神戸市立博物館で、“ ターナー展 ‐ その風景画には物語がある ” (1/11-4/6/朝日新聞など主催)が開催されている。
英国最大の風景画家のひとりでありロマン主義を代表する巨匠ウィリアム・ターナー(1775-1851)。
水彩技法をも駆使した独自的な風景表現は、クロード・モネ(1840-1926/フランス)など印象派の画家やそのスタイル形成に多大な影響を与えたとされている。
小ブログも、<マルモッタンとテートブリテン>(10/06/08)で紹介したので、ご記憶の方もあろう。
彼の絵の多くは、ロンドンのテムズ川畔、テート・ブリテンやテート・モダンなど四つの館を擁するテート美術館(写真上/左)が所蔵している。
09年10月、カタリナ と、そのテート・ブリテンにターナーを訪ねたが、彼専用のクロア・ギャラリーに並ぶ膨大な絵に圧倒され、途中で訳が判らなくなったことを覚えている。
初めて彼の絵を観たのは、10年前の03年10月、秋色濃いロンドンのナショナル・ギャラリー(写真上/右)だった。
その時の旅のメモ、“ 雨に煙る中を疾駆する列車を描いた「グレート・ウエスタン鉄道」、水平線近く燃えるような太陽の輝く光の美しさを表現した「解体のため錨泊地に向かう戦艦テメレール号」、その光と色彩が溢れる幻想的かつ詩情に満ちた風景のなかに、鮮やかに切り取られたシーンに圧倒された ” と、高揚感を込めて書いている。
話は変わるが、カタリナを看取ってから小ブログ、旅をする気になれなかった。
しかし、何時までも嘆き悲しんでいては彼女も浮かばれないだろうし、意にも副えないと思えるようになった。
それで、久々の旅、ターナー展にちなんでロンドンへと旅立ってみたいと思う。
03年10月、成田から旅立ったその日は、彼女の誕生日の翌日のこと。
ナショナル・ギャラリー、パリのルーブルとオルセー美術館を訪ねるその旅は、還暦のお祝いに贈ったものだった。
素晴しい絵に出会えたのが嬉しかったのだろう、ギャラリーのレストラン(写真下)で満ち足りた笑顔を見せてくれた。
話はそれたが小ブログ、これまで幾つかの美術館を巡ったが、ルーブル美術館と並んでナショナル・ギャラリーは、その気はあるのだが、いっかな投稿を果たせないでいた。
ターナー展を機に、かつての大英帝国が威信をかけて収集した名画の数々、記念の03年を中心にカタリナとふたり、例によってあっちこっちと道草をしながら歩いてみたい。
コレクションの全容は到底無理だが、ルネッサンス以降の傑作の数々、果たして幾つ紹介できるのか聊か心許ないが。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.755
※ ロンドン・ナショナル・ギャラリーの旅(1)へは(コチラ)から入れます。