ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2016プレミアリーグEAST第3節FC東京vs大宮アルディージャユース@味スタ西20160423

2016-04-24 00:16:48 | FC東京

春の声が聞こえて以来、暑さ寒さの上下動が激しい気候が続きましたけど、ようやく春らしい爽やかな天気がやってきました。春や東京でございます。

陽気に誘われるままに、普段はほとんど拝見しないのですけど、東京U-18の試合が初の東京主催試合とのことで、運営のドキドキを見なきゃと思い、味スタ西にやってまいりました。

今シーズンのプレミアリーグが今月開幕し、はやもう第3節を迎えます。対するは、大宮ユース。似たような闘いかたのガチンコバトルは、懐の深さの違いを見せ、終わってみればゴレアーダ。

東京のシフトは中盤スクエアな4-4-2です。GKは波多野くん。CBは蓮川くんと坂口くん。SBは右に岡庭くん左に荒川くん。ボランチは鈴木喜丈くんと伊藤くん。メイヤは右に生地くん左に内田くん。2トップは松岡くんと半谷くんです。選手名は、東京U-18に親しみを持ってもらうためにニックネームで書いてあげたいのですけど、把握していないものですから、苗字で失礼します。もしどなたか情報をいただけるようでしたら書き直します。それと今年から強化部に入ったので、くん付けはむしろ失礼かもしれませんね。ご指摘いただけれは直します。

大宮もシフトは相四つで、中盤スクエアな4-4-2です。GKは宮崎くん。CBは北西くんと土田くん。SBは右に篁くん左に笹原くん。ボランチは山田くんと長谷川くん。メイヤは右に氏川くん左に渡辺くん。2トップは奥抜くんと小柏くんです。

東京も大宮も、闘いかたの基本的なコンセプトは変わらないような気がしました。中盤の主導権争いで有利に立ち、攻撃はアタッカーのスキルでゴールに迫るというコンセプトだと思います。東京はキックオフ直後こそアグレッシブなフォアチェックを見せましたけど、これはおそらく、挨拶替わりのオープニングブローのようなもので、本質的にはゾーンで網にかけるスタイルのようです。4+4の2ラインを綺麗に敷いて、大宮を網のなかに呼び込みます。大宮も、守りかたはまったく同じスタイルです。こちらも4+4の2ラインを維持します。

一方で、攻撃のスタイルは両者それぞれ個性を発揮しています。東京の攻撃は比較的オーソドックスです。育成年代ならでは、なのかそれとも前線にそういうキャラが揃っているのか、バイタルエリアでパスを受けると、アタッカーはアタックラインからペナルティエリアに向かってドリブルで運びます。担うのは、松岡くんと半谷くん。特長的で面白いのは、生地くんの役割です。生地くんは守備の際も、状況によってではありますけど、ラインを外れて少し前目の絞り加減のポジションにつきます。攻撃でも、2トップからややずらしながら、中央右寄りを主な生息地にしているようです。守る大宮にすれば、ゾーンの合間を狙われているようで、生地くんに対してはとても守り辛かったと思います。

少なくともスターターのアタッカーは、割合直接的な動きが多いです。ドリブルもスキルフルというよりかは、オラオラ系です。普段トップチームでは柔らかいタッチのドリブラーを見る機会が多いので、新鮮でワクワクしますね。そんななかで、鈴木喜丈くんのドリブルはシルキータッチで、大柄なのに相手に触らせないでスルスルと抜け出すことができます。ボールキープ力もあるようですので楽しみです。少し腰を気にしていた様子が見えたので気になりました。気のせいならいいのですけど、鈴木くんに限らず、怪我は十分にケアしてほしいと思います。

対する大宮の攻撃は、少しばかり複雑です。大宮には明確な攻撃時のキーマンが存在します。長谷川くんと小柏くんです。攻撃時の大宮はシフトがかなり変わります。ボランチが縦配列になります。てか、長谷川くんはトップの位置で基点になります。代わって小柏くんが中盤に下がってトップ下の位置に入ります。さらに氏川くんと渡辺くんがかなり絞り、トップとの距離を狭めます。空いたサイドはSBが上がります。つまり3-3-4のような形になります。おそらく長谷川くんと小柏くんの個性を活かそうとして、このような変則なかたちに辿りついたのでしょう。これも育成年代ならではというか、個性に逆らわないアプローチでおもしろいです。小柏くんはアグレッシブなドリブラーで、長谷川くんはスペースメイクが得意なようです。

この大宮の変則アタックに東京がどう反応するかなと思っていましたら、選択したのはまずは受けることでした。東京はサイドエリアをケアします。個性の源である長谷川くんと小柏くんは、変則ではあるものの、実は中央を上下にポジションチェンジしているだけなので、CBとボランチのスクエアのゾーンをしっかり維持できれば対処できるという選択だと思います。それよりもむしろ、両サイドが脅威と映ったのだと思います。サイドはマンマーク気味になります。岡庭くんと荒川くんはゾーンを固めるため内に絞ります。高い位置を取るSBに対し生地くんと内田くんがマークしますので、大宮が攻撃権を持つと、東京は6バックのようなかたちになります。

大宮のビルドアップからの仕掛けは、東京と同じく基本的にドリブル基調で、ラインの裏を狙う仕掛けがあまり見られません。ドリブラーを主軸に据えているが故だと思いますけど、東京にとってはけして守りにくいものではなかったと思います。生地くんと内田くんの位置が下がりますけど、最終ラインの高さそのものは低くなく、また攻撃時に2トップがドリブルで持ち上げてくれるので、大宮に合わせたかたちでも、けして守備モードというわけではありません。互いにドリブルの応酬のような展開になり、クリンチ状態に入ったなと思っていたら、先に打開したのは東京のカウンターブローでした。29分。半谷くんの左からのクロスを生地くんが頭で合わせました。東京1-0大宮。

守備を安定化する意図の東京が先制したことで、イニシアチブは東京が持つことになります。前半はリードのまま終了。

後半頭から大宮が動きます。渡辺くんに代わって蛭田くんが右メイヤに入ります。右メイヤの氏川くんがトップに上がり、奥抜くんが左メイヤに回ります。この交代がいきなり奏功します。46分。小柏くんのクロスを代わったばかりの蛭田くんが右足で押し込みました。東京1-1大宮。

イーブンに戻りましたけど、ここからチームの懐の深さの違いが現れます。結局大宮は交代カードを二枚に留めました。オプションに事情があったのか、はたまたスタータースコッドの練度を上げるために長い時間プレーさせる意図なのかわかりません。いずれにしろ、後半も大宮はプレースタイルを変えることはありませんでした。

一方で東京は、前線のセットを代えることで、まったく別のBプランを発動します。松岡くんに代えて鈴木郁也くん、ややおいて半谷くんに代えて久保くんを投入し、2トップをそっくり入れ替えます。

松岡くんと半谷くんの組み合わせは、いわばダブルドリブラーシフトで、守備側に執拗にオラオラドリブルを仕掛けます。対して鈴木郁也くんと久保くんのコンビは役割を分担します。一方が最終ラインを引っ張る動きで裏を狙おうとすると、もう片方はステイして、中盤からのパスを受けます。球出しはロングボール基調になります。鈴木くんと久保くんは代わるがわるこの役割を分担しますけど、鈴木くんのほうが裏に抜ける動きが多いようです。おそらく歩幅が大きくスピード系の鈴木くんと足元の技術が高い久保くんの組み合わせの妙味を活かして、そのような分担の割合になったのでしょう。このコンビが大宮の最終ラインをひっかき回すことで、得点的にはイーブンなれど、主導権は完全に東京に渡ります。そして、まずは久保くんが結果を出します。75分。久保くんが右寄りのFKを直接決めました。東京2-1大宮。

トップが機能することで、生地くんも活性化します。ランとステイの両極に役割分担する2トップに、フリーランニングで生地くんが絡みます。前半は右サイドで直線的なアタックが多かった生地くんですけど、後半はダイアゴナルに逆サイドにも顔を見せるようになります。78分。生地くんがこぼれ球を押し込みました。東京3-1大宮。

続いて、再三裏への飛び出しで大宮守備陣をひっかきまわしていた鈴木郁也くんが結果を出します。83分。最終ライン裏に抜け出した鈴木くんが落ち着いて流し込みました。東京4-1大宮。

前後半でアタックパターンを顕著に変えることで、当事者のアタッカーだけでなく、マネジメントする後方の選手のタクティカルな能力アップにもつながると思います。観ていても楽しいですね。もうひとり目をひいた選手は、岡庭くんです。それほどフィジカルが強そうには見えないのですけど、右足からのクロスが、今日のメンバーのなかでは東京、大宮を通じて抜きんでて速く、力強かったです。まだまだ安定感はないのですけど、たしか昨年観たときも同じような感想を持った気がしますので、もう少し筋力を付けてコントロールできるようになったら、とてもおもしろい存在かもしれません。

最終盤、大宮も一矢報います。89分。左CKを、奥抜くんに代わって入ったばかりの安島くんが頭で合わせます。東京4-2大宮。

後半アディショナルタイムに、ゴレアーダを締めくくる内田くんのゴールがあり、終わってみれば夢スコ。後半戦の前線のセットは全員得点です。東京5-2大宮。

ゴール後の楽しそうな様子で、普段からみんなでサッカーを楽しめてる雰囲気が伺えました。トップチームがもやもやしているので、個人的にはいち迅の春風のごとく、さわやかな気持ちになることができました。このチームが今年、これからどんな成長を見せるのか、楽しみですね。