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映画・演劇のレビュー

ジャブジャブサーキット『河童橋の魔女』

2009-06-29 23:11:19 | 演劇
 小劇場の舞台としてはとても広いアイホールを使っているにも関わらず、ほんの少しだが、わざと空間を狭く使っている。はせさんはこの劇場で公演をするときにはいつも空間の広さを最大限に使うような演出をしてきた。基本的には四方囲み舞台だった。だが、今回はそうしない。しかも、天井のライトをかなり下にまで落としているし、舞台の両サイドもいっぱいいっぱいは使わない。背後の壁の奥には、緑の木々が仕込んであるし、客席 . . . 本文を読む
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A級MissingLink リーディング公演『プロ倫』

2009-06-29 23:09:43 | 演劇
 1974年に廃山となった島。炭坑を中心に栄えたこの島は一転廃墟と化す。それから35年。だれも省みることもなかったここに、やってきてコミューンを作る若者たち。かって炭坑の町として栄えた名残がそこここに残る無人島。2つの時間をつないで、新たな歴史が描かれていく。かってここで暮らした人たち。やがて、閉山されるのを待つ時間の中、それでもただ静かに日常生活は続く。自分たちの生活が奪われていく不安を抱え生き . . . 本文を読む
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『銀の鈴』

2009-06-29 23:08:32 | 映画
 作りたいものを作った。ただ、それだけだ。だが、それだけのことがこんなにも心地よい。全力で作り上げたことの充実感。よくぞ、ここまでやってくれたものだ。この映画を手掛けた齋藤勝監督は初めての映画に戸惑いながら、持てる力の全てを出し切って一世一代の賭けに出た。私財をなげうって、この映画を作った。自主制作の映画が手掛ける題材ではない。中途半端にしたなら、失笑しか生まない。腰を据えて本気で見せてもどれだけ . . . 本文を読む
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劇団 大阪『親の顔が見たい』

2009-06-29 23:03:41 | 演劇
とてもいやな話だ。いじめによる自殺。同じグループだった女の子たちは事実を隠蔽しようとして、口裏を合わせて黙秘を決め込む。親たちが学校に呼ばれる。だが、彼らもまた自分たちの子供をかばうため、事実を受け入れようとしない。 ディスカッション劇だが、話し合いを通して前向きな解決が引き出されるのではない。泥沼である。事件の核心には迫っていくが、それが何の解決にもならない。子供たちは反省するでもなく、標 . . . 本文を読む
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