ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

サンタ・クルス美術館 ‐ 再びのトレド

2013年02月22日 |  ∟スペインの美術館

 それにしても、この太陽、何とかならないだろうか。

 A1 A31_6 A32_3     

  敷石の広場に木々の濃い影を映すソコドベール広場(左)
 
その一角にあるカフェテラスでビールとアイスクリーム(中・右)で一息入れたところまでが前回

 広場の東側は、道路を挟んでタホ川に滑り落ちるような急坂、階段になっている。
 その階段を降りると、左手に淡い色合いの建物があった。目指すサンタ・クルス美術館だが、嬉しいことにこの美術館、無料なのである。

 B1 B2

  プラテレスコ様式(左)と呼ぶのだそうです
 
石壁に装飾を浮き彫りした美しい様式の門(右)を持つこの美術館、その昔、同名の病院だったそうです

 聞き慣れないプラテレスコ様式とは、16世紀のスペインで流行した繊細な飾りが銀細工のように見えることから名付けられたという。

 C1 C2 C3

  階段(左)と回廊(中・右)が美しいこの建物、ラ・マンチャの行く夏を惜しむかのよう
 輝く太陽のもとでシエスタのひと時を静かにまどろんでいるようです

 所蔵を誇る数種類ものタピストリーは、アレキサンダー大王や旧約聖書のアブラハムやモーゼ、聖母、聖人等をテーマにしたものに特色があるとか。
 そして、ここの主役は、イタリア語で “ ギリシャの男 ” の意のエル・グレコ(1541-1614 /スペイン/マニエリスム)の絵が架かる「グレコの部屋」。

 ちなみに、彼の作品はバロック絵画の台頭により、没後を境に忘れられた存在になるが、20世紀の初め、印象派の画家達やピカソらによって再評価されたという。
 そのため、長期にわたり劣悪な状態に置かれていたものが多いとされている。

 D1 D2 D3

 蔵品は、主に16世紀スペインの黄金時代に属する作品群です
 
「聖家族」(左/部分)「聖母被昇天」(中/部分)「ベロニカ」(右/部分)などが架かっていました

 ここ、サンタ・クルス美術館の作品は、修復を終えたばかりなのだろうか色鮮やかに蘇っていたが、大作が圧倒的な色使いの中でずらっと並ぶ様に、正直、唖然とさせられた。

 と言う訳で、スペインの強烈な陽射しに聊かうんざりしながら、中世の面影を色濃く残す古都トレドと別れ、マドリードに戻ることにした。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.581

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする