◯ 便を観察する習慣をつけることが重要(写真/PIXTA)

2019-02-24 22:07:28 | ♪PFK ASAP NEWS
2019-02-24 22:07:28 便を観察する習慣をつけることが重要 joseiSeben

大腸がんの兆候 便の異変と「便秘と下痢の繰り返し」
2019.02.24 16:00



便を観察する習慣をつけることが重要(写真/PIXTA)(写真/PIXTA)

【便を観察する習慣をつけることが重要(写真/便を観察する習慣をつけることが重要(写真/PIXTA))】

 3464万円。これは東京都杉並区が「がん検診精度管理強化費」として計上した来年度予算だ。それもそのはず、杉並区のがん検診は“ザル”だった。肺がん検診で「見落とし」ミスが相次ぎ、昨年、40代女性が亡くなった。

 同様の見落としは全国で起きている。2017年11月には兵庫県の県立柏原病院においてわきの下にできたがん腫瘍が、2016年3月には福岡県の北九州市立医療センターにおいて肺がんがそれぞれ見落とされていたことが明らかになった。きちんと検診を受けて「異常なし」のお墨付きをもらっても、「絶対に大丈夫」とは言い切れない。

 がん患者の数は増加傾向にあり、年間37万人が命を落とす。だからこそ、漫然と検診を受けるだけでなく、できるだけ自分で不調に気がつき、早期に見つける必要がある。医療ジャーナリストの村上和巳さんが言う。

「そのためには、体が発する“小さなサイン”を敏感に感じ取り、自分自身で防衛しなければなりません。些細な症状や異変が、がんの兆候であるケースは、決して珍しくありません」

 たしかにがんは恐いが、一朝一夕で大きくなることはなく、すぐに死に至るわけではない。時間をかけて進行するからこそ、いかに初期に気がつき、“芽”を摘むかが重要なのだ。専門家の知識と経験をもとに、「がんのはじまり」を見つけにいこう。

◆【大腸がん】繰り返される便秘と下痢

 大腸がんは、がんにおける女性の死因第1位。だが、決して治りにくい病気ではない。東京ミッドタウンクリニックの森山紀之医師が説明する。

「基本的に大腸がんの進行は遅く、ある程度大きくなってから見つかったとしても、治る可能性が高い。同じステージで3cmのがんだったとして、すい臓がんなら予後が難しいけれど、大腸がんは充分治療できます。死亡率が高いのは、検診を受けないばかりか、異変があっても気がつかず放置してしまい、進行した状態で見つかる人が多いからです。

 気がつかない、いちばんの理由は痛みがないこと。大腸の粘膜は痛みを感じる神経がないため、初期の段階ではがんによる腹痛を感じることがないのです」

 そんな大腸がんでわかりやすい兆候は、「便秘と下痢の繰り返し」。森山さんが続ける。

「大腸にがんができると、腫瘍が盛り上がって硬くなり、腸自体が細くなります。すると細くなった腸の上に便がたまり、通過しづらくなるため、便秘になる。

 その状態がある程度続くと、今度はたまった便を排出するために腸が水分を取り込んで便を溶かし、下痢になる。

 便秘と下痢のサイクルは3日に1回、1週間に1回など個人差があるが、繰り返されるようならば、大腸がんを疑った方がいいでしょう」

 もっと早期の段階では、腹痛を覚えることもあるという。



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「がんが小さいうちは、便秘の症状が出るほど腸は細くならない。しかし腸内は便が詰まりやすい状態であり、ガスが充満しています。そのため下腹部が痛んだり、不快感があったりします。何かの拍子にガスや便が抜けると、痛みも解消されるため、1日ごとくらいに繰り返されるのが特徴です」(森山さん)

 村上さんは「場所によっては、早期でも便の形状にも変化が見られる」と語る。

「直腸にがんができると、肛門に近い部分が腫瘍でふさがれるため、早期の段階でも普段の半分以下に便が細くなることがある」

 便の色にも兆候が表れる。森山さんが解説する。

「がんがある程度進行すると、その部分から出血するので、血便がでます。直腸のように肛門近くにできた腫瘍であれば、痔と同じように鮮血です。肛門から離れるほど、血液部分が変化して血の色が黒ずむようになる。

 鮮血が混じる便は痔の症状と区別しづらく、放置する人もいますが、肛門に近いがんである場合は、早期に治療しなければ人工肛門になる可能性もあります」

 変化を感じ取るために、便を観察する習慣をつけたい。

「すぐに流さず、形や色をチェックしましょう。便秘や痔持ちの人もいると思います。例えば、いつも下剤をのんでいるならば、のまなくてもやわらかい便が出るようになったとか、痔で出血しやすいならいつもより長く出血が続くとか。普段の体の状態を知ったうえで、変化を感じ取るのが大切です」(森山さん)

 獨協医科大学総合診療科教授の志水太郎医師は、体重の変化もサインだと話す。

「半年で体重が7.5%落ちると病気の兆候だといわれています。これは大腸がんにも当てはまる可能性が高い。例えば体重が50~60kgの人がダイエットをしていないのに、半年で5kgほど落ちたら疑うべきです」

 命にかかわることなので、気になったらすぐに病院へ。

「血便があるのに、“痔かもしれないし恥ずかしい”と躊躇する人もいます。しかし、軽症の痔であるならば、市販薬で治療をすれば、2週間程度で治ります。治らなければ、がんの可能性があるということ。検査は内視鏡をおすすめします。便潜血検査では痔との区別がつかないうえ、初期のがんなら陽性にならないので、見つかりづらいです」(村上さん)

※「がんが小さいうちは、便秘の症状が出るほど腸は細くならない。しかし腸内は便が詰まりやすい状態であり、ガスが充満しています。そのため下腹部が痛んだり、不快感があったりします。何かの拍子にガスや便が抜けると、痛みも解消されるため、1日ごとくらいに繰り返されるのが特徴です」(森山さん)

 村上さんは「場所によっては、早期でも便の形状にも変化が見られる」と語る。

「直腸にがんができると、肛門に近い部分が腫瘍でふさがれるため、早期の段階でも普段の半分以下に便が細くなることがある」

 便の色にも兆候が表れる。森山さんが解説する。

「がんがある程度進行すると、その部分から出血するので、血便がでます。直腸のように肛門近くにできた腫瘍であれば、痔と同じように鮮血です。肛門から離れるほど、血液部分が変化して血の色が黒ずむようになる。

 鮮血が混じる便は痔の症状と区別しづらく、放置する人もいますが、肛門に近いがんである場合は、早期に治療しなければ人工肛門になる可能性もあります」

 変化を感じ取るために、便を観察する習慣をつけたい。

「すぐに流さず、形や色をチェックしましょう。便秘や痔持ちの人もいると思います。例えば、いつも下剤をのんでいるならば、のまなくてもやわらかい便が出るようになったとか、痔で出血しやすいならいつもより長く出血が続くとか。普段の体の状態を知ったうえで、変化を感じ取るのが大切です」(森山さん)

 獨協医科大学総合診療科教授の志水太郎医師は、体重の変化もサインだと話す。

「半年で体重が7.5%落ちると病気の兆候だといわれています。これは大腸がんにも当てはまる可能性が高い。例えば体重が50~60kgの人がダイエットをしていないのに、半年で5kgほど落ちたら疑うべきです」

 命にかかわることなので、気になったらすぐに病院へ。

「血便があるのに、“痔かもしれないし恥ずかしい”と躊躇する人もいます。しかし、軽症の痔であるならば、市販薬で治療をすれば、2週間程度で治ります。治らなければ、がんの可能性があるということ。検査は内視鏡をおすすめします。便潜血検査では痔との区別がつかないうえ、初期のがんなら陽性にならないので、見つかりづらいです」(村上さん)

※女性セブン2019年3月7日号
2019年3月7日号