笑う膝を宥めながら鐘楼から降りた。
素晴らしい青空のうえに、年齢も顧みず長い階段を昇り降りしたものだからやたら喉が渇く。
水を求めてバールなどを探したが見つからない。
クレリゴス教会からドウロ川に続く坂道を下りる。
カタリナは、「本当に坂を下りて大丈夫なの?」と尋ねる。
正直、この坂道を戻ることを考えると気持ちが萎え足が止まる。が、そのことは、「取り敢えずは考えない」ことにして坂道を下った。
坂の途中のバールでようやく水にありつき喉を潤したが、カタリナでさえ「美味い!」と飲んでいる。
水で落ち着いたのか?ここでふと冷静?になって周りを見渡せば、川淵まで少しのところにまで来てしまっている。「えいっ!こうなれば」と、一気に川畔(写真上)まで下りた。
そこは、この街が一番観光客を集めるカイス・ダ・リベイラ。
川に沿ってレストランや土産物店、ポートワインのテイスティングやグラス売りの店が並んでいる。
が、まるで鍋底にいるような気がする。
見上げればドン・ルイス1世橋が中空に架かり、幾何学的に計算された芸術的なアーチの天辺を車が過ぎる。
川畔のベンチに腰を下ろしたふたり、黙りこくり重苦しい。
川風に吹かれ暑さを凌いでいると、「あっ、そうや!」、“ 一番急坂のところにケーブルカーがある ” とガイドブックにあったのを思い出した。「偉い」と隣でカタリナが叫んでいた。
帰り道の心配がなくなり、周りを見渡す余裕が。
この綺麗な街は、ポートワインの集積地として栄えたということは前にも書いたが、川岸には当時の運搬船を模した小さな船が二隻舫っていた。
カイス・ダ・リベイラの対岸では今もポートワインが醸造されている。
ワインのことは全く知らないが、ポートワインは輝くルビー色、甘み、香り、コクが心地よく調和した気品あふれる味わいから「ポルトガルの宝石」と称されていると案内書にある。
ドン・ルイス1世橋の袂まできた。
雲をつくような高さでレース模様が美しさを際立たせている。
エッフェルの弟子によって設計された2階建てのユニークな橋だ。
丘の上の街と水面に近い下の街をそれぞれに結んでい、そのでかさ加減は、石組みの橋脚台の傍らの人や上段の橋の中ほど、芥子粒のような人影(写真中)を見れば分ろうというもの。
その橋の袂の向かいにケーブルカーの乗り場があった。
ケーブルカー(写真下)は、急峻を僅か数分、あっけないほど早く、見晴らしが素晴らしい台場にふたりを運んでくれたのだ。
RIVERと申します。
ポルト
思い出深い街です。
一人でふらふら歩き、迷子になり
沢山の方に道を聞いてようやく
約束の時間にホテルにたどり着きました。
ポートワインの出荷場所素敵でしたね
明日は教会です。