習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

Bell Mark『confusion!』

2009-04-19 21:00:55 | 演劇
  不思議な感触の残る作品に仕上がっている。決して上手いとは思わないが、スタイルッシュな空間造形を志向し、その狙いはそれなりに達成できている。全体はコントや漫才を織り込んだバラエティショースタイルだが、そんな中で2人の男女(NとS)がラジオの掲示板で出会い、それぞれが今置かれている状況から1歩踏み出していこうとするまでの姿が描かれる。見終えてけっこう爽やかな気分にさせられる。ちょっとした青春もので . . . 本文を読む
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D3(ディーキューブ)『さくらぼし』

2009-04-19 20:23:39 | 演劇
 決して上手い芝居ではない。と、いうか下手である。でも、この芝居を作りたいという作者(作、演出は高木啓介さん)の気持ちはしっかり伝わってくる。この作品を通して見せたかったものがある。それを全力で伝えようとする。相変わらず(昨年彼らの芝居を初めて見たのだが、長いし、しつこいしたまらなかった)くどいシーンも多いし、説明過多だし、段取りは悪い。見せ方も拙い。見なくてもわかるシーンとか、あまりにわかりきっ . . . 本文を読む
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ゲキバコ!『ねことけんじゅう』

2009-04-19 19:41:07 | 演劇
 閉ざされた空間の中に2人の男女。1匹の猫。雨の夜。戦争の足音。このシチュエーションの中で、緊張感をどこまで持続できるのか。それが今回の課題だ。お話を見せるのではなく、状況を提示し、そこで生じる緊迫したドラマを見せる。2人の関係性を説明しない。不要だ。ちょっと考えればそんなこといくらでも察することは充分可能だからだ。  身分違いの男と女。女は1匹の猫のために男に身を任そうとする。男はギリギリのと . . . 本文を読む
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『ジェリー・フィッシュ』

2009-04-19 18:33:05 | 映画
 見終えたとき、あまりのあっけなさにちょっと呆然とした。82分という短い上映時間のなかで、3つのお話が微妙に交錯したりしなかったり。しかも3つの話の主人公の周辺の人物のエピソードも重要な要素として語られるから、いったいどれだけの人々の群像劇やら、混乱しそうになる。壮大なお話ではないから、あっけないくらいにたよりない。様々なエピソードが形作るもののはかなさが、この映画の魅力なのだが、あまりの淡さにや . . . 本文を読む
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