子分の木

女の子の子分がなくなって以来
当たり前のことだけれど
元気のない毎日を送っていました。

気候のよい、西海岸にも、生物たちが目覚め、活動する春がやってきました。

子分が走り回っていた、庭にもいっぱい草が生え始めました。

子分が生きていたころには、子分の走る道筋は
草が生えなかったのに
今では、庭いっぱいに草が生えてしまいました。

女の子は、一生懸命草をとりました。
子分との日々を思いながら草をとりました。

父親が草取りをすると、子分はよくパパのおしりをつついていたなあ・・・
そんなことを思い出しながら。

きれいになった庭のほぼ真ん中に
木の苗木を植えました。

そのそばには、あの子分が眠ります。

いろんなところに問い合わせ
いっぱい走り回り、あるいは走り回ってもらって
ようやく手に入れた、苗木。

うまく育つでしょうか？
かわいい花を咲かせてくれるでしょうか？

時々、逆風が吹けば、もしかするとこの花の香りを日本にも届けられるかもしれません。

ようやく子分も安心して眠っている気がします。