中国にらみ安保協力強化 ＡＣＳＡ交渉開始で合意 日仏（時事通信）

中国にらみ安保協力強化 ＡＣＳＡ交渉開始で合意 日仏
（時事通信　2017/01/07-14:39)

【パリ時事】

日本とフランス両政府は、自衛隊と仏軍が水や燃料などを相互に融通できるよう物品役務相互提供協定（ＡＣＳＡ）の早期締結に向けた交渉開始で合意した。東・南シナ海だけでなく西太平洋でも海軍力を誇示する中国をにらみ、日仏の安全保障協力を強化する狙いがある。
　
６日の日仏外務・防衛担当閣僚協議後の記者発表で、岸田文雄外相は太平洋・インド洋での航行の自由の重要性を強調。その上で「日仏が緊密に連携することを確認した」と語った。稲田朋美防衛相は、アジア太平洋地域でフランスが存在感を高めることを歓迎した。
　
両氏の念頭には、中国海軍の空母「遼寧」が昨年末、初めて西太平洋に進出したことがある。フランスは南太平洋の仏領ニューカレドニア、ポリネシアに軍を展開しており、日本政府は自衛隊と仏軍が緊密に協力することで中国の海洋進出をけん制したい考えだ。
　ＡＣＳＡは米国、オーストラリアと締結されており、日仏間でも締結されれば協力の円滑化が期待される。防衛省幹部は、その目的について「アジア太平洋地域でのプレゼンス向上」と説明。同省は太平洋での日仏共同訓練の拡大も検討している。