コブレンツを出た列車、直ぐに鉄橋を渡る。
カタリナ、直ぐに 「右岸だわ」とつぶやく。
旅の案内書では、左岸には比較的大きな村落があってそちらを走る列車に乗れとある。
それで、あれこれと考えていたのだが、どうも、逆の線(写真上)に乗ったようだ。
検札の車掌さん、パスに鋏を入れながら、「リュウゼスハイム?」と聞く。
日本人のふたり連れ、ライン川右岸のローカル急行、ここまで条件が揃えばリュウゼスハイムとなるのだろう。
素晴らしい景色が続いた。
列車は、山裾に沿って進む。
線路に平行してライン川がゆったりと流れ、観光船や商業船が行き交う。
鉄路と川との間に整備された道路が走ってい、観光バスやマイカーが列車と速度を競うように飛ばしている。
左岸だか、右岸だか、どちらが美しいのか分からないが、これ以上美しい路線はないのだろうと思うし、そんなことに拘るのが馬鹿らしくなるほどだ。
右岸には小さな集落だけ。
それでもペトロ、「車窓から見る分には、左岸を望む右岸線の方が美しいのと違うかな?」と言う。
対岸の小さな集落の背後、山の斜面に広がる葡萄畑が綾や錦に染まり初めている。
古城が聳え、小さな集落には教会の尖塔が望め、川の中州にも小さな塔らしきものがある。
車窓から流れゆく景色(写真中)を飽かず眺めた。
幾つかの小さな駅を過ぎ、小1時間でリューゼスハイム・ライン駅(写真下)に着いた。
写真を拡大して貰うと判るが、線路とおなじ高さ?にラインの流れが見えるこの駅。
ここで降りたのは、私たちを含めて4人ほどだった。
駅から右手、川沿いに船着場に向かって進む途中、学校帰りのおしゃまな女の子が、「ハロー」と声を掛けてくれる。
何処の国でも、屈託のない子どもは可愛い。