命に軽重はないが収入にはある

　朝日新聞に裁判官がフリーターの逸失利益を正規労働者との間に差をつけるべきという趣旨の論文を書いたというのでケチをつけている。いかにも、朝日らしい記事で、朝日はこの手の話が大好きだ。
　しかし、理念としては命に軽重はないが、現実には軽重がある。経済的に差があるのは当然のことである。働くのが嫌いな人間もいるし、働く能力が不足している人間がいるのも事実である。とすると、朝日は引きこもりの35歳と働き盛りで妻子がいる35歳の逸失利益を同一にせよというのだろうか?
　朝日新聞で働く人間の収入とフリーターの収入にも差がある。朝日では多くのフリーターが働いていると思うが、彼らの収入と正社員の収入は同じではないだろう。厚生年金だって、在職中の収入が退職後の年金高に直結する。
　また、健康保険で未認可のガンの薬が高くて治療を続けられないなんてこともある。民間の保険会社のCMでよくやっているではないか。あれが現実である。