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ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2019J1リーグ第25節名古屋グランパスvsFC東京@パロマ瑞穂20190830

2019-08-31 15:09:27 | FC東京

八月さいごの週末。

北海道から帰ってくると内地も夏の盛りはすぎ、ちょっと涼しくなってきました。

台風の季節がやってきます。九州北部と中国地方西部の豪雨被害にあわれたみなさまにお見舞いも申し上げます。水の災害が心配な季節になりました。

北海道から帰ったその足で、荷物もほどかず名古屋出張です。今年は平日のほとんどを名古屋で過ごしてますから、はんぶんホーム感があります。

はじめての金J。そういえば東京は金Jなかったですね。残念ながら師匠ユニは、仕事でスタジアム入りがギリギリになり、ゲットできず。

ぐだぐだ名古屋にリードするも名古屋のモードチェンジ後に粘られ、からくも逃げ切りました。

東京は成が復帰です。シフトはスクウェアの4-4-2。GKは彰洋。CBはモリゲとつよし。SBは成とジェソ。CMは拳人と洋次郎。メイヤは右に晃太郎左に慶悟。2トップはディエゴと謙佑です。

名古屋は前節の大敗をうけ、オーダーを代えます。シフトは3-4-2-1。GKはランゲラック。3CBは右から中谷、まる、藤井。WBは右に成瀬左に宏介。CMはネットとシミッチ。シャドウは右にシャビエル左にアーリア。1トップはジョーです。

ぼくらはかつて、ポゼッションサッカーの負をいやというほど経験しました。もとい、負というよりもプロセスの前半といったほうがよいかもしれません。実際にポゼッションサッカーで成功しているチームを、例えば川向こうですけど、目撃していますから、ポゼッションで成績とエンターテイメント性を両立できる可能性は確認しています。だからぼくらは、ある意味で志なかばで挫折した種族といえなくもないです。

仮にそうだったとして、顕在的支配権確保とショートパスによる崩しが絶対的な正として、ぼくらはその効用を満足した経験がないわけです。その結果残ったものは、ポゼッションに固執することへの生理的嫌悪感です。もちろん個人差はありますし、近年しか知らないかたはそんなトラウマはないのだと思いますけど、現在のサッカーにエクスタシーを感じてしまったこころと身体にとっては、トラウマは必要以上に増大していて、ポゼッションをみるだけで苦しかった時代がフラッシュバックするほどです。みなさんはいかがですか?

名古屋は、もう少しひろくみると愛知県は、一次、二次産業とも安定していることを背景に、比較的おっとりした気風があると思っています。その意味では、もしかするとぼくらよりもポゼッションの確立に至る苦痛、喉元への耐性が強い県民性なのかもしれません。たまたま今日まわりにいた名古屋サポが異口同音に洩らしていた「ここまではいいんだわ。この先がいかんのだわ」という言葉は、現状、つまりまだプロセスの前半にいる名古屋を極めて的確かつコンパクトに表現していると思います。

前節の4バックから急遽変更したということは、今日の偏執的なポゼッションはあるいはブランニューなのかもしれません。それゆえ、序盤の東京は可変、つまりポジションレスポゼッションに混乱します。おもなポジション変更はアーリアとシャビエル、シミッチとネットの左右ですけど、フリースペースを狙う前提ですから守備側が整理できるまでは捕まえ辛いのは事実。とくにシャビエルのテクニックには手を焼きます。名古屋に勝機があったとしたら、序盤の混乱期に先制することだったと思いますし、それを狙ったのでしょう。

とはいえ風間的可変ポゼッションは、東京にとってみれば永世ライバルチームの基本スタイルですから、対応は体に染み込んでいると思います。整理にさして時間はかかりませんでした。名古屋の可変ギミックは前述の通りで、ようするに可動域が限られています。本来、可変ポゼッションの肝はサイドにあるはずで、今日であればWBがチャンスメーカーもしくはフィニッシャーになる必要があります。その意味で成瀬と宏介はその任に応えられていませんでした。宏介の場合はクロッサーとしてキャスティングされていたようなのでアクセントマンだったのでしょうけど、成瀬は二、三のプレーを除き中央で絡めていませんでした。

ただし、名古屋は守備にいくばくか加重していたようです。さすがに大敗のあとですから当然だと思います。名古屋の基本プランは、支配権を持つことでネガティブトランジションのポイントを上げること。これにより東京の起点が下がりますから、帰陣をはやめ5+4のブロックを作る時間を作ることができます。東京は、名古屋のポゼッションに対応しながらも、カウンターの発動には結びつきません。

ただし基本的にゾーンではなく個の守備力を前提とする名古屋の守備思想ですから、守備陣の負担は他チームの比ではありません。いずれ対人防御でほころびがでるだろうなと思っていたら、割合はやくそのときが来ました。

29分。ディエゴが藤井に倒されて得たPKを、ディエゴ自身がなんとか決めました。ディエゴのPK半成功は二回連続ですけど、それはまあ良いとして(^_^)。名古屋0-1東京。

これで名古屋の思惑は完全に裏目に出ました。名古屋の可動ギミックは、整理してみると案外単純なことが判明すると、東京は守備で逆に優位を取ることに成功します。いわゆるマウントポジション。中盤のボールの動きを読めるようになるので、インターセプトの確率が上がります。こうなると、やがて支配権そのものが東京に移ります。名古屋は自身がポゼッションスタイルでありながら、いやそれゆえにポゼッションに弱いようです。東京のスペースメイクについていけません。トランジションを狙うことすらできず、無為に東京の二次三次攻撃を受けるサンドバッグ状態になります。

他方、ボールを持てたとしても、東京のプレスに威圧されてサイドに押し込められます。窮屈なパスを強いられ、消極的な発想しかできず、意思のないバックパスが増えていきます。これこそトラウマ。当事はわが子は可愛いですからそれでもポジティブに捉えたけど、よそさまの子には容赦なく、嫌悪感すら感じます。せっかく金Jで動員して満員にしたのに、雨もあってか、前半で空席ができるようになります。前半は、リードしたまま終了。

後半頭から両監督とも動きます。風間さんは、成瀬に代えて前田を同じく右WBに投入します。この時点で風間さんは、可変ポゼッションをあきらめ、個の推進力に頼るプランに変更していました。この合理性が次第に実をむすびます。

一方の健太さんは、晃太郎に代えてたまを同じく右メイヤに投入します。支配権をもてたので攻撃加重に移る意図だと思います。これがのちのち裏目に出ます。名古屋が持ち直すのに比例して東京がいつものディシプリンを失います。

とはいえ、作戦変更直後は奏功します。支配権が最高潮になり、もはやボールを失う気すらしなくなりました。立て続けにショートカウンターで裏を狙ったアタックがかたちになります。

49分。ランゲラックのGKから。モリゲがジョーに競り勝って落としたボールを左ライン際で慶悟が拾います。前方のスペースに走りこむ謙佑を確認した慶悟はスルー。追い付いた謙佑はキープ。謙佑は、ディエゴにやや遅れて入ってきた洋次郎に合わせます。洋次郎は右足ダイレクトで合わせますけど、これはランゲラックがセーブ。弾いたところに走りこんだのは、ふたたび洋次郎でした。今度は左足で流しこみました。名古屋0-2東京。

これを受け、風間さんが動きます。アーリアに代えて赤崎を投入します。同時にシフトをスクウェア型の4-4-2に変更します。赤崎はトップに入ります。藤井が右SBに回ります。

ときを同じくして東京もコントロールモードに入ります。名古屋は攻撃ルートをサイドに固定します。このシンプルな攻撃方法がはまり、ようやく攻撃が機能しはじめます。右は前田による単独アタック、左はシャビエルと宏介が絡むクロスアタックとアシンメトリーなサイドアタックが東京に襲いかかります。東京が受けにまわったタイミングも誘因し、じわじわと攻撃権が名古屋に移ります。このじわじわとが東京には効きました。一気に流れが変わったのであれば、一時的な混乱はあったとしてもアジャストは比較的はやかったでしょう。でもジャブが続いたので、知らずしらず泥沼に引きずりこまれていきます。

名古屋に流れが傾きかけたところでアクシデントが起きます。ランゲラックが足を傷め、下がります。代わって武田が入ります。タイミングが良かったと思います。名古屋のポゼッションがポジティブな意味で上がったところだったので、東京のカウンターもいくぶん威力が落ちていましたから。

健太さんが動きます。慶悟に代えてサンホを同じく左メイヤに投入します。流れが悪くなっていたので、独力での縦の推進力を作る意図です。さらにジャエルを用意しているところで、名古屋らしからぬショートカウンターが決まりました。

83分。宏介のアーリーをつよしがクリア。これをディエゴが落とします。でもこれがシミッチに納まります。シミッチはドリブルイン。アタッキングサードに入ります。この時ジョーはモリゲ、赤崎はジェソがマークしますけど、一枚ずつズレています。なので左大外に前田がフリー。これを見たシミッチは前田にパス。ジェソと対峙した前田は、トラップで左にズレながらシュートコースを作り、おもむろに左足を振り抜きました。名古屋1-2東京。

これを受け健太さんが動きます。謙佑に代えてジャエルを同じくトップに投入します。ジャエルをディエゴと絡めて、前線でボールを持てるようにしたかったのでしょう。でもジャエルが機能しません。どうもまだまだジャエルはコンビネーションができませんね。ボールを持っても周囲が見えてなく、無理に仕掛けて失敗することを繰り返します。せめてキープできれば守備陣も助かるのだけど。

終盤は名古屋に完全に支配権が戻りました。東京は珍しく守備網が整わず後手にまわります。名古屋のジャブが効いていたのと、ちょっと攻撃モードに切り替えるのがはやすぎたかもしれませんね。

ただ、名古屋に追いつくクオリティはなく。ジョーにボールを集めますけど、精度を欠きました。このまま試合終了。名古屋1-2東京。あと少し時間があったら追いつかれていたでしょう。眠らない街♪

雨でしたけど、雨だからなのか名古屋独特の粘りつく湿気はなく、後半はむしろ冷気を感じるほどコンディションは悪くはなかったです。それにしてはスッキリしない試合でした。名古屋のダブルスタンダードに翻弄されたためでしょう。ひさしぶりに内容がよくなかったので、課題を見つけるよい機会になったと思います。You'll Never Walk Alone♪

たまが入るとやっぱり攻撃の威力がアップしますね。セカンドアタッカーとして常にゴールを視野にしているようですから、復帰ゴールも近いのではないでしょうか。今日も何度かチャンスがありました。たまが点を取れるようになると、攻撃のかたちとしては今年の完成をみると思います。洋次郎のシュワッチ

まる、宏介、アーリア、ヨネと、シンパシー満載の名古屋ですから、なんとなく完全によそさまとは思えず。道なかばだと思いますけど、対戦が楽しみなサッカーになるよう粘り強くがんばってほしいと思います。

これにてしばらく東京観戦はお休みします。といってもそんな大袈裟でなく。九月は加賀さん応援強化月間なのとRWCがはじまるのでそちらにシフトします。アウェイが続きますけど、チームもサポもコンディションには気をつけてほしいと思います。


2019J1リーグ第24節北海道コンサドーレ札幌vsFC東京@札幌ドーム20190824

2019-08-28 17:43:29 | FC東京

夏休みです。

今年の夏休みは、北海道。文字通り避暑。低気圧の余波で一気に秋めいている北海道。なんでも北海道としても9月下旬の気候とか。ところよっては朝方ははやくもストーブを使っているという、うわさに聞こえる北海道の夏の終わりのサウダージを感じにきました。

最初の目的地は札幌ドームです。札幌ドームもRWCの試合開催を控えています。でもコンサには厚別があるから、日程の影響は小さいようですね。

というわけで、コンサ戦でアウェイ八連戦のスタートです。長期ロードはどう考えても優勝への鍵になります。

終始コンサにオーガナイズされるも、勝ち点1を拾えました。

東京は成がお休み。シフトはスクウェアの4-4-2。GKは彰洋。CBはモリゲとつよし。SBは右にマコ左にジェソ。CMは洋次郎と拳人。メイヤは右に晃太郎左に慶悟。2トップはディエゴと謙佑です。

札幌は大勝した前節と同じオーダーです。シフトは3-4-2-1。GKはソンユン。3CBは右から進藤、ミンテ、福森。WBは右に白井左に菅。CMは宮澤と荒野。2シャドウは右に武蔵左にチャナ。1トップはジェイです。

鬼門札幌ドーム攻略の鍵はコンサ劇場を不発にすること。つまり主導権を取ることにあります。ところがのっけからミシャ札幌の術中にはまりました。ミシャ札幌の代名詞はフォアチェックと高速カウンター。型こそ違えどコンセプトは案外似た者同士です。

東京は八月のテーマとして省エネをかかげてきました。札幌はただでさえ涼しいうえドームですから、省エネの呪縛から解放されます。この点は歓迎すべきこと。一方で、札幌は少なくともホームでは酷暑対策の必要性がないわけですから、闘いかたを継続できる点で多少の優位性があると思います。札幌は夏休みのファンを15得点3失点の爆発的な攻撃力で魅了しました。それこそコンサ劇場のなせる技。攻撃力の抑止がテーマになることは必定です。もっとも札幌ドームでは2ヶ月半ほど勝ててなくロースコアも続いていて、ドーム自体の劇場濃度はひと頃より薄れているのかもしれません。

さて、札幌は代名詞のひとつ、フォアチェックを封印して静かにメゾピアノで試合に入ります。このときは意図がわからなかったのだけど、これはコンサ劇場に誘う序章でした。序盤からフォルテッシモで臨む作戦もあるのですけど、東京がフォアチェックに対応していて、さらに返し技としてカウンターを備えていることを考慮した選択だと思います。

でもピアノモードは入りだけでした。フォアチェックこそ封印しますけど、変わって繰り出したのは高速カウンター。まずはジェイを基点に、武蔵、白井、菅がどんどんゴール前のスペースを狙います。これに東京が誘引されてできるバイタルエリアのスペースが札幌の狙い目。チャナに加え、進藤と福森がダイアゴナルに入ってくるのが札幌の特長です。さらに荒野が中央前目にはり、さばきとチャンスメーカーの役を担います。前半は荒野にボールが集まります。東京はいつも通り、この札幌のハイテンションを受ける選択をします。でもこれはミシャが用意したブラフでした。東京がリトリートすることで東京のフォアチェックを封じられますし、受けモードの東京はロングカウンターも控えめになります。こうして知らずしらず札幌がオーガナイズする展開に入っていきます。

札幌のカウンターモードは15分ほど続きますけど、そこで突然止めます。東京のカウンターを警戒してというよりも、自ら引いた印象を受けました。ハイテンションになった展開を長期戦に移すために、一度落ち着かせる意図だと思います。札幌にはそのためのポゼッションモード、いわゆる遅攻があります。シャドウが基点になってボールを出し入れします。ただ、対東京という枠内での有効性としては、ポゼッションモードには東京の堅陣を崩すほどのストロングがなく、どちらかというとカウンターのほうが可能性がありました。それに、カウンターが発動したときのドームの沸きかたを観ると、コンサ劇場の主要キャストであるサポーターのちからを動員するためにもカウンターのほうが効果的なよう気がします。このあたりも味スタに似ていてシンパシーを感じます。

札幌が引きますから必然的に東京も攻撃権を持てるようになります。今日はマコがスクランブルでスターターでしたけど、積極的に攻撃に加わっていて違和感はありませんでした。東京は攻撃時の布陣にいくぶん工夫をしていたと思います。慶悟をトップに上げ、代わりに謙佑がチャンスメークを担っていました。2トップへのタイトマークの集中を回避する意図かなと思います。謙佑をフリーにすることでよりスペースを狙い易くするとともに、初速時点で優位に立つことができます。

それでも札幌は5+4の陣形を維持しますので、東京はなかなか有効なスペースを見つけられません。さらに札幌がタイトコンタクトで挑んできますから、チャンスの糸口を作ることもできません。お互いに守備加重の作戦で臨むなか、前半は静かに終わるかなと思っていた矢先、セットプレーで試合が動きます。

38分。ディエゴが福森に倒されて得た慶悟の左FK。札幌の単横陣五枚に対し、東京は前列ニアから拳人、謙佑、洋次郎と後列モリゲ、ディエゴ、つよしの並列横陣の六枚で、すでに数的優位です。慶悟のモーションと同時に後列が飛び出すパターン。慶悟が合わせたのは大外のつよし。拳人がニアに入ったので札幌のDFはニアからつめます。なのでつよしはフリー。クロスに武蔵が対応しようとしますけど、タイミングはつよしのもの。武蔵の背後から武蔵を越えます。つよしのJ1初ゴールが決まりました。札幌0-1東京。

札幌に思い通りなオーガナイズをされているなかでの、前半終了直前のゴールは、つよしの初ゴールというプレミアがつきながら、コンサ劇場の発動抑止に十分な効力があると思いました。前半はリードして終了。

後半開始早々、試合が動きます。

47分。謙佑の左スローインから。慶悟の戻しを受けた晃太郎がゴール前に走り込む洋次郎を狙ったチャレンジパスを入れますけど、これをミンテにカットされます。このボールが前方フリーのチャナにおさまり、カウンター発動にむすびつきます。キープして時間を作ったチャナは左を上がる菅にパス。アタッキングサードに入ります。中央はジェイのみ。東京は最終ラインが揃ってますけど、ジェイに引っ張られて下がり基調。この時やや遅れてフリーで武蔵が上がってきます。これをみた菅はマイナスのクロスを武蔵に合わせます。武蔵の右足シュートはジェイの左足に当たってコースが変わりました。札幌1-1東京。

後半開始も東京が攻撃権をもってスタートしていました。八月の東京の月間プランですけど、札幌が先制されても基本プランを変えなかったことも影響していたと思います。その成果がさっそく生まれ、どカウンターがはまりました。

イーブンに戻ったところで札幌が本来の意図をむき出しにします。タイトなフォアチェックを使いはじめます。これにより試合が鳴動します。東京が真っ向ガチンコを選択したので、試合が一気にオープンになっていきます。それとともにコンタクトが原因の小競合いが増えていきます。荒っぽいお祭り感が出てきて、ドームがわきます。

これこそミシャ札幌が望んでいたことでした。完全アウェイコンサ劇場の準備が整います。札幌はメインスタンドをアウェイサポに開放しない稀有なクラブです。アウェイサポゆっくり観戦派にとっては甚だ迷惑なローカルレギュレーションです。でも本来は、マツダスタジアムのように、そのようなルールがなくとも自然に真っ赤に染まるように札幌はしたいのでしょう。今日のコンサ劇場は、さすがに慣れも手伝ってますけど、東京の抑止力にはなり得ていませんでした。試合はオープンフォイトのまま膠着します。

そこで先にミシャさんが動きます。白井に代えてルーカス・フェルナンデスを同じく右WBに投入します。WBのチェンジは、とくに支障がない場合のミシャさんの常套です。

健太さんも同時に動きます。晃太郎に代えてサンホを左メイヤに投入します。慶悟が右に回ります。ちょっと興味深い作戦でした。オープンだったので健太さんの選択に注目していました。結果は喧嘩上等。

すぐにミシャさんがまた動きます。宮澤に代えて深井を同じくCMに投入します。今日の宮澤は、荒野が上がる分、ときにラインに入って舵取り役を担っていました。とくに問題はみえなかったのですけど、中盤をパワーアップする意図かもしれません。

健太さんが動きます。ディエゴに代えてジャエルを同じくトップに投入します。ディエゴが足をいためていたようなのでコンディションを考慮したのだと思います。

直後にミシャさんも動きます。菅に代えて中野を同じく左WBに投入します。これも常套手段。

さらに健太さんが重ねます。慶悟に代えてたまを同じく右メイヤに投入します。縦の推進力を左右とも揃える意図だと思います。オープンのまま押し切ろうとしたのでしょう。

このまま試合終了。札幌1-1東京。

オープンになった理由には、真夏にありがたいドーム開催試合だったこともあるでしょう。省エネモードのまま秋に入り、それが原因で調子を落としたくないですから、結果はベストではなかったけど、終盤戦に向けた良いアイドリングになったのではないでしょうか。

鬼門シリーズ三戦めもドローに終わりました。三つともドローがなにを示唆するのかわかりませんけど、勝ち点1を拾うことができました。マリノス以外は当該チームがぜんぶドローにおつきあいしてくれたので順位の状況はマリノスが近づいたのみ。

次は一転、残暑の名古屋。今年の名古屋は例年より暑さがいくぶん和らいでいますし、雨予報ですから、秋模様の札幌から続くインパクトは比較的少ないと思います。でも暑いことには変わりないので、コンディションを整えて臨んでほしいと思います。

個人的に今年は半分ホームのような名古屋ですから、ちょっと思い入れもあり。職場から参戦する金Jが楽しみです。


2019J1リーグ第23節FC東京vsサンフレッチェ広島@味スタ20190817

2019-08-18 13:12:21 | FC東京

台風10号が過ぎて、一気に秋めいてくるかと思ったら、熱帯の猛暑を連れてきました。焼けるような東京。

例年は夏休みの割当てが少ない東京ですけど、今年はホーム三連戦。楽しい夏の想い出の締めくくりは、ロングロードの足音がそこはかとなく聞こえてくるサウダージを漂わせながら。

三連戦最終戦は広島。堅い試合展開が予想され、真夏の対戦にしてはちと華がない、さりとてぼくらにとっては大事なヒロシダービーです。

そんなヒロシにだまされて、三連戦最終戦はスミイチ負けです。

東京はほぼベストメンバーです。シフトはスクウェアの4-4-2。GKは彰洋。CBはモリゲとつよし。SBは成とジェソ。CMは洋次郎と拳人。メイヤは右に晃太郎左に慶悟。2トップはディエゴと謙佑です。

広島は野津田が不在。翔がスターターに復帰です。シフトは3-4-2-1。GKは大迫。3CBは右から野上、荒木、翔。WBは右にハイネル左に柏。CMは稲垣と川辺。2シャドウは右に俊希左に森島。1トップはドウグラス・ヴィエイラです。

広島は、東京戦の敗戦がきっかけの絶不調を乗り越えて、六月以降は4勝4分1敗。ただいま八戦無敗中の絶好調。その間、すべて二点差以内。一点差以内が7試合。クリーンシートは三試合。ヒロシ本来の華麗なムービングフットボールではなく、広島らしい手堅いサッカーに活路を見いだし、ふたたび軌道に乗ったようです。

今日の勝敗の鍵を握ったのは、凪。夏の広島を思わせるような、ピタッと風が止まる夕凪です。おまけに台風が運んできた熱帯の残温が濃厚に残っていますから、日が落ちても、なにもしていなくても汗が止まらない、今年最悪のうだるような暑さ。広島が普段過ごす吉田町やエデスタは山あいですから広島市内ほどではないにしろ、夕凪の暑さを知っている選手、スタッフですから、同じくそれを知るのがモリゲと洋次郎と謙佑と丹羽の四人くらいな東京にくらべ、数的優位なのは間違いありません。

もう一つの鍵は両チームの基本コンセプト。東京のハードハーク&カウンターは夏場はどうしてもしんどい。だから三連戦中はピンポイントのチャンスに集中する省エネ戦法を強いられます。一方広島はどポゼッションスタイル。ボールを主体的に動かす能動的戦法ですから、試合中のエネルギー消費をみずからコントロールできます。なので夏場であっても比較的オリジナル作戦を変えずに済むでしょう。

その二つの優位性の上に、今日のヒロシは東京封じ作戦を敢行します。それはストロングスタイル。東京はわりと広島を得意としていて、まあそれは言い過ぎとしても相性は悪くはありません。それは広島がどポゼッションスタイルだから。伝統的に守備が非常に堅いチームですけど、それは主導権を取るがゆえであり、かつ広島の選手の守備能力が高いためです。普段はみずから望んでストロングを決め込むことはあまりありません。それゆえ伝統的にストロングスタイルの東京にとっては、対戦すると案外ふにゃっとしたチームだなぁという印象を受けてきました。でも今日は違いました。

今日の広島の作戦は、まずハードコンタクトで局面をイーブンにすること。ようするにガチンコ。さらにターゲットを二ヶ所に絞ります。それこそ東京が主戦場とするバイタルエリア中央。そして中盤。とくにディエゴです。3CBの利点を活かして、ディエゴに対しては常に数的優位を作ります。東京が誇る2トップの止めかたは、ゾーンとマークの考えかたがあり、広島はゾーンを選択しました。エリアをフリーにすると謙佑とディエゴのスピードに撹乱されるリスクがあるためです。結局90分間、ディエゴに対するタイトコンタクトは続きましたから、広島の3CBの献身性を称賛すべきでしょう。

今日の広島ほどのディシプリンが効いた高度な守備力を持つチームは今後の対戦相手のなかにはほとんど無いにしろ、今日の状況を言い換えると、ディエゴにポストを集中させ過ぎ、工夫が足りなかったかなと思います。東京には、サイドを執拗に狙う作戦もありますから。だから、地獄の夕凪ゆえ、取りうる作戦の幅を狭められたことは、ちょっと恨みごとの一つも言いたくなります。

もう一つは中盤。中盤のインターセプト力が東京のファストブレイクを支える基盤になっています。広島はここで負けない決意で望んだのでしょう。とはいえ、メンタルを上げたくらいではせいぜい5分くらいしかもちません。ここでも広島の基礎的な守備能力の高さがベースになっています。ヒロシ広島のストロングスタイルに、いわば東京は戸惑い、気づいたときには空回りをしていました。

広島の、攻撃面でのストロングは、繰り返しになりますけど柏のみ。それでいてチーム力としてJ1トップレベルの水準にいるのですから、柏がチームの柱たる素材であることがわかるでしょう。このような選手は稀有で、金脈を見つけられたチームは数年のフレームワークを得たようなものです。今日の広島は、前回のエデスタでの対戦同様、柏を隠すブラフで挑みます。前回は結局隠れたままでしたけど、今日は都合4回、隠れ家を出る柏アタックがありました。結果.250の確率で成功します。

柏が有効になるのは、言わずもがな柏ゾーン。柏ゾーンで柏が前を向いてかつスピードにのって仕掛けられる状況を作ること。東京はゾーンを基調として守るチームですから、普通にやっては柏が活きるスペースがまずありません。そこで、ゾーンの一端を崩すべく、柏は下がります。これによって成を引っ張り出し、空いたスペースを使おうという意図です。

百も承知の東京は、かわるがわる広島の選手が狙う右サイドに対して、つよしと晃太郎をはじめ、拳人、洋次郎、あるいはときにモリゲも含め、タイトな集中力でスペースをケアします。スタンドから観ていても、広島が柏を活かす状況を作れる可能性をほとんど感じられませんでした。広島のベースが遅攻ゆえ、広島がボールを持つと手元の水を飲むためのリラックスタイムと感じられるほどでした。

でもこれこそヒロシが仕掛けたブラフ。柏が有効なシーンは数回と踏んでいたのでしょう。いかな堅守東京とはいえ、流れのなかで受け身基調にならざるを得ない状況は、一試合のなかで数回かならずあります。広島はずっと虎視眈々とそれを待ちます。前半は二回。これはいずれも、柏発動のスタート地点が低く、かつ柏の単独犯だったため事なきを得ました。ただ、そこはかとない脅威を感じたのはたしか。

東京は、例によって夏の省エネ月間。東京も同様、ワンチャンスミイチをベターとする意図です。その意味では、広島のどポゼッションスタイルは、守備パターンの思考を複雑にしなくて済むので歓迎でした。一方、攻撃は、見事に広島の罠にはまっていきます。東京はハードコンタクトにおいてメンタル面での優位性をもつために、メンチを仕掛けます。夏場にきて、優勝への意識が高まるなか、徐々にこの傾向が強くなっています。一見するとチームが一体化しているようだけど、これが結果的によいことなのかは終わってみないとわかりません。はた目には、集中を欠く要因になるんじゃないかという心配を感じます。

今日目をひいたワンチャンは一回。前半晃太郎が低い位置から絡んだ縦の交換によるパスカウンターです。このときも中央突破でしたけど、単純にディエゴに当てるのではなく、たとえばメイヤに預けてパスで混乱をかたちも取り得たのかなと、ちょっと悔いが残ります。少なくとも、ディエゴへのマークが集中する分、慶悟なり晃太郎なりにスペースがあった可能性はあり、事実晃太郎が機能していたことを思えば、ビルドアップの選択もあったかなと思います。

前半はスコアレスのまま終了。

三連戦の共通作戦である後半開始のアグレッシブモードも、今日の広島には機能せず。夜になってもあいかわらずの凪のなか、前半と変わらないゆっくりした展開が続きます。

ここで、先に動いたのはヒロシでした。俊希に代えて青山をCMに投入します。川辺が右シャドウに回ります。先に動くほうが不利な気がしてちょっと意外だったけど、青山投入タイミングはもしかしたら決まっていたかもしれません。それまでは、いたずらに左右に散らすだけだったパスに、青山が入ることで動きが出ます。縦のポストが入るようになります。

そして、4分の1のときが訪れます。

61分。モリゲがドウグラスを倒したことよる広島のFKから。広島は例によって、ゆっくり後方でボールを動かします。稲垣から森島への縦パスが入り、アタッキングサードに入ります。森島の戻しを受けた稲垣からハイネル、ふたたび稲垣、青山とパスが回り、青山から左ライン際の柏へ。ここで柏のブラフ解除の三回目が発動します。柏がやや下がり気味でパスを受けたため、成がマークに上がります。そこを秘かに狙う柏と川辺。でも柏がふにゃふにゃとボールをキープするため、またバックパスかと東京は油断したかもしれません。一呼吸おいて、やおら川辺が、成が開けたスペースに走ります。出遅れた晃太郎はマークするしかありません。この状況を成が確認するために視線を向けた瞬間、柏がタイアゴナルランをスタート。成も完全に出遅れます。川辺の戻しを受けた柏はもう、度胸一発。決心していたのでしょう。カバーに入る晃太郎と拳人が届く前に流れのまま一気にシュート。おそらく今日全般の停滞感を突破するにはこれしかなかったでしょう。ワンチャンゴラッソです。東京1-0広島。

これを受け、健太さんが動きます。二枚同時代えです。晃太郎に代えてたまを同じく右メイヤに投入します。縦の独力推進力を得る意図です。

謙佑に代えてジャエルを同じくトップに投入します。ディエゴとジャエルのコンビネーションに期待したのだと思います。ちょっと疑問だったのは、ジャエルが入っても相変わらずポストはディエゴでした。ジャエルに中央を任せることでディエゴを左右に散らせられる効能が期待できるのですけど、今日はむしろジャエルを隠そうとします。

東京の総攻撃モード移行をしばし眺めたヒロシは、守備の集中に動揺がないことを確認して、動きます。ドウグラスに代えてレアンドロ・ペレイラを同じくトップに投入します。これも予定調和のレアンドロを加えることでカウンターモード移行後の脅威を作る意図です。

健太さんも重ねます。慶悟に代えてサンホを同じく左メイヤに投入します。いろいろあったハイネルが電池切れの様子だったので、その背後を撹乱する意図です。

ここにきて広島が引いたので、東京の総攻撃態勢が確立します。この時間帯は重要でした。広島の最高級な守備力、しかもそれが総リトリートの状態で崩して追いつけば、今後の試合で続くであろうタイトな東京対策に立ち向かえる勇気と自信が生まれると思いました。そのための役者は、ディエゴ、ジャエル、たま、サンホとテイストが異なる有能なタレントが揃ったわけですから。いろんな作戦が取れるなか、対峙する相手に対して有効なメソッドをピッチ上のみんなで見つけられるようになれば、それこそ鬼に金棒だと思います。

ヒロシが動きます。負傷したハイネルに代えてエミル・サロモンソンを同じく左WBに投入します。これは予定調和ではないでしょうけど、ハイネルのロスは目にみえていたので準備の時間がありました。サロモンソンが入り、ふたたびカウンターができるようになります。最終盤は東京の一方的な展開を抜け、イーブンに戻されます。

このまま試合終了。東京0-1広島。東京こそすべて♪

ファン特権のご都合主義負け惜しみ上等で言うけれど、ワンチャンを活かせるか否かは作為ではなく運の要素も強く、最善な敗戦かなと思います。負けはしたけどやれることはやれていたなと思いますし、なにしろホームでありながら環境面で不利でしたから。欲をあげればキリがない。真夏の三連戦を2勝1敗は上等だと思います。

加えて、諒也はいろいろと心配だけど、それ以外はめだった怪我人が少なく夏を乗り切れそうなことは、終盤に向けた積み重ねにとっては好材料だと思います。コンディションの負担の影響が出るや否やはわからないけど、なんらのエクスキューズなく、未経験の優勝争いの佳境に突入できればと願います。

いわゆる優勝ラインといわれる勝ち点差=試合数の圏内は、東京、鹿島、川崎、広島、マリノス。実質のライバルです。直接対決は鹿島とマリノス。残る9試合は精神戦でしょう。まさに初体験のドキドキ感。試合ごとに一喜一憂できる歓びに浸る日々が楽しいです。

ホーム三連戦を終えると鬼門シリーズがはじまります。まずは札幌。鬼門突破は叶えられてないだけに不安いっぱいだけど、そろそろ首位マジック発動で日替わりヒーローの出現を期待したいと思います。


2019J1リーグ第22節FC東京vsベガルタ仙台@味スタ20190810

2019-08-11 12:24:45 | FC東京

盛夏!

お盆をまえにして、高校野球もはじまり、夏まっさかりの日本です。

今日はコンディション調整に失敗して、ちょっと熱中症気味でした。気をつけないと、ですね。

リベンジシリーズの二戦目は、いつの間にか苦手になってる仙台です。

真夏らしいスミイチ地味戦を制しました。

東京はついにたまがスターターに復帰です。なんだかおさまるものがおさまった感じがします。シフトはスクウェアの4-4-2。GKは彰洋。CBはモリゲとつよし。SBは成とジェソ。CMは洋次郎と拳人。メイヤは右にたま左に慶悟。2トップはディエゴと謙佑です。

仙台は前節と同じオーダーです。シフトはスクウェアの4-4-2。GKはクバ。CMはマテと平岡。SBは右に蜂須賀左に永戸。CMは富田と松下。メイヤは右に道渕左に関口。2トップはハモンと石原です。

Jリーグの真夏らしい、リスクヘッジ戦になりました。この結果になったのは、主導権を取ろうとした仙台の誤算と積極的な消極主義にあります。仙台は風上を選択します。というほど風は吹いていなかったと思うのですけど、ピッチ上では影響を気にするほどだったんですね。この選択は、攻撃というよりも、むしろ守備を意識していたと思います。いわずもがな、東京のカウンター対策。

仙台の攻撃のストロングは関口です。東京は、現CBのセットになって空中戦で無類の強さを示すようになりました。なので、どちらかというとドリブルのほうが東京に対しては可能性があると思います。といっても個人の対人防御能力も非常に安定しているので、多少傲慢なくらいのドリブルでないと糸口にはなりません。その点関口は、前回対戦で結果を残しているので、可能性という意味では唯一の希望です。

このため仙台は、東京を左右に揺さぶる作戦で臨みます。結果、思うほどのスペースギャップを左サイドで作ることができません。加えて仙台は、メイヤを寄せる選択をします。SBを上げる意図なのですけど、これでは関口にボールが渡ったとしても有効なスペースがありません。

こうなると頼みの綱は、アタッキングサードでの細かい出し入れを持っているわけではない仙台にとっては、ハモンの独力くらいしかありません。ハモンにマテほどのパワーがあれば話しは別だけど、ゴールライン付近まで持ち込むことで精一杯なのが現実。でも、目下のところ東京守備網のウィークポイントはここでしょう。ペナルティエリアのゾーンをコンパクトにする分、ミドルレンジにスペースができます。構造上、精度のある中距離砲がいたらリスクヘッジは不可能です。それでも彰洋の安定感は東京史上最高級だから問題なく終わっているけど、今日のようなスミイチ戦が今後もあり得ますから、ミドルショットが勝敗を分ける状況もあるかもしれません。

というわけで、仙台のランプレー上の可能性はほぼゼロでした。残る仙台の選択は、寝技に持ち込んで勝ち点を拾うか、あわよくばセットプレー一発。前半風上を選んだのは、いだてん東京に対しマテと平岡がアドバンテージを持つこと。

不思議だったのは、ディエゴにしろ謙佑にしろ、1on1のシーンで対峙する相手がマテになることが多かったことです。マテの対人防御力が、非合法を含め高いことは前回対戦で確認済みですから、むしろマテとの対戦を回避するのかと思っていました。結果的にはそのマテの非合法性が認められることになるので、仙台のストロングを真っ向から断とうという漢気プランだったのかもしれません。

一方東京も、前節同様、後半勝負のプランで臨みます。夏の連戦中はこの闘いかたで凌ぐのかもしれませんね。前節のように緊迫感があれば、観ていてもバランスが取れるのですけど、さすがに今日はエンターテイメント性には欠けました。もちろん今年はそれが目的ではないですけど。

作戦面では、たまを活かそうという意図を感じました。やっぱり待望の第三の男探しです。今のところは、コンディションを優先してローテーションする方針だと思うけど、できればエースを持ちたいのが本音でしょう。いうまでもなくたまの魅力は、直線的にゴールに向かう推進力。チャンスメーカーというよりか、フィニッシャーでありカオスビルダーです。なのでたまは絞り気味のポジションに置き、代わりに洋次郎をサイドにはらせます。

左サイドは、ジェソ加入のありがたさをヒシヒシ感じます。東京にとって純粋な王道サイドバックは徳永以来でしょうか。その安定感は、道渕と蜂須賀がほとんど奥に入れなかったことで証明されたでしょう。王道サイドバックゆえ攻撃の華々しさはないけど、夏の連戦のテーマである粘っこい守備を重視するならば貴重な戦力です。なによりも、ジェソが放つキャラクターの明るさが、チームの雰囲気にとても良い影響をもたらしてくれているように感じます。これもまたプロフェッショナル。

前半は得点の香りがなく、スコアレスのまま終了。

後半から、やはり東京はいくぶん高めの圧を加えるようになります。前節との違いは仙台の集中力とポゼッション。攻撃権を変わらず仙台が握ったことで、東京の圧を分散します。

今日は真夏らしくスコアレスかなぁと思っていたら、伝家の宝刀一閃。ついにマテ壁を突破します。

62分。謙佑がマテに倒されて得たPKに新ルールが適用され、クバに警告。ディエゴが2回目をきっちり決めました。東京1-0仙台。

今日の試合展開ですから、実質これで結果が決まりました。ディエゴのダンシングPKを二回観られて贅沢でした(^_^;)

先制したことを受け、健太さんが動きます。謙佑に代えてジャエルを同じくトップに投入します。謙佑が足を痛めたシーンもあったのでコンディションを考慮したのでしょう。そして、ジャエルのフィット。攻撃で心配なのはジャエルです。とくにディエゴが下がった後が顕著で、ジャエルは孤立します。これには意図があって、ジャエルをさらすことでフリーマンを作っているのでしょうけど、それにしてもジャエルとイメージを共有できるのがディエゴくらいですから、むしろ攻撃を分断する要因になっています。ジャエルのスタイルからすると時間がかかるタイプなのは間違いなく、初期に離脱したことがフィットを遅らせていると思います。パワーだけでなく繊細な視野と技術を持っていることはすでに証明済みですから、とにかくゴール。ゴールがフィットの近道でしょう。

同時に晋さんも動きます。石原に代えて長沢を同じくトップに投入します。長沢を基点にして明確なターゲットを作り、ハモンをフリーマンにする意図です。

さらに晋さんが続けます。富田に代えて中原を同じくCMに投入します。仙台の中盤は、富田が下がり気味で攻撃方向を定め、松下が試合を作ります。富田のコンディションを考慮しつつ、いくぶんサイド基調で固定化されたアイデアを刺激する意図でしょう。

仙台のチェンジオブペースは期待通りには機能せず、状況は変わりません。そこで健太さんが動きます。たまに代えて晃太郎を同じく右メイヤに投入します。セットアップの意図です。晃太郎をオプションに入れておくと、セットアップにしろクローズにしろ、確実に安定をもたらしてくれますから得難いですね。晃太郎といいジェソといい、そして丹羽といい、ガンバが最強だったシーズンの強さの裏付けを観る想いがします。

同時に晋さんも動きます。関口に代えて梁を同じく左メイヤに投入します。サイドアタックのリズムを変えて、基点を作りにいったのだと思います。

そして健太さんが〆ます。ディエゴに代えてサンホを左メイヤに投入します。慶悟がトップに回ります。クローズです。

このまま試合終了。東京1-0仙台。眠らない街♪

さーて。そろそろ一喜一憂を解禁しても良いでしょうかね。川崎とマリノスが負け、広島もドロー。鹿島が上がってきたけど、ちょっとアドバンテージが増えました。しんどい夏の連戦でリードを広げることは、まだ先は長いけど案外効いてくるんじゃないかと思います。てか期待します。この先に地獄のロードが待っているとはいえ、その分真夏をホームでできる効果を享受できているのかもしれませんね。You'll Never Walk Alone♪

しかもコンディションに気を使いながらの連勝。怖いのは、言いたくないけど主力の怪我。すっかりチームができあがっているので、代えが効かない現実は疑いようもないでしょう。その一方で、バックアップはもとより、日替りヒーローが出てきてほしい時期でもあります。それによって勢いを得られますから。ディエゴのシュワッチ

リベンジシリーズを最高の結果で終えられました。次は相性が良いとはいえ復調の広島。ヒロシダービーが楽しみです。ホーム三連戦は広島にて終了。そしていよいよ地獄のロードが開かれます。その入口が鬼門シリーズ。案外、いろんな意味で残暑を乗り切ることが最高の最終結果をもたらすような気がします。WE ARE TOKYO♪

来週は雨模様のようだけど、猛暑が続きますから、未経験の実りの秋を体感するために、熱中症には継続して気をつけましょう。


2019J1リーグ第21節FC東京vsセレッソ大阪@味スタ20190803

2019-08-04 12:55:22 | FC東京

東京梅雨明け!

梅雨明けしたと思ったら、連日の猛暑。熱中症になったことがあるので気をつけてますけど、それでも怖い、身の危険を感じる暑さです。みなさん、くれぐれも気をつけましょう。

真夏のホーム三連戦です。楽しみ半分こ。三連戦を終えたら八連ロングロードに入りますから、しばらく味スタはお預けです。三連戦のうちに歓喜をいっぱい溜め込みたいですね。

ホーム三連戦のテーマはアウェイのリベンジ。セレッソ、仙台と続きます。最後は復調の広島。シリアスな闘いが続きます。今日は緒戦セレッソ。You'll Never Walk Alone♪

極上の緊張と弛緩の90分を制しました。

東京は諒也がお休みです。シフトはスクウェアの4-4-2。GKは彰洋。CBはモリゲとつよし。SBは成とジェソ。CMは洋次郎と拳人。メイヤは右に晃太郎左に慶悟。2トップはディエゴと謙佑です。

セレッソは前節と同じオーダー。曜一朗とソウザがスコッド復帰です。シフトは4-2-3-1。GKはジンヒョン。CBはヨニッチと瀬古。SBは陸と丸橋。CMは木本と藤田。WGは右に宏太左にキヨ。トップ下は奥埜。1トップはブルーノです。

直前まで五戦無敗中。その間クリーンシート四回と守備が安定してきたことに加えて、7得点と攻撃も好調のセレッソ。故障メンバーも帰ってきて、ちょうど良いときに対戦します。前回、今年初黒星を喫した相手だけに、好調を迎えていっそうリベンジ気分が盛り上がります。

ロティーナセレッソはなんといってもソリッドな試合運びが特長。ソリッドスタイルは現在のJでは異質ではあるけれど、非常に似通ったチームポリシー同士の対戦です。ある意味で近い将来のJリーグが成長した姿を垣間見る、洗練された大人のサッカーを堪能できる、稀有な機会です。ソリッドスタイル同士の激突ですから当然たま際のハードさはセットもの。むしろガチンコのハードコンタクトを楽しむ感性が求められます。

セレッソは、前回も十分ソリッドな印象を持てましたけど、今回はさらに鋭度を増しています。それは攻撃の荷重が幾分高くなっているからだと思います。行くなら帰れよ。ロティーナセレッソのペースフォームである4+4の綺麗な2ラインは変わらず維持しつつ、時にかたちを崩してでも攻める。このサッカーの永遠の矛盾、トレードオフにロティーナセレッソは真っ向から挑戦しています。こういう点でも東京と酷似していて、同族としてシンパシーを感じます。

前半は、ソリッドスタイルの激突のイメージ通り、今シーズン最高級の緊張感が漂う展開でした。静かながらも、互いのストロングを消し合う、針の穴のような突破口すら許さない緊張感。観ているぼくらに、手のひらの汗を握らせるような気迫が両チームから感じられます。ともすれば守り合いは、季節柄もあり、省エネサッカーあるいは優柔不断のように受け取られ兼ねないけど、今日ばかりは素人目にも分かるくらい、両チームともコンセントレーションが極限に高まっていました。

なのでセレッソの基本プランはいまさらながらなので割愛します。今日のプランは、東京のカウンターの起点を排除することを優先したものだったと思います。まず攻撃の基本である遅攻。ポゼッションを極限まで高めることはリスクヘッジのためであり、攻めではなく守りを意識した作戦です。そのうえで、今日はサイドに偏重しました。もともとセレッソはサイドアタック基調のチームですけど、今日はそれを徹底していたと思います。

結果的に、このコンサバティブな発想がセレッソ自身の可能性を閉じることになります。現状のセレッソのストロングは二点。まずブルーノのキープ力と突破力。それからキヨ。ブルーノに関するサイド偏重の弊害は、CBの間から裏を狙う推進力が消えたことです。序盤ブルーノがつよしを振り切ったビッグチャンスがありました。もしもブルーノが執拗につよしとマッチアップを挑んでいたらどんな結果になったかなと思わせるような印象的なシーンでした。結局ブルーノの中央単独アタックは一度だけでした。

そしてキヨ。前回のキヨは、インサイドに絞ってコンダクターを担っていました。このスライドで丸橋を引っ張りあげ、かつ奥埜をフリーにできていたと思います。今日のキヨは左サイドに張り付きます。左はブルーノも流れてきますからいささか人口密度が高すぎる傾向になります。これが循環機能をよどませる原因になっていました。

もしかするとロティーナさんは、前回対戦のゴールシーンから、東京にはサイド、しかもアーリークロスの勝負が有効と診たのかもしれません。セレッソがサイドに出てくれることは、そこに人数をかけてくるとは言え、守備の基本としてリスクを減らせる状況ですから、東京は大歓迎だったでしょう。幾分、成サイドに重心を置かれたので成の対応に集中が求められたけど、セレッソ本来の特長はむしろ右サイドにありますから、ジェソの地味なれど安定した守備力は、さすがとしか言い様がありません。考えてみれば、長年ライバルだった相手ですから、対応方法も既知だったのかもしれませんね。

反面、セレッソは守備の安定を確保します。ホントにこの辺りがサッカーのジレンマの象徴ですね。少なくとも前半は、東京に伝家の宝刀カウンターを一度も許しませんでした。守備重視スタイルの長所は、ワンチャンを待てることにもあります。もしかすると前半は、互いに後半のワンチャン勝負で、意図せず思惑が一致したかもしれません。極限の緊張に溢れた前半はスコアレスのまま終了。

後半開始早々、試合が意外なかたちで動きます。

47分。後半開始からボールを保持する東京は、セレッソを左右に揺さぶります。モリゲのロングサイドチェンジが成に入り、アタッキングサードに入ります。成、晃太郎、成、ディエゴ、成、ディエゴと渡って右で作り、ディエゴから左に展開。ジェソに渡ります。当然セレッソはリトリート。ジェソはさらにライン際にいた慶悟にパス。慶悟はルックアップ。慶悟のマークは陸。ゴール前も、中央謙佑とファアディエゴの二枚だけに対し、セレッソは藤田が陸のフォローに入って四枚揃ってます。この時、後方から晃太郎がニアに飛び込みヨニッチを引き付けます。これを見た慶悟はクロス。慶悟の狙いは、晃太郎の奥、謙佑です。ここでセレッソに決定的なミスです。なぜか瀬古が謙佑のマークを自ら外します。もしかしたら、ゴール前は瀬古はディエゴマークと決まっていたのかもしれません。ゴール正面どフリーの謙佑はクロスに合わせるだけでした。東京1-0セレッソ。

基本的なことですけど、後半の入りかたの姿勢に差がでました。これが試合を決することになりますから、ブレイクの怖さを見せつけられた想いがします。素晴らしい集中を見せていたセレッソですけど、チームとして入りかたが緩かったですし、もっとも集中すべきゴール前であまりにもルーズなミスでした。

セレッソのコンサバティブな基本プランと東京の守備力を考えると、このゴールで勝敗は決まりました。それが言いすぎなら、少なくとも試合の趨勢は決まりました。セレッソはにわかにポリシーを外れ攻めなければなりません。

というわけでロティーナさんが動きます。奥埜に代えて曜一朗を同じくトップ下に投入します。実質2トップの4-4-2に移行します。献身性とバランスを犠牲にしても、攻撃の基点を得たいという意図です。ここから、現時点のロティーナセレッソが、攻撃に関してはまだまだアクシデントに期待するチームであることが伺えます。

さらにロティーナさんが動きます。藤田に代えてソウザを同じくCMに投入します。これで完全にセレッソはポリシーを捨て去り、攻撃基調のチームに変貌します。ソウザにコンダクトを委ね、ソウザの感性で攻撃ルートを探ります。おもしろい可変ギミックなのだけど、実戦での検証がまだまだ薄い印象を受けました。ソウザと前線の絡みがスムーズになれば、有効な作戦になると思います。

同時に健太さんも動きます。晃太郎に代えてたまを同じく右メイヤに投入します。これがいきなり奏功します。

68分。たまの右FK。おそらくサインプレーでしょう。守るセレッソは単横陣のゾーン。ニアから陸、宏太、ヨニッチ、ソウザ、木本、瀬古、ブルーノ。攻める東京は二段構えです。前列はジェソ、洋次郎、ディエゴ。後列はモリゲとつよし。たまのキックモーションと同時に、洋次郎がヨニッチの前に入り、ヨニッチを無力化するとともに、宏太とヨニッチの間に隙間を作ります。そこに間髪いれずモリゲが飛び込むパターン。たまはピンポイントでモリゲに合わせます。モリゲは合わせるだけでした。東京2-0セレッソ。

このゴールに関しては、今日を決定付ける意味よりも、セットプレー初ゴール、かつモリゲ初ゴールの意義が大きいと思います。しかもサインプレーですから尚更。これからシリアスな対戦が増えてきますから、セットプレーの得点パターンは不可欠です。

健太さんが動きます。謙佑に代えてジャエルを同じくトップに投入します。セーフティリードに入ったので、コンディションを配慮しつつカウンターモードに移行する意図です。セレッソが陣形をブレイクするリスクを負ってきましたから、ようやく東京もロングカウンターを繰り出せるようになります。

またも同時にロティーナさんも動きます。木本に代えてデサバトを同じくCMに投入します。ソウザを前に出すために、中盤を一枚で守れるようにするためにパワーを上げる意図だと思います。セレッソがソウザのさばきで攻め、東京がカウンターという構図がはっきりしてきます。前半の緊張感にうってかわって、オープンな弛緩に展開が流れていきます。

結局、ソウザの奮迅も奏功せず、曜一朗が活きるクリティカルなシーンも訪れず。守備の確信を得たであろう健太さんが〆ます。慶悟に代えてサンホを同じく左メイヤに投入します。これもコンディションの配慮とカウンターの純度を上げる作戦です。そしてカウンター一閃、千両役者の大見得の〆となります。

後半アディショナルタイム+2分。たまの左ショートコーナーから。洋次郎の戻しを受けたたまは、寄せてきたジャエルにパス。ソウザとの競り合いに勝ったジャエルはターン。キープしたまま内に絞ります。これでヨニッチも引きつけます。ヨニッチの背後にスペースがあることを察知したジャエルはスルー。これに反応したのはディエゴでした。抜け出したディエゴは左足ダイレクトでシュート。流し込みました。東京3-0セレッソ。

このまま試合終了。東京3-0セレッソ。眠らない街♪

前半の緊張から一気に後半は弛緩して、おまけに3点も入って、クリーンシートでしたし、極上のエンターテイメントになりました。真夏の夜の夢。You'll Never Walk Alone♪

中断期間の積み上げは、選手の出入りがいろいろあった6月と7月の精算にあてたのだと思います。新加入のたまとジェソ、コンディションが戻ったジャエル。チェンジオブペースとして有効な闘えるオプションが揃いました。懸案の第三の男は、晃太郎、サンホ、たまでローテーションするのでしょう。激戦が予想される後半にむけ、ぼくらの大きな夢を託す編成は整ったといって言いと思います。ワクワクが止まりません。謙佑のシュワッチディエゴのシュワッチWE ARE TOKYO♪

アウェイ八連戦は心配だけど、目の前を一歩ずつ積み重ねることが先決です。真夏の連戦で弾みをつけるためにも、酷暑のなか、コンディションにはくれぐれもケアしてもらいたいです。

モリゲが熱を注入してくれました。優勝しましょう!