春は萌え夏は緑に紅(くれなゐ)のまだらに見ゆる秋の山かも (作者不詳/万葉集・巻10‐2177)
秋彼岸も過ぎ、これから一年で一番爽やかな季節がくる。
去年のこの時季、東京のミケランジェロ展のプレミア鑑賞会を終えひとまずガラシアを退院、居宅介護をするため訪問医と介護事業者の選定で走り回っていた。
そんなことを思い出し、もう一年が経ったと気分を沈ませてしまう。
夏の盛りに主治医から勧められ、家族で話し合って一旦帰らせてやろうと決めた。
だが、酷暑が思いの外身体を苛めたのだろう、介護事業者などの選定に手間取っていたこともあって、体力が徐々に落ちていくのが素人目にも判るまでに。
独りで介護する心細さもあって、幾度か退院を思い留まらせようとしたが、頑固にも譲ってくれなかった。
看護師さんに見送られふたりで自宅に帰ったが、その日、夏がぶり返したよう、汗ばむほどの晴れた日だったことを今も鮮やかに覚えている。
介護タクシーの中、肩で息づき小さく呻く彼女の背中を擦り乍ら、このままガラシアに戻ろうと何度も言ったが首を縦に振らなかった。
昨年の今日(10/1)、140余日振りに自宅に、結果として40日ほど自宅で過ごさせてやることができた。
2月と宣告され乍らもきっかり半年生きてくれたが、この時間を顧みれれば悔いばかりが残る。
一年経った今も、朝な夕な遺影の前で祈り乍ら、ああもしてやれた、こうもして欲しかったのでは、と思うと居たたまれない思いに囚われて、祈りの途中であるのも忘れ茫っとしていることがある。
“ 去る者は日(ひび)に以て疎く、来たる者は日(ひび)に以て親しむ ” (文選 古詩十九首)とか。
時間と言うものは、時として残酷なものだとも思う。
秋さらば見つつ偲へと妹が植ゑしやどの石竹(なでしこ)咲きにけるかも (大伴家持/万葉集・巻3‐464)
彼女が望んだ甲山墓園、花の頃に納めて遣りたいと思ったが離れ難く、冬、春、夏と手許に置いてしまった。
そして秋、これから日(ひび)山が緋に染まってゆくのだろう、ひとまずの区切りをつけたい・・・と、思う。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.873
今年の飛鳥茶会もFさんを中心に高槻の方々も遠方を応援に来て下さり、ワイワイ楽しく行えました。去年は先生に色々と相談にのっていただき、アドバイスいただきありがたかったと皆で話していました。もうじき一年、月日が経つのは早いものですね。またお墓参りが出来るようになりましたら、教えて頂きたいです。先生に聞いていただきたいお話も一杯あります。あの穏やかな笑顔で迎えて下さると信じて会いに行きたいと思います。もちろん安全運転で!!もう無罪放免!満点ドライバーですから。
ペトロさんも元気に紅葉狩りに出かけて下さいね。くれぐれもお気をつけて!
皆様、お元気で頑張っておられる由、カタリナも喜んでいることと思います
飛鳥茶会、今年もFさんを中心に楽しく終えられたとのこと、よかったなあと思うと同時に、少しほっとしています
早速、カタリナに報告をしました ありがとうございました
素人が何を!と叱られるだろうことを承知で言えば、これからお茶を楽しむに相応しい季節なのではと思います
お茶碗を掌にされ、そのぬくもりを楽しまれる折、ちょっとでいいかですから、お茶とお仲間の皆さんを心から愛した人がいたことを思いやって頂けたら嬉しく思います
何時も変わらぬご丁寧なコメントありがとうございました [E:key]