フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

小室等、中原中也を歌う HITOSHI KOMURO CHANTE CHUYA NAKAHARA

2006-11-25 10:11:36 | 俳句、詩

  先日、中原中也記念館で彼の詩に歌をつけている人がいることを知った
  その一人が小室等
  「宿酔」 と 「曇天」 を歌っている
  それが心に滲みる


        宿 酔

     朝、鈍い日が照つてて
       風がある。
     千の天使が
       バスケットボールする。

     私は目をつむる、
       かなしい酔ひだ。
     もう不用になつたストーヴが
       白つぽく銹びてゐる。

     朝、鈍い日が照つてて
       風がある。
     千の天使が
       バスケットボールする。


             曇 天

          ある朝 僕は 空の 中に、
         い 旗が はためくを 見た。
          はたはた それは はためいて ゐたが、
         音は きこえぬ 高きが ゆゑに。

          手繰り 下ろさうと 僕は したが、
         綱も なければ それも 叶はず、
          旗は はたはた はためく ばかり、
         空の奧處 (おくが) に 舞ひ入る 如く。

          かゝる 朝 (あした) を 少年の 日も、
         屢々 見たりと 僕は 憶ふ。
          かの時は そを 野原の 上に、
         今はた 都會の 甍の 上に。

          かの時 この時 時は 隔つれ、
         此處と 彼處と 所は 異れ、
          はたはた はたはた み空に ひとり、
         いまも 渝 (かは) らぬ かの 旗よ。


  小室の歌をこの際まとめて聞いてみることにした
  やはり秋なのか

コメント
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