではなく、どちらからというと、その周辺の部分を中心にして芝居を作るなんて、そんなこんなの困難に挑む。それって、装置だけの問題だけではない。お話の展開のさせ方も、だ。敢えて困難に挑む作り方に徹した。これだけの壮大なお話なのに、たった100分の尺に収めようとする。2時間半くらいのボリュームなのに、それを駆け足で見せるからお . . . 本文を読む
白石和彌がついに本格的に東映ヤクザ映画に挑む。しかも、最初からいきなり頂点を極めることになる。こんな大胆な挑戦に心躍る。ウォーミングアップなんか要らない。やる以上は最初から頂上決戦だ。深作欣二の最高傑作『仁義なき戦い』にケンカをふっかける。チンピラが組長の首を獲るようなもんだ。大胆にもほどがある。しかも、時代は70年代ではなく21世紀。もうヤクザ映画なんか誰も作らない。そんな時代に . . . 本文を読む