ポン酒猫のジャズ屋A7

日々ジャズと酒に明け暮れるジャズ喫茶のマスターが書き綴る何の役にも立たない話

ペルシャのサントゥール~イラン

2011-12-03 03:02:12 | 民族音楽

 

サントゥールは平たい共鳴箱の上に多くの金属弦を張った楽器で

所謂ダルシマーの一種である(写真下)。


 

その一音は、互い違いに張った3本もしくは4本の弦で構成され、

楽器としての音域は3オクターブに及ぶ。

これらの弦を両手に1本づつ持った軽い木で出来たバチで打ち、音を出す。

一音が複弦のためバチで打った際に各弦の張力に多少の誤差が生じ、

一種のうなりとなって聴こえる。

この響きがサントゥールの魅力となっている。


ペルシャ=イランの音楽はシュール、セガー、フマユーン、ナヴァ、

バヤティ、ラスト、アブ・アタなどと呼ばれる12の旋法を用いており、

1つの旋法のオクターブは18音である。

従って西洋音楽の4分の1音という音程が存在するが

正確な半音の半分という音程を使用している訳ではない。


歌は裏声と表声を巧みに、且つ激しく交互させる発声法。

また、リズムは自由な部分と拍がはっきりした部分があり、

古典音楽においては、リズムのはっきりしない部分と

規則的なリズムの要素を持った決まりある楽曲らしき部分とが

これまた交互して演奏される。


このアルバムはノンサッチ・エクスプローラーの民族音楽シリーズの1枚で、

2人のシンガーにサントゥールとヴァイオリン、

そしてドンバックと云う太鼓による歌と演奏が収録されている。


サントゥールの荘厳な音色と、独特の発声法による歌は

なんとも美しく、感動的である。


尚、2曲目のチャハルメズラーブとは、

はっきりとした拍子を持つ器楽のことである。



 ペルシャのサントゥール~イラン / The Persian Santur~Music Of Iran

 原盤 :  Nonesuch Explorer H-72039

 Reissue :  ワーナー・ミュージック・ジャパン WPCS-21324


1,<国外で迎えたお正月>基本音階セガー
  / Nooruz dar ghorbat (segah=セガー)
2,<フマユーンの音階によるチャハルメズラーブ>
  / Chaharmezrab (homayun=フマユーン)
3,<最愛の人の魂>
  / Janne janan (shur=シュール)
4,<夢みる少女>
  / Zibaye khofteh (abu-ata=アブ・アタ)


Nasser Rastegar-Nejad (singer,santur)
Fariba (violin)
Manuchehr Hashemi (singer)
Ali-Asghar Mirzadeh (domback)


1970年代前半 録音

 

 



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