ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

桃の節供 ‐ 3月がきた

2013年03月03日 | 季節/暦

 民俗学者の柳田國男によって見出されたという、日本人の伝統的な世界観のひとつ、「ハレとケ」。
 冠婚葬祭マナー辞典なるものを見れば、“ 普段の生活を示す「ケ」に対して「ハレ」とは、冠婚葬祭やお祭りなどの年中行事が行われる改まった日 ” とある。

 この日は、“ 普段着とは違った晴れ着を身につけ、お節料理などの特別な料理を作って神や近所の人々と共に飲食する風習があって、もともとは米や酒もハレの日にだけ許された食べ物 ” だったとか。

 Momo_2そのハレの代表格?みたいな日が、氏神祭やお正月やお盆など年に何回かの重要な折り目とされる “ 節供 ”(節句)なのだそうだ。

 小豆粥を食べる陰暦の小正月を粥節供、稲刈りの終わる日を刈上げ節供、年内に新しい年に使う薪を伐りだす年木伐りの日を柴節供などと言って祝う地方があるのも、これらの日がハレの日と考えられているからだそう。

 前書きが長くなったが、現在も残る節供行事のひとつが三月三日の “ 上巳(じようし)の節供 ”、早い話が桃の節供。
 同じ五節供のひとつ五月五日の “ 端午の節供 ” と比べて、女の子の成長を祝う艶めきと春を迎える喜びが重なって華やかである。

 そんな華やかな粧ひの春弥生のハレの日だが、相も変わらず陰湿な苛めや子供受難の事件が後を絶たない。

 Nanohana_2で、教育再生とかに取り分け執心の安倍さん。
 その彼の肝煎りで設けられた教育再生実行会議なるものが、当然のことながら総理に擦り寄る提言をまとめた。

 そのひとつに、“ 道徳教育の教科化 ” がある。
 教科化とは文字通り正式な教科になることで、政府の検定を通った教科書を使って授業をすることが義務付けられるのだそうだ。
 この道徳の科目、成績評価は行なわないらしいけれど、今回の提言には賛否両論があるだろうと思う。

 いづれにしても、女の子に限らずすべての子供が、明るく健やかで伸びやかに育って欲しい。
 そんなことをぼんやり考えていたら、「Naさんがね、桃と菜の花をお持ち下さったの」と、嬉しそうに稽古からご帰還あそばした。
 さて、この桃の花、「結構、気難しいなあ」と、腕不足もあって撮るのに難儀していたら、「生ける時もそうなのよ」との声があって納得。

 とまれ、弥生・三月は明け、東大寺二月堂の修二会、お水取りも始まっていよいよ水ぬるむ春、虫が蠢きだす頃という “ 啓蟄 ”(けいちつ)も近い。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.584

コメント (2)
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