オディロン・ルドン(1840-1916/フランス/象徴主義)の文学的主題の代表的作品のひとつ、「花の中のオフィーリア」が前回(8/27)。
彼は、年下のポール・ゴーギャン(1848-1903/フランス/後期印象派・象徴主義)の影響を受けながら次第に色彩に傾いていったとされる。
そのゴーギャン、パリで生まれたあと7歳までを南米のペルーで過ごし、17歳のときに船員になる。
そんな経験から、都会的な文明や合理性に懐疑的になり、プリミティブ、原始的な文化、神秘へのノスタルジアを抱くようになったとされる。
今回は、そのゴーギャンが描いた花、「花瓶の花」。
彼がタヒチに移り住んで5年後に描かれたとされる本作、白を中心に朱赤、緑、それに青と、洗練された園芸種とは趣が幾分異なる草花をエキゾチックに描いている。
花弁が色褪せて落ちる前の、最後の熱を帯びた火照りの中で、いまだ呼吸しているような生き物として卓上にある。
ルドンとゴーギャン、誼(よし)みを結ぶふたりの花、やはり、どことなく雰囲気が似ているようだ。
ルドンはゴーギャンの訃報を受け、<「ポール・ゴーギャンの肖像」>(オルセー美術館蔵/クリックで入れます)を描き、深い哀悼と画家としての神聖化を示したという。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.856
※ ロンドン・ナショナル・ギャラリーの旅(35)へは(コチラ)から入れます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます