ポン酒猫のジャズ屋A7

日々ジャズと酒に明け暮れるジャズ喫茶のマスターが書き綴る何の役にも立たない話

Willie Colon / Solo

2012-01-15 03:21:41 | SALSA / AFRICA / ETC

 

ウィリー・コローンは1950年ニューヨークのサウス・ブロンクス生まれのプエルト・リコ人。

ニューヨークのサルサのミュージシャンの中では若手という事もあってか、

彼の音楽には本格的なキューバン・スタイルの他に、

ロックやソウル、そしてブラジル音楽まで色々な要素を見出す事が出来る。


それは、1961年に米国がキューバと国交を断絶した事により、

キューバ音楽及びミュージシャンが入って来れなくなったという事が

大きく起因していると思われる。


本作品は元々サルサのトロンボーン奏者として名を馳せていた

ウィリー・コローンが歌手として初めてリリースしたもので、

1979年にFaniaレコードから発売されている。


大胆なストリングスの導入、そして女声中心のコーラスと

ウィリー・コローンの優男風の甘いヴォーカルとの対比。

当時のサルサとしてはかなりポップな作品だ。


ブラジル音楽に詳しいウィリー・コロンらしく、

5曲目にはピシンギーニャ作の有名なショーロ・ナンバーを収録してはいるが、

3曲目に至っては日本の歌謡曲を思わせるものまで入っている。


アルバムとしてのサウンドは、素晴らしく軟弱なのだが、

これが何とも心地好いのである。


ジャズ・ファンにはコーラスに、マーリン・ヴァー・プランクの名が

クレジットされているのが気になる処かもしれない。


ともあれ、肩肘張らずに気軽にサルサを楽しめる好盤と云える。


尚、このアルバムは日本盤は完全に廃盤であるが、輸入盤で簡単に入手出来る。




 Willie Colon / Solo

 原盤 : Fania JM-00535

 Reissue : ポニー・キャニオン PCCY-00181 (廃盤)


1,Nueva York
2,Sin Poderte Hablar
3,Chinacubana
4,Senora
5,Urubatan
6,Juancito
7,Colonizaciones
8,Mentiras Tuyas
9,Julia
10,Tu Eres Tu


Willie Colon (vo,bass-tp,chorus)
Bobby Porcelli (as,fl)
Mauricio Smith (fl,picolo)
Ronnie Cuber (bs,fl)
Mario Rivera (bs,fl)
Leopoldo Pineda (tb)
Angel “Papo” Vasquez (tb)
Sam Burtis (bass-tb,tuba)
John Fartis (tp)
Tony Cofresi (tp)
Luis Esteban Ortiz (tp)
Hector Zarzuela (tp)
Professor Joe Torres (p)
Salvador Cuevas (b,fender-b)
Jose Mangual Jr. (bongo)
Eddie Montalvo (tumbadora)
Jimmy Delgado (timbal)
Yomo Toro (cuatro)

Irving Strings Ensemble

Adrian Albert (chorus)
Demaris Cortez (chorus)
Jose Mangual (chorus)
Nestor Sanchez (chorus)
Marlene Ver Plank (chorus)
Cynthia Colon (chorus)
Ada Chabrier (chorus)


1979年 発売

 

 

 



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2 コメント

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ポン酒猫さんの隠し玉・・? (BreakN’Bossa)
2012-03-25 16:08:52
ポン酒猫さん、こんにちは。お酒お好きで羨ましいなあ、ぼく呑めないんですよ・・寂。

さてこの盤、さっき某店のラテン棚で見つけて買って来たんですが、ウィリー・コロンの伸びやかな声がいかにもラテンのムードを醸し出していて哀感漂う曲調によく合っていますね。彼が実はボントロ奏者だって聞いただけで声に深みが増してしまふのはボントロ好きの悲しいサガなのか・・笑。

この盤、フルバンドの伴奏がやけに品がよくて、ストリングスのアレンジなんて絶品ですね。マーリン・ヴァー・プランクも参加している(なんてよく気がつきましたネ)というコーラスもお洒落な雰囲気で盛りあげてますし、なんちゅうかまあ贅沢な作品ですね・・、インストとしても何度も聞き返したくなる名品です。

>アルバムとしてのサウンドは、素晴らしく軟弱なのだが、これが何とも心地好いのである。

そうそう、たしかに日本の歌謡曲みたいなのもあるし総じてポップな感じなんですが、ポン酒猫さんのご紹介の適切さが身に染みた一枚・・、やはり僕なんかとは違うなあ・・笑。
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Unknown (ポン酒猫)
2012-03-27 13:47:19
>BreakN'Bossaさん
酒が呑めるかどうかは個人差が有りますからね。只、呑める方が人生楽しいですよ(多分そう思います)。

このアルバムを聴いてから、サルサと歌謡曲にかなりの共通点が有る事に気が付きました。仰る通り何回も聴き返したくなる作品だと思います。
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