ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2015J1リーグ第15節松本山雅vsFC東京@アルウィン20150607

2015-06-08 19:12:09 | サッカー

梅雨が近づいてきてて山の天気を心配しましたけど、週末はなんとかもちました。

今年2回目の松本でございます。松本にはファジを観に毎年来てましたけど、2回以上来るのはおひさま放送中以来(^-^)/。

試合前に、四柱神社近くのミユキドウさんに寄りました。まれのせいでスイーツ王子の復活です(^^;;。
「これからシャトルバスですか?」
「え?、あ。はい」
「いえ。FC東京のユニフォーム着てらっしゃるから」
「はいo(^▽^)o」

話が聞こえたのか、厨房からご主人が出てらっしゃいました。
「僕なんかのころは松本は野球だったけどねー。サッカーは面白いねー。スピード感がぜんぜん違うよ。見ててワクワクするよ。今じゃすっかりサッカーにはまっちゃいましたよ」
「ですかー」
「やっぱりねー。J1はぜんぜん違うね。スピードがもうJ2とぜんぜん違う。去年までは追いつけたのが今年は追いつけないもん」
「そうですね。J1とJ2は明らかにスピードと技術が違いますね」
「やっぱりJ1は選手が凄いわ。お金ないとしんどいねw」
「いえいえ。今年の昇格チームはみんな頑張ってると思いますよ。例年は勝てないチームが多いけど、今年は勝ててますからね。よくご覧になるんですか?」
「そう。スカパーでね。スカパーでしか見られないの。でも、テレビでも面白いね」
「90分って時間だけ聞くと長いと思うけど、あっという間ですよね」
「うん。集中して見てるからあっという間。うちは家族中で山雅を応援してて、今日も家族がアルウィンに行ってるよ」
「そうなんですかー。松本市内で山雅をサポートされてるお店いっぱいありますよね。そこに伺うと皆さん、サポートしてんだけどアルウィン行けなくてねーなんて苦笑いされるんです」
「そう!。僕も滅多に行けないの。家族みんな僕だけ店に置いてアルウィン行っちゃうのw。まったくもうだよねw」
「マジすかww。切ない」

「今日チケット売り切れだってね。FC東京のサポーターは凄いね。満席になるのは、FC東京と浦和とマリノスくらいかな?。応援も一体感があってかっこいいしね。今日なんて日曜日なのに街が静かでね。みんなアルウィン行っちゃったんじゃないかって。僕だけ置いてw」
「ww。まあ東京は近いですからね」
「どこからいらしたんですか?」
「東京です」
「そりゃわかってるw」
「あ、武蔵小金井です」
「あー。じゃあ中央線で一本だ。泊まり?」
「ごめんなさい。ナビスコで来たとき泊まったんで今日は日帰りです」

「そう。FC東京のユニフォームはかっこいいよねー。街で見かけても目立つもの」
「ですかね?。派手で、最初は抵抗あったんですけど、最近は麻痺して見て見てって思います。山雅の緑も(某チームと比べてという暗喩を込めて)落ち着いててかっこいいですよ」
「いやぁ、地味地味。分かんないもん。武藤ドイツに行っちゃうね。FC東京は若いイキのいい選手が次から次へと出てきて、本当に凄いね。見てて楽しいもの」
「ありがとうございます!。育成は長い時間かかりますから、やっと実りの時期が来たんですかねー。でもね、育成は大事だと思います。やっぱり地元で育った選手がいると応援に力が入りますもん。山雅もいつの日か」
「だねー。あんまり引き止めちゃシャトルバスに間に合わなくなっちゃうから、そろそろ向かわないとw」
「はい。ありがとうございます。ごちそうさまでした。楽しかったです。今日はお手柔らかに」
「だねー。勝つよw」

前置きが長くて失礼しました。本日は、連敗中の山雅です。5月16日の神戸戦以来、ナビスコカップを含め勝ち点がありません。

本日のYou'll Never Walk Alone♪

本日の中央線♪

17,617人のアルウィン

拳人のJ1初出場初先発初シュート初ゴールとよっちの送別カウントダウンゴールで先制するも、山雅らしい激しいプレッシャーに追い立てられヒヤヒヤしましたけど、どうにかこうにか逃げ切りました。

東京はモリゲがサスペンションです。リーグ戦のキャプテン不在は、最近はあまり記憶がなく、技術的にも精神的にも心配しました。シフトはスクエアな4-4-2。GKは権田。CBは今日はカズとまるのユースコンビ。SBは徳永と宏介。ボランチは梶山が戻り秀人と組みます。メイヤは右にたま左に拳人がJ1初出場初先発。2トップはよっちとラサッドです。実にスターターの7人がユース出身。

山雅は最近スタートスコッドを固定しています。シフトは3-4-2-1。GKは村山。3CBは右から飯田、大久保、酒井。ボランチは岩間と喜山。WBは右にはゆま左に岩沼。2シャドウは右に岩上左に前田。1トップはオビナです。

山雅は、おおまかに言うと二つのプランを持っているチームです。オリジナルプランと、しんどい時の保険のBプランを持っています。はじめに申しますと、後半の割り切ったサッカーをスタートからやっていたら、試合の結果は違ったものになっていたかもしれません。

表現が難しいのですけど、最初山雅は山雅らしくキチンと崩そうとします。ご覧になったかたは、後半のサッカーと対比すると趣旨をお分かりいただけると思います。

ちょっと流れから離れます。山雅らしさとは何か。山雅のウィークポイントは、反町さんもサポも松本市民も松本出身でいま故郷を離れているかたもみなさん仰るとおり、戦力です。誤解を恐れず言えば、少なくともアタッカーの質は、個の力でJ1のディフェンダーに勝負できる選手はひとりもいません。このことについては、湘南と山形には当てはまらないことで、チーム編成のスタートから大きなハンデを山雅は負っています。もしかすると、昨年の昇格すらもハンデを負っていたかもしれません。正統なエクスキューズだと思います。

そこで反町さんは、ひとつのコンセプトを立て、それを徹底します。一般に山雅は、走量で評価されますけど、これは湘南も山形も同じですから差異化には当たりません。山雅の山雅たる所以は、コンタクトです。

コンタクトと言えば綺麗ですけど、もうちょっとありていに表現すると、肉弾戦です。山雅は、ピッチ上の全員が、相手との距離を可能な限り縮めようと試みます。J1のアタッカーはスピードとテクニックで勝負できるタレントを持っていますから、山雅の勝負どころは、そのタレントを機能させる時間を与えないことです。山雅が走るのは、可能な限りはやく距離をゼロにするためのアプローチです。

これは守備だけのことではありません。通常攻撃の考えの発端は、守備陣のギャップを狙うことにあります。言い換えるとディフェンダーと距離を置くことを基本的な考えとします。ところが山雅はこれに反します。山雅のアタッカーは、意図的にコンタクトを仕掛けてきます。これには二つの意図があります。ひとつは、山雅のストロングポイントであるWBを活かすため。もうひとつはセットプレーです。

極端に言うと、前半と後半のプラン変更は、この二つの使い分けでした。前半は、はゆまと岩沼をフリーにしようと試みます。まず3トップが最終ラインを引きつけます。オビナはカズ、前田は徳永、岩上は宏介に寄ります。バイタルエリアに3人を並べると、WBが走りはじめます。基点は2シャドウ。SBを背負い、オーバーラップするWBに落とします。この時ゴール前には、オビナと逆サイドのシャドウとWBが上がっていて、クロスのターゲットは数的には複数準備できます。

ゴール前はタイトですからPKもありますし、こぼれを狙うこともできます。山雅のディシプリンは、守備側の集中が切れた瞬間にこそ、効果を発揮します。ようするに山雅の差異化は、タレントのある選手が多ければ多いほどやらなくなるプレーを選択し、それを徹底するディシプリンによって育まれています。

ただ、前半の山雅は少し戸惑っているように見えました。基本的にJ1での山雅は、むしろ相手にポゼッションを渡すことでリズムを作ります。ところが今日は指向性が同じ東京です。たぶんいつもよりボールを持てる頻度が高かったと思います。反町さんのことですから織込み済みだったとは思いますけど、実際に組んだ選手の感覚では、想定以上に東京の守備もタイトで、コンタクトに対しガチで挑んできますし、故に基点が思い通りに機能せず、知らずしらずパスの出し手が攻撃ルートをイメージできなくなっていったと思います。山雅が後方でパスを回すシーンが多かったのはそういう理由でしょう。

今日の東京は、トップで基点を作ってメイヤを呼び込み、手数をかけず裏に飛び出す高速アタックを志向していたと思います。最初はラサッドとよっちを横に並べ、基点を分散します。ところがこれではタイトマークが信条の飯田、大久保、酒井の思うツボです。それでも序盤は右サイドに流れるラサッドを経由してたまを抜け出させようとします。これは山雅守備陣にはばまれます。

そこでミステルはアジャストします。20分頃からラサッドとよっちを縦気味に並べ、バイタルエリア中央付近を漂うラサッドにボールを集めます。縦配列というか、ラサッドがポストを受けに下がったといったほうが正しいかもしれません。これが機能します。ラサッドの足元におさまるようになって、それまでほぼ消えていた拳人がラサッドとの距離を縮められるようになります。ラサッドの落としを直接拳人が受けたり、あるいはラサッドからたまに展開して、逆サイドからよっちと拳人が飛び込むシーンが見られるようになります。

もしかすると山雅は、マンマークを徹底するため、マークの受け渡しにタイミングのギャップができる癖のようなものがあるのかもしれません。ようやく東京の攻撃に可能性を感じられるようになり、そして結果が出ます。

27分。ハーフウェイ付近のやや左でまるにボールが渡ります。まるはルックアップ。ライン際、はゆまの背後を宏介が上がっています。これを見たまるははゆまの裏を目掛けた超絶フィードを送ります。これが、はゆまがギリギリ届かないところで宏介におさまります。アタッキングサードに入ります。宏介は、絶妙トラップからドリブルではゆまとの間合いをはかります。松本陣深くに入ったところでマイナスのクロスをゴール前に送ります。宏介にしては珍しくルックアップしない六感クロスです。これが村山とラインの狭い狭い間に通ります。これに合わせたのは、飯田の背後から飛び込んできた拳人でした。拳人は左足を伸ばしてつま先で触りました。山雅0-1東京。

初出場初先発初シュート初ゴールの快挙に、心からセレブレーションを贈りたいと思います。序盤は消えていただけでなく、パスが来てもミスしていてリズムにのれていませんでした。アップの時から表情が固かったので心配してたんですけど、自分の力でプレーのなかで打開できたことは、大きな自信につながるでしょう。

山雅の戸惑いは、山雅にとって歓迎し難い展開となります。リードした東京の試合運びはご存知の通り。モリゲ不在でコントロールできるかと心配してましたけど、無用でしたね。タイトマークで山雅の基点を消し、流れのなかでの可能性を与えません。肝心のセットプレーも、1on1を基調とする山雅のタイトアタックに耐えます。

スコッドこそ主力を欠いていましたし、シフトもオリジナルではなかったですけど、ある意味普段着の東京を実践し貫けたことは、チーム全体の底上げとコンセンサスの高さを感じられて、とても誇らしいと思います。そして、逆にこれまでの東京に足りなかったことを、あの男が成します。

前半アディショナルタイム。大久保のハンドリングで得たPKを、よっちがゴール左隅に丁寧に流し込みました。山雅0-2東京。

東京は、リードするとリトリートしますけど、願わくば前半のうちに効果的に加点できればよりオーガナイズを確かなものにできます。カウントダウンの主役が、置き土産のようにチームの成長を示唆してくれました。

前半は、相変わらずおもしろいかどうかはともかく、理想的な東京の試合運びのまま終了。

後半の反町さんのアジャストは、とてもシンプルで鮮やかでした。繰り返し山雅が取り組んできたBプランだと思います。いわゆる縦ポン。ただしただの縦ポンではなく、殺傷能力を感じさせる、斧のようなロングカウンターです。要素はやはり、タイトコンタクト。あえてオビナを守備陣にぶつけて無理矢理引き寄せ、シャドウが一気に裏を狙います。単純に聞こえるかもしれませんけど、とてもコレクティブです。もちろん一発で成功するとはもとより思ってないのでしょう。集中を切らせずこぼれ球を狙い続けます。これを繰り返しているとさすがに、守備網にほころびができる必然的な奇跡が何度か生まれます。山雅の勝負はそこから。

反町さんが動きます。岩沼に代えて飯尾を投入します。ロングカウンターモードになったので、クロッサーよりロングランできる選手にリフレッシュするという意図でしょう。

時間を追うごとに、ほぼ山雅に一方的に攻撃権が渡ります。リトリートも、能動的ではなく受けに回ると、時間が長ければ長いほどリスクが高くなります。そして、ついに山雅の圧が東京を凌ぐ時が訪れます。

63分。山雅の武器、岩上の右ロングスローから。山雅はゴールエリアに前田を置き、手前にニアから喜山、オビナ、酒井が並びます。遅れ気味にニアに飯田、ファアから大久保が飛び込んできます。東京はゆえにマンマークを強いられます。岩上の狙いはオビナ。拳人と競ったオビナのヘッドがフリックになって、ファアに入った大久保の前にこぼれます。大久保はマークの徳永をガードしながら、ゴールに背を向けてバイシクル。これがゴール左隅に決まりました。ゴラッソ。山雅1-2東京。

直後にミステルが動きます。ラサッドに代えて容平を投入します。ラサッドのコンディションが落ちたようには見えなかったのでタクティカルな交代だと思います。

試合後にラサッドはコンカさんと話てたのでもちろん本意ではなかったでしょう。後半に入りラサッドはほとんどポストをさせてもらえなくなってましたから、ポストの形を変えてマーカーの慣れのギャップを作りたかったのかもしれません。容平も動くタイプのポストプレイヤーですけど、ラサッドの浮遊感よりクイックです。ところがこれは、むしろ逆効果になります。ポストに預けるタイミングと、ポストの落としを拾うタイミングが合わなくなります。

ミステルが動きます。拳人に代えて陸を投入します。拳人のコンディションを考慮したのだと思います。

反町さんも動きます。岩間に代えて吉を左シャドウに投入します。前田を一枚下げます。縦にシンプルに飛び込める選手を前線にはらせ、泥臭さ濃度を高めます。

さらに反町さんが動きます。前田に代えて坂井を投入します。いよいよパワープレーに出ます。坂井は左CBに入れ酒井が右に回ります。飯田を最前線に上げ、オビナと並べます。山雅はさらにシンプルさを増し、とにかく飯田を目掛けます。

攻撃権が山雅にほぼ固定されたので、覚悟を決めたのでしょう。ミステルが動きます。たまに代えて慶悟を投入します。守りきることを意識したリフレッシュだと思います。同時にシフトを5-3-2に変更します。

この徹底が良かったかもしれません。結果的にも防戦一方になりましたけど、現実として勝ち点3が残りました。

山雅の猛攻も、このまま試合終了。山雅1-2東京。

拳人の初々しいシュワッチ

山雅は、100%山雅らしく、山雅に与えらた環境で、全力で山雅に徹しています。結果は最大限努力するプロセスの果てにあるもの。だからリスペクトしています。連敗が続くことになりましたけど、スターターが変わらないことが表す通り余白はおそらく多くはないので、可能性を待つのみでしょう。願わくば、山雅サポさんは現状を悲観することなく、J1のクオリティを脳裏に焼き付けて、山雅を内から成長させる力になってあげて欲しいと思います。山雅に感じる違和感は、サポと街のホスピタリティーの美しさと相反するプレーの荒さです。現編成では是非もないのは確かなので、いつの日か松本の街にマッチする個性的で美しく楽しいサッカーができるチームを作れるよう、いつまでも熱く厚くサポートしてあげて欲しいと思います。大好きな松本の街の大好きな山雅サポに、毎年お会いするのを楽しみにできることを心から願います。

よっち送別カウントダウンは、ユース中心の編成でユース出身者が活躍するという、理想的なスタートを切りました。ポストよっちを期待させる選手も名乗り上げはじめています。残り2試合。まずは怪我がないことを祈ります。そしてできるだけよっちのプレーを見つめていたいと思います。もしもうひとつ願いを聞き届けてもらえるのなら、よっちらしい躍動感あふれるゴールを、もう一度みたいです。