18世紀、欧州各地を席巻した優美な装飾様式ロココ美術後、新古典主義を経て18世紀末から19世紀にかけ生まれたロマン主義から、19世紀後半にパリで伝統的なアカデミー様式と対立した画家らによる前衛芸術運動である印象派まで、その名画をまとめて投稿する。
イタリアの貝殻装飾に由来するロココ美術。
その時代のフランス絵画を代表するジャン・シメオン・シャルダン(1699-1779)の「学校の先生 ‐ 女教師」。
少女のような若々しい姿をした女教師が指し針を用いて、生徒に教える様子を描いている。
風景の中の美しさを独自の感覚で表現するロマン主義。
そのひとりジョン・コンスタブル(1776-1837/イギリス)の代表作「干し草車(風景 ‐ 昼) 」。
干し草車を引く水牛と農夫、一見、ありふれた風景を描いているものの、イギリスにおける近代化へのアンチテーゼ・反定立的な意味合いが含まれているとされる。
印象派の先駆的画家で、競馬、舞台、踊り子など、都会的や日常生活などの風俗的モチーフを数多く描いたエドガー・ドガ(1834-1917 /フランス)の「浴後、身体を拭う女」。
顔さえ与えられないモデルは、ごく私的な行為(の演技)をしつつ個人性を奪われ、観る者は、大胆な身振りでキャンバスに自己主張する画家の「覗き」の共犯者にされるというのだが・・・。
そのドガが、当時のサーカス団のひとつ、フェルナンド座(シルク・フェルナンド)の花形曲芸師であったミス・ララを描いた 「フェルナンド座のララ嬢」。
吊り上げられるララ嬢を捉える特異な視点は、大胆なオレンジの色使いと相俟って躍動感を与えている。
豊潤で官能的な裸婦、揺らめく木漏れ日の中の人物や風景を描いたオーギュスト・ルノワール(1841-1919/フランス/印象派)。
その彼の、いわゆる枯渇、乾いた、酸っぱいとも呼ばれる時代の代表作のひとつ「雨傘」。
それまでの印象主義的な表現とは異なり、アングル(1780-1867/フランス/新古典主義)から学んだ線と形体による描写が克明に示され、特に左端の女性の籠の形態に、画家の新たな様式を見ることができるという。
新印象派の創始者であり、点描表現を用いた新たな表現様式を確立したジョルジュ・スーラ(1859-1891/フランス)の「アニエールの水浴」は、<オルセー美術館(16)>(12/08/22)で投稿したので参照されたい。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.874
※ ロンドン・ナショナル・ギャラリーの旅(40)へは(コチラ)から入れます。
ナショナル・ギャラリーの旅、楽しませて頂きました。いつか終わりがくるのでしょうが、少し寂しいな。[E:foot]