茶チーム・和の輪、恒例の “ 茶名拝受のお祝いの会 ”、今年は S さん。
お母様の U さんが先に稽古に参加され、続いてご息女の S さんも入られた。
祝いの席の軸は「洗心」、東大寺の前の別当上野道善師の筆。お仲間の N さんから頂戴された本紙を表具されたとの事。
爽やかな白郡(びゃくぐん)色の天地に中廻しは青藍(せいらん)色、“ 心を洗えば自ら新たなり ” に相応しい表具。真の古銅の花入れの水仙が似合う。
この時期にこの花を飾られるのはご馳走、ご苦労をなさったと思う。
会はいつもお仲間が昼食にご招待、美味しいお昼の後、拝受された方が薄茶を一服点ててお振る舞いをされる。
この会では、茶箱で月の点前をして下さった。
茶箱は戸外、自然の中で風を感じながら楽しむ点前なので、お母様は結界に花寄せで野の風情を創られた。
香合は S さん手作りの鶴。
お茶碗は、お母様がお茶に関り出された頃にお求めになられたものとか。
S さん、「主人が旅先で母に買ってきてくれました」などの思い出をお伺いしながら一服を頂いた。
想い出と言えばその昔、生意気盛りの頃だったか、茶道の家元制度を理解しようとせず、お茶さえ点てられたら善しではないかと、屁理屈ばかりを並べ立てていた。
始めて暫く、茶道の本質も判りだした頃、嫌でたまらなかった入門手続きをやっと済ませた私に、「え~っ?」と思うほど母が喜び、点てた一椀を仏壇の父に飲んで貰いなさいと言う。
お相伴にと言う母に二椀目を点てたが、涙ぐみながら茶碗を持つ母を見て、親不孝をしていたと猛省したことがあった。
お祝いの会に話を戻して、お母様手作りの畳んで小さく、広げるといろんな物が入る袋を皆様にと頂いた。何日もかけて、ひとりずつ作って下さったとのこと。
S さんのお祝いの会、遠い日の “ 母の心 ” も想い出させて頂いた一日でもあった。 ()
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.543
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