76歳。両親のいない家での一人暮らし。ゴミ屋敷となった家。長女である彼女の死。主人のいなくなった家に帰ってくる兄弟姉妹たち。7人姉弟だ。彼女が倒れて入院した後、まだ死んでいないうちから、家の片付けをする。そんな風景から始まる。
在日の家族。長姉の葬儀を巡る物語。どこにでもある、ささやかな出来事。それを普遍的な次元へと昇華させることなく、あくまでも個人的な出来事のままで、自分たちの . . . 本文を読む
アレハンドロ・ホドロフスキー監督の90年作品。日本では未公開になっていたが、昨年26年の歳月を経て、ようやく公開された。劇場では見逃したのでDVDになったので見た。寡作の彼の貴重な1作品なので、楽しみにしてみたのだが、なんだかなぁ、の出来で、これではお蔵入りするのも致し方ないか、と思う。つまらないわけでないけど、何がしたいのかわからないし、いつもの彼の孕む狂気が感じられない。
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岡崎琢磨『さよなら僕らのスツールハウス』と『フィフス・ウエイブ』
こういうゆる~い小説が、それなりに人気なのは、きっと読みやすいからなのだろう。もう少し読み手の心に突き刺さる「傷み・のようなもの」を感じさせるように書いたっていいではないか、とは思う。わざわざ本を手にして読むのだから、あまりに内容が薄すぎて時間のムダだと思ってしまう。もちろんこの手のライトノベルにそんなものを期待す . . . 本文を読む
久々の大森一樹監督作品。70年代の終わり、『オレンジロード急行』で颯爽とメジャーデビューを飾り、時代の寵児になった。80年の『ヒポクラテスたち』は僕の生涯映画ベストテンに入れてもいいような大傑作だ。それ以後も80年代、たくさんの作品を手掛けた。吉川晃司のデビュー作でもある『すかんぴんウォーク』に始まる3部作や、斉藤由貴の3部作(特に『トットチャンネル』)が素晴らしかった。だが、90 . . . 本文を読む
いつもの柴崎さんの世界なのだが、60年代に作られた団地で暮らすことになった新婚夫婦の話という枠組みを用意しながら、そこに止まらずタイトル通り「千の扉」の向こうにあるたくさんの人たちの話になる。主人公は39歳の主婦。出会って3度の男から「結婚しよう」と言われ受け入れた。だから夫のこともあまりよくは知らない。淡泊な人で、あまり自分のことを話さないし、彼女も聞かないから何も知らない。新居 . . . 本文を読む
11月は「ビデオの日」のおかげで、旧作DVDを10本以上見ることになった。(別に見なくてもいいのだけど)何本かはここにも書いているけど、さすがに全部は書く時間がない。しかも、こんな時に限って、読むべき本がたくさんある。(これも別に読まなくてもいい)
仕方ないから、映画や芝居を見るのを減らすしかなく、11月も20日を過ぎたのに、まだ映画7本(その半券がまた、DVDに . . . 本文を読む