ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

FC東京 武藤嘉紀選手「感謝のごあいさつ」20150628

2015-06-28 22:35:14 | サッカー

感動のラストマッチから一夜明け、午前中のキッズフェスティバル終了後の味スタで、クラブがよっちの壮行会を用意してくれました。

自分のなかでよっちを花で例えるなら、ひまわりだと思っています。ただまっすぐ一つの目標に向かって進み続け、そしてどんな時もぱっと明るくしてくれる、そんな存在です。ちょうど小金井公園で早咲きのひまわりが咲きはじめました。

よっちを送る日は、真夏の到来を予感させるような、そんなひまわりのようなよっちにふさわしい夏空になりました。

昨日、もらい泣きを誘った素敵な泣き顔も、明けてすっきり、いつものよっちスマイルが戻ってました。 

やっぱりよっちは明るく元気に送り出したいですから。

壮行会は、三田さん、ゆってぃさん、川内ネネちゃんの進行です。15分間のトークショーと記念撮影です。そのあと、事前の応募で当選されたかた限定で、ファンサがありました。トークショーの模様

よっちの挨拶の全文です。「今日もこれだけ多くの皆さんに来ていただいて、本当に感謝してます。FC東京での1年間半は、自分にとって宝物です。サポーターの皆さんからいただいた力をしっかりとドイツで発揮できるように、がんばっていきますので、またドイツに行っても応援をよろしくお願いします。そして、FC東京の応援も、引き続きよろしくお願いします。本当に一年間半、ありがとうございました」

サポーターも交えて記念撮影です。

この構図だとFC東京魂なのかな?w

短い時間だったけど、すっきりした笑顔が見られて嬉しかったです。

東京を導いてくれたよっちに贈る、しゃれたことばは持ち合わさないけど。ひたすら前を向いて。そしていつの日か、また会いましょう。


2015J1リーグ第17節FC東京vs清水エスパルス@味スタ20150627

2015-06-28 20:37:57 | サッカー

武藤嘉紀。

2013年7月6日。リーグ戦第14節ホーム広島戦。当時慶應義塾大学生で特別指定選手だったよっちがプロデビューした日です。

あれから2年。プロ契約は2014シーズンからですから、よっち本人が言うとおり1年間と半分。数字にしてしまうと、これまでそしてこれから辿るであろう東京と自分の長い時間のなかではほんの一瞬の出来事に感じてしまいます。

そのプレー通りに、よっちは一陣の風のごとく、僕らの心を通り抜けていきました。その風の香りは、爽やかで芳醇で、いつまでも尾を引く余韻を残して。

今日は、よっちの壮行試合です。東京ユース出身としては、忠成と梶山に次ぐ主力級3人目のヨーロッパ移籍ですけど、壮行できるのはよっちが初めて。よっち自身も冥利につきると思いますし、ユーススタッフとユースファンの感慨もひとしおでしょう。41,363人の壮行会を目撃した子供たちにとって、大きな夢を与えてくれることにもなったと思います。

よっちを送別するために、東京は素敵なコレオグラフを用意しました。

そして東京の夜空は、素敵な夕景を用意してくれました。

本日のYou'll Never Walk Alone♪

味スタが震えたよっちのチャント♪

ポストよっちを想わせる遼一と慶悟の活躍で、よっちを勝利で送ることができました。

よっちを送る日の東京のシフトは4-4-2。よっちの仲間たちは、GKは権田。CBはモリゲとカズ。SBは徳永と宏介。ボランチは梶山と秀人。メイヤは右にたま左に慶悟。よっちと2トップを組むのは遼一です。

今日よっち壮行会に参列してくれたのは、清水です。大榎さんは早稲田ア式蹴球部の元監督ですから、いわば慶早戦です。シフトは面妖なる3-3-2-2。GKは櫛引。3CBは右からヤコヴィッチ、福村、犬飼。アンカーは竹内。WBは右に枝村左に河井。2シャドウは右に水谷左に金子。2トップはピーター・ウタカと元紀です。

有り体に言うと今の清水は、つまり故障者が続出している状態の清水は、J1に足る編成を持っているとは思いますけど、J1に生き残るような闘いかたをしていません。編成とはすなわち元紀。闘いかたとは、試合のドミナントになろうとすること。

清水の攻撃は必ず竹内を経由します。竹内がアンカーの位置から左右にパスを散らします。前半は枝村を使っていました。枝村は、今の清水では数少ない、割合形を作れる選手なので、まずはリズムを作ろうという意図だったかもしれません。ところが今日の枝村はキレと判断力がありません。アタッキングサードでパスが回ってくるのですけど、クロスに威力がなく、宏介に対峙しても抜けません。早々と枝村のプレーは消極的になります。

枝村のプレーは守備にも影響します。枝村に限ったことではないですけど、清水の守備は全般的にゆるいです。そもそも1アンカー2シャドウの中盤中央は、数的な不利がないとは言い難く、シフト編成の時点で大きなリスクを背負っていると思います。東京の4-4-2はボックスではなくラインなので、中盤中央は二枚と見ることができないわけではありません。ただ、これは2シャドウがダブルボランチとの1on1で優位性があることが前提。今日の中盤の守備は、あまりにも普通で、あまりにも正直でした。これではフィジカルに差があり過ぎるマッチアップでは、梶山と秀人の敵にはなり得ません。もちろん編成の苦しさはあると思いますけど、試合ごとにきめ細やかな相手対策を施さないと一定の成績を残すのは難しくなると思います。ようするに、清水のサッカーは、この状況にありながらにしてマイペースで、清水たらんとしています。

最近東京は、サイドアタック封じに苦しんでいます。松本、鳥栖とも、宏介と徳永にボールが納まるとチェックのスイッチを入れていました。今の東京はサイドアタック、もっと言うと宏介のクロスしかありませんから、合理的な守備のアプローチです。清水は、これすらしません。サイドアタックの起点ではなく、アタッキングサードに入る手前でさばこうとします。これは技術的優位の守りかた。であればまず守備陣形を整えるべきですけどラインというものがなく、原則各位のポジションでの1on1を基調とします。これまた技術的優位の守りかた。つまり東京の主戦場であるサイドは、枝村と河井が基本的にひとりで任されます。序盤、とくに枝村が慶悟や宏介に苦しみました。これは枝村のアプローチのゆるさもありますけど、コレクティブな守備の発想の無さももちろん影響していると思います。

清水の攻撃のプランは、ホントはもっと高い位置で基点を作りたいのだと思います。大榎さんの志向は確認できていませんけど、アジリティ系2シャドウを起用するのは、そこで勝負したい意思を表現していると思います。ウタカがポストを納め、落としを元紀、水谷、金子が絡んで、守備網の網目が荒いうちにちょこまかとアタッキングサードをかき乱す攻撃をしたいのだと思います。でも残念ながらウタカのポストは安定しません。ウタカは試合中、徳永、カズ、モリゲ、宏介と、右から順に対峙する相手を変え優位性を探っていましたけど、結局全員に全消しされました。竹内が目立っていたのはそれが故。

さて、左用なわけで東京がオーガナイズする権利を持っていたのですけど、10分を過ぎると攻撃権を清水に譲ります。そのこと自体はミステルの基本プランなので問題無いと思いますけど、最近、ちょっと受け過ぎかなと思います。ひとつには、リトリートするとボランチがスタンディングになります。こうなると、アジリティ系のアタッカーと対峙したときに初速で不利なんじゃないかと思います。

ヨネが離脱して以来、梶山と秀人がコンビを組みますけど、時折二人のポジションが被ることがあります。正しくは、二人が同じアタッカーをケアするシーンが試合中に何度かあります。とくにリトリートした時にこの傾向が現れます。鳥栖もそこを狙っていました。もしかしたら大榎さんは、東京が試合中にかならずリトリートすることを算段して、守備面のリスクを承知で水谷と金子を並べたのかもしれませんね。

清水の攻撃は、元紀を基点にします。てか、元紀がすべて。つくづく元紀をリスペクトします。清水をJ1クオリティたらしめているのは、ひとえに元紀ただひとりの力といっても大げさではないと思います。近年の清水のアタッカーの特長は、1トップだけビッグサイズで、その一列下がり目にちびっ子ドリブラーを並べることです。元紀ももともとはその一人なのですけど、いまの元紀は、あえて動きません。基本的にバイタルエリア中央付近にいて、攻撃の目標になります。もちろん守備側に身をさらすことになりますけど、ポジショニングの巧みさと、ボールロストしないテクニックで、少なくともチャンスメークでは寿人級の働きをします。水谷と金子は、元紀を軸にパスをつなぐためのスペースメイクを繰り返します。

ただ、以前と違って東京のビッグサイズな最終ラインは高アジリティ系の選手も難としません。東京のリトリートを機に、アタッキングサードに入れるようになりましたけど、シュートアテンプトには至りません。一概には言えませんけど、近年のJ2の傾向を見ると昇格チームの特長が酷似してきていて、言わば昇格モデルができつつあるように思います。あくまでも過程の話ですけど、いまの清水の「綺麗」なサッカーは、J2では厳しいような気がしますし、そのような事例を毎年見ています。もしかしたら、大榎さんはそれを承知で、あくまでもJ1仕様をリビルドすることを目標に取り組んでいるのかもしれません。斜めな見方かもしれないけど、大榎さんの本心というよりも、清水の街がそうさせてるのかなと思ったりもします。ゴトビさんの合理的でガテン系なサッカーは、お人柄の魅力はともかく、サッカー王国としてのプリンシパルが根付いている清水の街には必ずしも受け入れられてはいなかったんじゃないかと、日本平で清水サポに囲まれながら感じたことを覚えています。だから、チームを受け継いだ清水を体現すべき大榎さんは、可能な限り清水らしいサッカーで現実的な再建を目指されているのかもしれませんね。

攻めさせつつも、東京がオーガナイズする展開でしたけど、リトリートするがゆえに基点が低くなり、東京の攻撃も手詰まりになります。最下位相手に普段着のサッカーを貫くことに感じ入りつつも、正直よっちラストマッチなのでもうちょっと上位らしい闘いかたも見たいなと思っていると、お馴染みセットプレーからの流れで先制します。

38分。清水陣アタッキングサードに入った辺りの徳永のスローインから。よっちがトラップしたボールが流れ、こぼれ球を金子が拾います。金子は前に大きくトラップからドリブルしようとしますけど、そこに梶山が詰めていて大きな壁になっていました。梶山はお尻一発で金子をなんなく止め、トランジション。ドリブルしながらルックアップ。清水の最終ラインは揃っていますけど、ヤコヴィッチがボールウォッチャーになっていて背後を慶悟が狙っているのに気付きません。これを見た梶山はヤコヴィッチに寄って十分引きつけ、ヤコヴィッチが寄せてきたところでどエロなスルー。パスを受けた慶悟は右足トラップで前に出し、寄せてきた櫛引をもう一回右足トラップでかわし、最後は左足で流し込みました。東京1-0清水。

今日に限らず今年の慶悟は、慶悟アンチの声が序々に聞こえなくなるくらい充実しています。主戦場を左のアタッカーに据えて、宏介、よっちとの連携が格段に向上しました。高い位置で慶悟が基点になれるため、宏介が追い越す、あるいは慶悟自身が裏に走ると、表裏様々なパターンをコンビネーションのなかで出せるようになっています。このことが、マジカル宏介の源泉になっているような気もします。あとはゴールです。ポストよっちの軸の一番手として、今日も一本外した直後だっただけに、ゴールは嬉しかったでしょう。

前半はリードしたまま終了。

先制しましたから、後半開始も東京はリトリートから入ります。清水が高い位置でパスを回す時間が後半も続きます。無敗期間中に見せていた、最小得点を守る安定感から、ここ数戦は危うさを感じるようになっています。

もともと4-4-2は、サイドの数的不利を解消するためのもので、必ずしも守備モードというわけではありません。まして今日の清水は、サイドはWBだけなので多重性はなく、元紀が下がることでバイタルエリア中央に3人のアタッカーが入り込むため、むしろ中央に危険性があるように感じていました。そしてその予感が現実となります。

51分。センターライン付近で遼一がクリアしたボールを福村が頭で前線に送ります。これをウタカが、左脇に元紀がいることを確認してポスト落とします。元紀はパス&ゴーでモリゲとカズの間を抜けようとするウタカに向けてロブを送ります。アタッキングサードに入ります。ウタカは二度の切り返しでモリゲを振り切りマイナスのクロスをゴール前に送ります。この時ゴール前は、パス&ゴーでダイアゴナルに走っていた元紀がゴール正面、やや遅れて水谷が上がっています。元紀はカズと宏介が見ていましたけど、水谷はマークする秀人を急な方向転換で振り切ります。そこにウタカのクロスが届きます。水谷のシュートはポストに弾かれます。、こぼれ球を枝村がダイレクトにシュートします。これが元紀に渡ります。元紀はトラップで落とし、右足で流し込みました。東京1-1清水。

これを受けてミステルが動きます。たまに代えて羽生を同じ右メイヤに投入します。この戻ってきた羽生投入が流れを大きく変えます。前提として、ふりだしに戻ったので東京が攻撃モードに入ったことはあります。それにしても、羽生の気の効いたポジショニングに、ひさしぶりに見るが故に貴重さを再認識しました。羽生の2手先のパスコースが見えているが如き神がかったポジショニングが、右サイドを活性化します。左サイドも慶悟と宏介の連携が息を吹き返し、両サイドからクロスが供給されるようになります。

両翼の攻撃が機能するようになると、おもしろいことにロングカウンターもはまりはじめます。よっちがマーカーのヤコヴィッチからはなれて福村を狙うようになって、サイドだけではない縦への推進力も増します。なによりも今日の主役、よっちにパスが渡ると味スタの温度が3度くらいアップするように感じます。よっちがボールを持つだけで、何かが起こる期待感でスタジアムが一体化します。

自分にとってよっちは、加賀さんのような比肩すべからざる存在ではなく、またナオのような魂そのものでもなく、ほかの選手同様、東京にいるがゆえに愛する存在です。ただ、小学3年生から東京で育ったDNAそのものという付加価値ゆえ、たしかに普通の愛の対象ではないのも事実。でも、自分はユース世代を一時期以来見なくなったので、よっちの成長に対する感慨の負い目が常にあります。もしかすると、たまや健太郎や宇佐美とほぼ同世代で、その頃のカスーラをはじめとするU-15はよく観ていたので、どこかで若かりし頃のよっちを観ているかもしれません。自分は地縁からむさしのほうを観る機会のほうが多かったので、可能性はあまり無いですけど。だから、よっちへの想いは一般のサポと同じで、トップに上がってからの大活躍に対する感謝です。ぼくらがよっちに感じるものは、おそらくこれまでぼくらが感じたことのない、本物のサッカーヒーローのそれ、なんだと思います。キングや由紀彦以来、ドメスティックヒーローは脈々と続いていて、魂の系譜として不可欠ではあるのですけど、目に見えるわかり易い結果として、味スタに4万人を一人で集める対象は、2013年までは未経験でした。それはつまり、鑑賞対象としてのサッカーの原点である単純なワクワク感。よっちの肉体と精神によるゴールへの執着が醸し出す躍動感とゴールへの期待感は、サポのみならず、さらにはJリーグファンのみならず、誰が観ても、もしかするとスポーツに興味がない人にとっても、共通に感じ得る感覚だったかもしれません。自分のよっちへの感謝は、たしかによっち自身が言うとおりなんらの成果は残っていないけど、それよりも大切な経験をさせてくれたことだと思っています。自分はキャパシティが広くないので、基本的に去る者は追いません。よっちをフォローすることも、メディア程度だと思います。でも、よっちの天井知らずな輝かしい未来を願ってやみません。そして、いつの日かまた、一緒に同じ目標を目指せる日が来ることを待ちたいと思います。その日が、ずっとずっとずっと先でありますように。

よっち送別の日に、新エースの戴冠式のごとく今日の遼一は輝いていました。福村、犬飼のマークがルーズだという理由もあるにはあるのですけど、それにしてもポストが安定していました。単にパスを受けるだけでなく、それをテクニカルなさばきで寄り良いシチュエーションに持っていくようなシーンも見られました。なによりもゴールへの積極性を感じました。清水の守備がどうかというエクスキューズがあるので、もう少し試合を重ねて観てみたいと思いますけど、慶悟とともに攻撃の軸になってくれる期待感が出てきたような気がします。

大榎さんが動きます。水谷に代えて石毛を同じ右シャドウに投入します。水谷だけでなく金子も、何度チャレンジしても梶山と秀人の壁を越えられなかったので、フィジカルだけでなくメンタルも考慮しての交代のような気がします。その意味では、ヤングエスパルスの先輩である石毛が入って、パワーと安定感が増します。東京にとっては、元紀に次ぐ脅威です。

それでもやっぱり、東京の中盤でのフィジカルの優位性は微動だにしません。先制に続く梶山の働きがチャンスを生みます。

60分。元紀が金子に落としたパスを梶山が競り、トランジション。流れたボールを石毛が拾おうとしますけど、梶山が体をはってキープしながら前を向きルックアップ。この時遼一が下がってきていて、梶山は倒れながら遼一にパスをつけます。遼一はターン。福村の背後をよっちがスプリントしているを確認してよっちにスルーを送ります。ペナルティエリアに入ったよっちは、自由にせじと寄せてくる福村、ヤコヴィッチ、犬飼、竹内をみんな引きつけて、丁寧にパス&ゴーで上がってくる遼一に落とします。遼一は右足トラップで寄せてきた犬飼のバランスを崩し、返す刀の左足で流し込みました。東京2-1清水。

梶山に、どことなく後輩を送る覚悟のようなものを感じました。遼一や慶悟、拳人や翔哉にポストよっちの可能性を感じつつも、目に見える形ではないのでやっぱり不安が残ります。今日はそれはさて置きますけど、梶山には、2nd優勝のためにそれらネガティブな要素を背負い込む責任感があるんじゃないかと感じました。

同様な責任感は、よっちが抜けた穴をもっとも身近に感じることになる遼一にもあるのだと思います。今日の遼一は全盛期が戻ったかのようにひと味もふた味も違います。

66分。宏介の左サイドアタッキングサードに入ったあたりのFK。清水は横一列に7人並び、ストーンを二枚置くフルゾーン。東京はラインに並行してニアからよっち、遼一、秀人、カズが並び、やや離れてモリゲがいます。東京は、宏介の蹴り出しとともにど真ん中に遼一、モリゲ、カズが固まって雪崩込む新しいパターンです。この動きに完全に清水のラインは崩壊しました。宏介のクロスに合わせたのは遼一でした。清水のゾーンはあまりに緩く、たぶん三人の誰でも合わせられたでしょう。東京3-1清水。

突き放してからも、シンプルで効果的なロングカウンターが機能していました。単純なリトリートだけでなく攻撃の気配を感じさせて、守備モードは成立すると思います。

この流れを強化するためにミステルが動きます。遼一に代えてナオを投入します。よっち送別の試合で、よっちが開花するきっかけを作った東京の魂がよっちと共にピッチに立ちます。ウェットなところだけでなく、東京が誇る快速ゴレアドールが前線に並ぶことで、攻勢に出たい清水の背後を脅かせ続けることができます。

大榎さんが動きます。完全に機能を失っていた枝村に代えて澤田を左WBに投入します。河井が右に回ります。枝村はそれでもアタッキングサードを伺えていたのですけど、河井に代わって右サイドの攻撃が沈黙します。代わって左サイドが活性化しはじめます。

それでも時間だけが経過します。ここでミステルが動きます。慶悟に代えて拳人を同じ左メイヤに投入します。はためには慶悟のコンディションが落ちている風には見えなかったので、ミステルが万全を期してリスクヘッジのために意図した交代のような気がします。慶悟が前線でアクセントになることが、ひいては守備の初動の安定につながっていたので、この交代はちょっとはやいかなと思っていました。拳人を入れるなら、前線からのフォアチェックで起点を消すことロングカウンターのフォロワーがタスクになるのですけど、反して東京はふたたびリトリートします。

リトリート時の不安定さは拳人が入っても変わりません。今日に限っては、攻め続けることが清水の勝目を封じることになるような気がしました。清水が高い位置でパスを回せるようになります。

83分。左ライン際で犬飼からのパスを受けた澤田がルックアップしますけど、前に徳永、横に羽生がいて仕掛けられません。しかたなく横にドリブルをはじめます。この時前線は、ウタカと元紀です。東京はラインが揃っていて、元紀は秀人が見ています。ところが梶山も澤田の動きを見ていて、ちょうどバイタルエリアど真ん中にいた石毛がどフリーです。澤田は渡りに船となんとなく石毛にパス。右足トラップで前を向いた石毛はルックアップ。ゴールの位置を確認し、躊躇なく右足を振り切りました。ゴラッソ。東京3-2清水。

勢いを感じたのか、大榎さんが動きます。河井に代えて善朗を同じ右WBに投入します。

清水の攻勢を転じられないままでヒヤヒヤしました。正直ラストは、よっち送別のサウダージに浸れる余裕が欲しかったのですけど、スリリングな展開になってしまいました。とは言え、清水にこれ以上の攻め手はなく、このまま試合終了。東京3-2清水。

よっちのラストシュワッチ

よっちへの花束贈呈。慶應義塾大学体育会ソッカー部の須田監督です。

感動のよっちの涙のスピーチ

送別のYou'll Never Walk Alone♪

よっちと惜別する東京ゴール裏

なんと、広島がドローになったことで1stステージは史上最高順位の2位で終えました。とは言え首位浦和と勝ち点6、得失点差は16。2位という順位よりもこの差を埋めることが課題です。

ですけど、今日ばかりは順位も課題も忘れて、よっちを気持ちよく送り出せる結果に感謝したいと思います。リーグ戦51試合23ゴール。通算61試合26ゴール。2013年の最終戦ディア・オブリガードで、バックスタンドの会員ブースをカズと一緒に手伝っていて、カズの横でずっとニコニコしていたのが昨日のことのように想いだされます。「がんばってください」と声をかけたら笑顔で握手してくれました。あの笑顔と握手が、いまやとても貴重でなかなか出会えなくなるとは、あの時は思いもしなかったです。

よっちの輝かしい未来を願い、その先のずっと先、そう遠くない先で、ワールドカップでゴールを重ねるよっちの姿を心待ちにしたいと思います。ありがとうよっち。