ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ブリューゲル(7) ‐ 美術史美術館(26)

2016年09月21日 |  ∟オーストリアの美術館

 ※ オーストリア/ウィーン美術史美術館編 ‐ 中欧美術館絵画名作選(44)

 とにもかくにもブリューゲル(1525-1569)、美術史美術館が収蔵する全作品を、と阿呆なことをやっている、それもゆるゆると。
 もう少しアクセルを踏まないと、いつ終わるか分からないようになってきた。

 で、七回目は、彼の作品には珍しく小振りなサイズの 「巣さがしの謎」(上/1568年/59×68㎝)。

 主題は、“ 巣の有りかを知る者は知り、それを奪う者は物にする ” という、馴染がないというか解りづらい諺なんだとか。

 勝手に咀嚼すれば、巣のありかを得意げに指し示しながら、それが盗まれていることに気付かない知る者の盲目、を皮肉っているということらしい?

 それはまた、“ あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気付かないのか ”(マタイ7章)のアレゴリー・寓意だともされるが、はて?

 いずれにせよ本作、<ナポリ>の<カポディモンテ美術館>に架る傑作 「盲人の寓話」(下/1568年/86×154cm)に繋がる作品ともされているようだ。

 主題は、“ 彼らは盲人を手引きする盲人である。もし盲人が盲人を手引きするなら、ふたりとも穴に落ち込むであろう ”(マタイ15章)で、こちらは解り易い。

 それは、“ ユダヤ教のファリサイ派中枢部を指して、なにが人を汚すのかを弟子たちに教えた ”(新約聖書略解)ことのアレゴリーだとされている。

 取りも直さず、“ 真の信仰は正しき導き手によってのみもたらされ、肉体的な欠陥より精神的な欠陥、即ち信仰の欠如の方が怖い ” ことを示唆しているとか。

 ことさら絵解きは不要だろうけれど、少し付け加えれば、ブリューゲルは画面上部に教会を描くことによって、本来、目指さなければならない場所、信仰を示したのだとされている。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1187

 ※ 「美術史美術館(25) ‐ ブリューゲル(6)」へは、<コチラ>からも入れます。

コメント (2)
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