『宿命』

　ソン・スンホンとクォン・サンウ主演の韓国映画。ここまで酷い出来の映画でも、２大スターが共演したから、日本で公開される。しかも、僕までもが見る。クォン・サンウが選んだのなら、きっとおもしろいだろうと信じてしまったのだが、いくら彼でも、これはないだろ。なぜ、出演したのか、訳がわからない。この１本で彼への信頼は失くした。 　ここには、まともなお話すらない。ヤクザ同士の抗争をダラダラ描いただけ。そこに . . . 本文を読む

『ゼラチンシルバーＬＯＶＥ』

　監督は写真家の操上和美。彼の初監督作品となる。劇場公開時に見たかったが、例によってすぐに上映が終わり、結局DVD鑑賞となる。いつものパターンだ。 　ほとんどセリフがない。ただ、男（永瀬正敏）が向いの部屋を盗撮し続けるだけの映画だ。彼にとって、これは仕事なのだが、徐々に仕事を逸脱していくことになる。まぁ、よくあるパターンである。ル・コントの『仕立て屋の恋』のように切ない映画にはならない。女（宮沢 . . . 本文を読む

キネマ旬報関西読者の会のためのベストテン

【日本映画】 １　愛のむきだし ２　風が強く吹いている ３　ディア・ドクター ４　ヴィヨンの妻 ５　おっぱいバレー ６　女の子ものがたり ７　空気人形 ８　サマーウォーズ ９　ノン子、３６歳 10　お・と・な・り 次点　インスタント沼 【外国映画】 １　九月に降る風 ２　ラースとその彼女 ３　ホルテンさんのはじめての冒険 ４　母なる証明 ５　ハピネス ６　ウエディングベルを鳴らせ ７　グラン・ト . . . 本文を読む

松代太郎『よもぎ学園高等学校蹴球部』

　弱小サッカー部、３年生が引退する最後の試合。しかも監督もこの試合のあと、顧問を辞めるという。さぁ、どうする？　３５歳の女性監督。彼女はサッカー大好き少女だった。夢が叶って、高校の顧問になった。だが、生徒たちがついてこない。女の監督だということでバカにしている。 　なんとも、ベタな展開を期待させる出だしなのだが、芥川賞候補作品だ。ただのスポーツ小説にはならない。結局、まったく弾まないままで終わっ . . . 本文を読む