○ 名前

米国のオクラホマ・シティ。西部開拓時代が終わったとき。　

インディアンの息子が父親に尋ねた。　


「お父さん、ひとの名前ってどうやってつけられるの？」

かつてのスー族の勇者は、にこやかに答える。　


「おーっ、なんだい息子よ。　
そりゃ簡単なことだね。　
おまえのおじいちゃんは、毎日くり返される愛のいとなみから生まれたから、　“毎日”という名前になったし、　
わしは明るい朝に生まれたから“朝日”となづけなれた。　
そんな簡単なこと、　
いまさらどうして 訊くんだい、“ゴムの穴”？」