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保護主義打ち出したトランプ大統領、不透明感増す日米関係 (ロイター)

2017年01月21日 | 日米同盟と日本の安全保障
焦点:保護主義打ち出したトランプ大統領、不透明感増す日米関係
ロイター 2017年 01月 21日 13:06 JST
(梅川崇 編集:田巻一彦)

[東京 21日 ロイター]

 米国のトランプ新大統領が20日の就任演説で明確に打ち出したのは、保護主義的な政策による「米国第一主義」だった。直後に環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を表明、日本政府関係者からは、自由貿易の促進を掲げる主要7カ国(G7)の結束が揺らぎかねないとの懸念が浮上している。当初、1月下旬をめどに模索していた日米首脳会談も2月以降に先送りされる方向で、日米関係の先行きは不透明感が増している。

 安倍晋三首相はトランプ大統領就任に当たって祝辞を贈り、日米同盟の意義をあらためて強調。早期の首脳会談を呼びかけるとともに「日米同盟の重要性を世界に向けて発信したい」と訴えた。

 両国政府は1月下旬にも首脳会談を開催する方向で調整を続けていた。しかし、複数の政府・与党関係者によると、2月以降に先送りされたもようだ。

 トランプ新大統領の演説は、通商政策の大転換を打ち出したのが特徴だ。第2次世界大戦後、米国が一貫して主導してきた自由貿易主義から「米国第一主義」の旗の下で、貿易や税制などあらゆる分野における米国民の利益優先を表明。「保護こそ偉大な繁栄と力強さを導く」と訴えた。

また、演説の直後に、環太平洋連携協定(TPP)からの離脱と、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を宣言し、就任初日から選挙公約を実行した。

一方、安倍首相は20日の施政方針演説で自由貿易の重要性を指摘し、TPPの早期発効を訴えたばかり。

ある政府関係者は「これまでG7やG20で合意してきたものが崩れかねない。日本を含めた国際社会と米国の関係は、暗中模索が続きそうだ」と警戒感を示している。

今後は、TPP路線から転換し、日米二国間の貿易協定を結ぶ方向で、米国側からの働きかけがあると予想されるが、そのことは安倍政権の通商政策の大転換を意味する。
安倍首相は、トランプ政権の発足直後から、大きな政治的決断を迫られる可能性が出てきた。

トランプ新大統領「米国第一」を強調 就任演説、強硬姿勢明確に (AFPBBNEWS )

2017年01月21日 | 米中紛争と東アジア
トランプ新大統領「米国第一」を強調 就任演説、強硬姿勢明確に
AFPBBNEWS 2017年01月21日 03:02 発信地:ワシントンD.C./米国


 【1月21日 AFP】(更新)20日、米国の第45代大統領に就任したドナルド・トランプ(Donald Trump)氏(70)は、就任宣誓直後の演説で、今後の米国の政策は全て米国を最優先したものになると宣言し、強硬な国家主義的姿勢を明確に打ち出した。


 米首都ワシントン(Washington D.C.)の国立公園ナショナル・モール(National Mall)に集まった数十万人の観衆を前に、「われわれは共に、今後何年にもわたり、米国そして世界の道筋を決定していく」と表明。「この日からは、新たな未来像がこの国を統治する。この日からは、米国第一のみになる」と述べた。

 また、「過激なイスラムテロリズム」の撲滅を宣言する一方で、米社会の分断は「国家に対する誇り」をもって埋められるだろうとの見解を表明。

「今日、われわれは単に政権から政権に権力を移譲するわけではない。われわれは、ワシントンから人民へと権力を戻すのだ」と述べた。

 最後に「われわれは共に、米国を再び強くする。米国を再び裕福にする。米国に誇りを取り戻す。米国を再び安全にする。そして、そう、われわれは共に、米国を再び偉大にする」と締めくくった。(c)AFP

同盟強化と自由貿易追求 安倍首相、来月訪米へ最終調整 (時事通信)

2017年01月21日 | 日米同盟と日本の安全保障
同盟強化と自由貿易追求=安倍首相、来月訪米へ最終調整
 (時事通信(2017/01/21-12:22

 米国のトランプ大統領が正式に就任したのを受け、安倍晋三首相は来月上旬に訪米して首脳会談を行う方向で最終調整しており、信頼関係の構築を急ぐ。首相は会談で、アジア太平洋地域の平和と安定の維持に日米同盟が不可欠との認識を共有し、同盟強化を確認することを目指す。また、トランプ氏が環太平洋連携協定(TPP)離脱を表明したことに関し、自由貿易の流れが後退しないよう訴え、理解を得たい考えだ。

 首相は21日未明にトランプ氏に宛てた祝意のメッセージの中で、中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発を念頭に、「アジア太平洋の安全保障環境は一層厳しさを増している。揺るぎない同盟の絆を一層強化していきたい」と強調。国際社会が抱える問題に「共に手を携え取り組みたい」と呼び掛けた。

 トランプ氏がTPP離脱に加え、就任演説で「米国製品を買い、米国人を雇う」と主張したことから、日本政府は米国が保護主義に向かうことを警戒。首相はTPPを「今後の経済連携の礎」と位置付けており、自由貿易の推進を米側に粘り強く働き掛ける意向だ。
 TPP離脱表明に関し、政府高官は「残念だが、トランプ氏も自由貿易の重要性は理解しているはずだ。説得を続ける」と強調。自民党の高村正彦副総裁も記者団に「TPPは米国経済によりよい結果をもたらすとしっかり説明していく必要がある」と語った。
 ただ、外務省幹部は「トランプ氏がすぐに『そうですね』と翻意することはないだろう」との見方を示した。 


「権力を国民に」強調 イスラムのテロ壊滅誓う トランプ米新大統領就任演説 (時事通信)

2017年01月21日 | 第二次朝鮮戦争と韓国の内政問題
「権力を国民に」強調 イスラムのテロ壊滅誓う トランプ米新大統領就任演説
時事通信2017/01/21-11:00)


 【ワシントン時事】

 トランプ米新大統領(70)は20日、首都ワシントンの連邦議会議事堂前で行った就任演説で、国民の根深い政治不信を念頭に「きょうの式典は単なる政権の移行ではなく、ワシントンから国民への権力の移行だ」と強調した。その上で「米国第一」を最優先に国家の再生に取り組む決意を表明した。
 大統領は演説冒頭、「われわれ米国民は今、国の再建と約束を取り戻すという偉大な努力をするために結集した」と訴えた。しかしワシントン市内では同日、トランプ氏への抗議デモを行った200人以上が拘束された。経済格差や人種などによる社会の分断で傷ついた国民の団結が容易でないことも浮き彫りになっており、公職経験のない初の大統領がどう大国のかじ取りを担うか注目される。

 トランプ氏はまた、「政治家は栄えているが、仕事はなくなり、工場は閉鎖された」と指摘し、社会の閉塞(へいそく)感を打開できないエスタブリッシュメント(既成勢力)を批判。「忘れられた人々はもう放置されない」「米国の惨状は今ここで、終わる」と訴えた。
 大統領選で旗印にしていた「米国第一主義」については、「新たな決まり」と表現した上で「米国は再び勝ち始める。かつてないほどに」と強い姿勢を示した。「われわれの仕事、国境、富、夢を取り戻す」とも主張した。
 
 外交政策では、「古くからの同盟を強化し、新しい同盟をつくる。文明世界が結束し、イスラム過激主義のテロを地上から完全に消し去る」と明言。オバマ前大統領はテロとイスラム教を区別していたが、トランプ氏は「イスラム過激主義のテロ」と名指しした。
 トランプ新政権はこの日、外交・安保などの分野で基本政策を発表。過激派組織「イスラム国」(IS)の壊滅を最優先とし、北朝鮮などのミサイルを防ぐため、最新のミサイル防衛システムを開発すると記した。



トランプ大統領夫妻は20日午後、ペンス副大統領夫妻らと共に議事堂からホワイトハウスまでの約2.5キロをパレードした。トランプ大統領は最初の大統領令に署名し、医療保険制度改革法(オバマケア)関連の規制による負担の軽減を関係機関に指示した。 

 
 ドナルド・トランプ氏略歴
 ドナルド・トランプ氏 1946年6月14日、米ニューヨーク生まれ。ペンシルベニア大ウォートン校卒。父から継いだ不動産開発会社の経営者としてホテルやカジノを展開し、不動産王にのし上がった。3回結婚し、子供が5人いる。現在の妻はメラニアさん。70歳。


  マイク・ペンス氏略歴
 マイク・ペンス氏 1959年6月7日、米インディアナ州コロンバス生まれ。インディアナ大法科大学院修了。弁護士や保守系ラジオ番組のパーソナリティーを経て、2001~13年に下院議員。13年にインディアナ州知事に就任した。カレン夫人との間に1男2女。57歳。

米新大統領の就任演説全文 (日本語版 時事通信)

2017年01月21日 | 米中貿易摩擦と東アジア
米新大統領の就任演説全文
時事通信 2017/01/21-11:24)

 ロバーツ最高裁長官、カーター(元)大統領、クリントン(元)大統領、(ジョージ・W・)ブッシュ(元)大統領、オバマ(前)大統領、国民の皆さん、そして世界の皆さん、ありがとう。
 
 われわれ米国民は今、わが国を再建し、すべての人民との約束を取り戻すという偉大な国民的努力のために結集した。一緒に、今後何年も先の米国と世界の針路を決めることになる。
 
 困難に直面するだろう。苦難を突き付けられることになる。だが、われわれは仕事を成し遂げるはずだ。

  われわれは4年ごとに、秩序立った平和的な権力の移譲を行うために、(連邦議会議事堂の)この階段に集う。移行期を通じ親切に支援してくれたオバマ大統領とミシェル・オバマ夫人に感謝する。2人とも最高だった。ありがとう。
 
 とはいえ、きょうの式典には大変特別な意味がある。なぜなら、われわれはきょう、単に一つの政権から別の政権へ、あるいは一つの政党から別の政党へ権力を移行するのではなく、ワシントンDC(コロンビア特別区)からあなた方国民に権力を戻すからだ。
 
 あまりに長い間、わが国の首都の少数グループが政府の恩恵を受けてきた一方で、その代償を国民が負担してきた。ワシントンは繁栄したが、人々はその富の分け前にあずからなかった。政治家たちは栄えたが、仕事はなくなり、工場は閉鎖された。

 エスタブリッシュメント(既成勢力)は自分たちを守ったが、わが国の市民を守らなかった。彼らの勝利は、あなた方の勝利ではなかった。彼らの決定的勝利は、あなた方の決定的勝利ではなかった。そして彼らがわが国の首都で祝杯を挙げている間、苦闘する国中の家族には祝うべきものはほとんどなかった。
 
 これらすべてがまさにこの場所から、まさに今から、変わる。なぜなら、この機会はあなた方の機会だからだ。この機会はあなた方のものだ。きょうここに集まったすべての人たち、そしてこれを見ている米国中のすべての人たちのものだ。

 きょうはあなた方の日だ。あなた方のお祝いだ。そしてこの国、アメリカ合衆国はあなた方の国だ。真に重要なのは、どの党が政府を支配しているかではなく、国民が政府を支配しているかどうかだ。2017年1月20日は、国民が再びこの国の支配者となった日として記憶される。

 忘れられたわが国の男女はもう放置されない。すべての人たちが今、あなた方の声に耳を傾けている。何千万人という皆さんが、世界がこれまで目にしたことのないような歴史的運動の一部になろうとやって来た。

 この運動の中心には、極めて重要な信念がある。国家は国民に仕えるために存在するという信念だ。国民は子供たちのために立派な学校を、家族のために安全な隣人を、そして自らのために良い仕事を欲している。これらは、正しい人々、正しい国民の正当で理にかなった要求だ。

 しかし、あまりにも多くの国民にとって、異なった現実が存在する。都市の過密地区で貧困に捕らわれた母親たちと子供たち。われわれの国の風景に墓石のように散らばったさび付いた工場。資金は豊富だが、われわれの若く素晴らしい生徒・学生たちにあらゆる知識を与えないままにしておく教育制度。そしてあまりに多くの命を奪い、われわれの国からあまりに多くの発揮されなかった潜在力を取り上げてしまった犯罪、ギャング、薬物。今ここで、こうした米国の惨状は終わる。


 われわれは一つの国家であり、彼らの痛みはわれわれの痛みだ。彼らの夢は私たちの夢だ。そして彼らの成功はわれわれの成功となる。われわれは一つの心、一つの家、そして一つの輝かしい運命を共有している。きょうの私の就任宣誓は、すべての国民に対する忠誠の宣誓だ。

 何十年もの間、われわれは米国の産業を犠牲にして他国の産業を潤し、われわれの軍隊の悲しむべき消耗を許してきた一方で、他国の軍隊を助成してきた。われわれの国境を守ることを拒みつつ、ほかの国の国境を守ってきた。そして米国のインフラが荒廃し、衰退した状況に陥った一方で、海外で何兆ドルも費やしてきた。

 われわれは他の国々を豊かにしてきた一方、自分たちの国の富、強さ、自信は、地平線のかなたに消えてしまった。
 一つ一つ工場は休業し、われわれの岸を去り、何百万人もの米国人労働者が取り残されるなんて考えもしなかった。われわれの中間層の富は家庭から剥ぎ取られ、世界中で再分配された。しかし、それは過去の話だ。われわれは今、将来だけを見据えている。

 きょうここに集まったわれわれは、あらゆる都市、あらゆる外国の首都、そしてあらゆる権力の殿堂に響き渡る新たな決まりを発令する。きょうこの日から、新たなビジョンがわれわれの土地を支配する。きょうこの日から、それはただ一つ、米国第一になる。米国第一だ。

 貿易、税、移民、外交に関するすべての決定は、米国の勤労者、米国の家族に利益をもたらすために下される。われわれの製品をつくり、われわれの企業を盗み、われわれの雇用をつぶす他の国々による破壊から、国境を守らなければならない。

 保護は偉大な繁栄と力につながるだろう。私は何度でもあなた方のために戦い、決して絶対に失望させることはない。米国は再び勝ち始める。かつてないほどに。


 われわれの雇用を取り戻す。われわれの国境を取り戻す。われわれの富を取り戻す。そしてわれわれの夢を取り戻す。新たな道路、高速道路、橋、空港、トンネルそして鉄道を、われわれの素晴らしい国全体に建設する。国民を社会福祉から脱却させ、職場に戻し、米国人の手で、米国人の労働で、国を再建する。

 二つの明快なルールに従う。米国製品を買い、米国人を雇用する。

 世界各国との友好と親善を目指すが、そうするのはすべての国に自国の利益を最優先する権利があるという理解の下でのことだ。われわれの生き方を誰にも押し付けようとはせず、むしろあらゆる国が倣う模範として輝かせる。われわれは輝く。


 われわれは古くからの同盟を強化し、新しい同盟をつくり、イスラム過激主義のテロに対抗して文明世界をまとめ上げ、それを地上から完全に消し去る。
 われわれの政治の基盤は、アメリカ合衆国への完全な忠誠であり、自分たちの国への忠節を通じ、われわれはお互いへの誠実を再発見するだろう。愛国心に心を開いた時、偏見が生まれる余地はない。


 聖書には「兄弟たちが一つになって共に住むことは、何という幸せ、何という楽しさであろう」と書かれている。われわれは自分の意見を率直に話し、真摯(しんし)に見解の違いを議論し、それでも常に団結を追い求めなければならない。米国が団結している時、米国は絶対に止められない。
 恐れることは何もない。われわれは守られており、これからも常に守られる。軍や法執行機関の偉大な男女に守られるだろう。そして最も重要なことは、神に守られるであろうということだ。


 最後に、われわれは大きなことを考え、より大きな夢を描かなければならない。米国では、国が存続するのは、その国が努力する場合に限られていると考えられている。口先だけで行動しない、常に文句を言って何もしようとしない政治家を、これからは受け入れない。

 空疎な話の時間は終わりだ。今や行動する時が来た。不可能だと誰かに言わせてはならない。いかなる難題も米国の心と闘争心、精神に対抗することはできない。失敗はしない。われわれの国は再び繁栄し、力強く成長する。

 私たちは新たな時代の誕生の瞬間に立ち会っており、宇宙の謎を解き明かし、地球を病の苦痛から解放し、あすのエネルギー・産業・技術を活用する用意がある。新たな国の威信は私たちの魂を呼び覚まし、私たちの視野を高め、分断を癒やしてくれるだろう。

 今こそ、われわれの兵士たちが決して忘れることのない古い知恵を思い出す時だ。肌の色が黒であろうと、褐色であろうと、白であろうと、私たちは皆同じ愛国者の赤い血を流しているということだ。私たちは皆、等しく輝かしい自由を享受し、同じ偉大な米国旗に敬意を表する。そして、デトロイトの郊外で生まれた子供も、ネブラスカの風にさらされた平原で生まれた子供も、同じ夜空を見上げ、同じ夢で心を満たし、全知全能の創造主に命を吹き込まれている。


 だからすべての米国民よ、近くの、遠くの、小さく、大きいあらゆる街で、山から山へ、海から海へ、この言葉を聞いてほしい。あなた方は二度と無視されることはない。あなた方の声、希望、夢が米国の運命を決める。そしてあなた方の勇気と善良さと愛が、われわれの歩む道を絶えず導いてくれるだろう。

 力を合わせ、われわれは米国を再び強くする。米国を再び豊かにする。米国を再び誇り高い国にする。米国を再び安全にする。そう、そして、一緒にわれわれは、米国を再び偉大にする。

 ありがとう。皆さんに神の祝福を。そして米国に、神の祝福を。ありがとう。米国に神の祝福を。 (時事)