パパと呼ばないで

再婚した時、パパと呼ばないでくれと懇願した夫(←おとうさんと呼んで欲しい)を、娘(27)「おやじ」と呼ぶ。良かったのか?

動物の死について

2023年03月07日 | Weblog
3月7日(火)晴れ

訳あって、日曜日の夜、老母を我が家に泊め、翌日一緒に実家へむかう。
毎週月曜は、チラシが実家に届き、老母にも手伝ってもらいながら折り込み作業をするのがルーティーン。
我が実家近くには小学校があり、十字路になっている。
細いが、交通量が意外とある。
その、ちょうど真ん中に猫が寝ている。
もうっ!危ないじゃないのっ!と思い、ゆっくり近づきながら・・・
違う、死んでるんだ!
もう、ここでワタクシのメンタルはやられる。
大きく迂回しながら、え〜どうしようどうしようどうしよう。
助手席の老母に、「お母さん、死んだ猫、触れる?」
老母「可哀想よね、何度も轢かれるのは。せめて脇に移動してくるよ。」
なんせ狭い道路なので、母を降ろした後、実家に車を置いて、恐る恐る現場へ向かおうとすると老母が帰ってくるのが見える。
アルマゲドンのブルースウィルスのように見える。
老母「まだ硬くは無かったよ。ちょうど通りかかった車の人が、わざわざ窓を開けてありがとうございますって深々とお辞儀してくれたよ。あの人も猫好きなんだろうねえ。」
ワタクシ「そりゃもう、感激すると思うよ。きっとその人、会社に着いたら『今、仏様と会った!』って喋って回ると思うよ。」
もし、ワタクシ一人だったらどうするか。
猫を避けて実家に帰ってきて、悶々と過ごし(←絶対死体に触れない弱虫)当分の間、その道は避けて、遠回りして帰るようにするだろう。
そしてやっぱり気になって、後悔して、の繰り返し。
それを、我が老母が一瞬で解決してくれた。
死んだ猫ちゃんは可哀想だが、ワタクシ的には、これが最善だった。
しかし、老母は少し浮かない顔。
道路脇に避けてあげたとは言え、あそこで朽ちていくことの哀れさを思っているようだ。
ワタクシ「母さん、今度、Cさんに会ったらそれとなくやんわりと猫の飼い方を注意してね!」
Cさんとは、ワタクシが勝手に決めてる猫ばばあ3傑のうちの一人で、小学校前のお家に住んでいる一人暮らしのおばあさん。
猫好きで、家の庭を覗くといつも猫が数匹日向ぼっこしている。
門扉は閉まっているが、猫にとっては平気で出入りできる。
だからワタクシはいつもここを通る時は猫が飛び出して来ないかドキドキしながら通るのだ。
老母「Cさんちの猫だと思う?」
n「絶対そうだと思う。いや、Cさんは餌をあげてるだけという認識かもしれないけど。」
老母「Cさんち行って、聞いてみる。もしCさんちの猫ならちゃんと埋葬してもらえるかもしれないし!」
ああ、猫の神様!我が母の寿命を1年延ばしてあげてください。
無力で非力で「口だけ動物好き」の娘は老母を崇め奉りたくなる。
しばらくして、やっと顔に笑みが戻った母が帰ってくる。
「Cさんちの子だった。箱に毛布を敷いた中に入れて連れて帰ってくれた。良かったよ」
老母の話では、Cさん半年くらい前に公民館近くにいた子を連れ帰ったらしい。
老母「たとえ半年と言えど、飼ってた猫ちゃんが轢かれて死んじゃったら泣くけどねえ。
ありがとうねえ、このお礼はするからねなんて言うけど、意外と平気そうで。
ポリーが死んだ時は、あたしゃ泣きながら帰ってきたけどねえ。」

ポリーとは、我が家で飼っていた柴犬で、すっかり年寄りになっていたから油断してたら、首輪が抜けて家を出て行ってしまい、
方向がわからなくなって家に帰れなくなった。
その頃、小さな小学校の校長先生だった父は、朝の朝礼で「大変私的な事で申し訳ないが」と前置きした上で
「先生のうちの犬が居なくなりました。年寄りの犬です。もしかしたら轢かれたりして死んでしまっているかもしれません。
もし見かけたら、死んでいてもいいので教えてください。」と子供達にお願いしたと言う。
その小さな小学校の隣に校長住宅があったので、老犬ポリーの事を知っている子供達もいて見に来ては、「この犬、年寄りで可愛くないねえ」と言われていたらしい・・・
しばらくして、女の子が二人やってきて「たぶん校長せんせーのおうちの犬かもしれない。川の中で死んでたから二人で川の中から引っ張り出したけど重いから連れてこれなくて」
慌てて母が川に見にいくとポリーで、母は泣きながら連れて帰ってきたと言う話。
と、その話を聞いて号泣したワタクシ、毎回思い出しては泣く。今またこれを書きながら号泣している。
ポリーを想い、亡父を想い。
そして、老母は今でもポリーのことは後悔していると言う。
「毎年、首輪のサイズには気をつけてたのよ。キツくないか。
でも痩せてきてゆるくなるって事は考えなくて。抜けちゃったのよねえ。
もう、耳も聞こえなくなってたから、名前を呼んで探し回っても聞こえなかったのよねえ。
可哀想な事をした。」

話が逸れてしまった。
そして、感情も乱れてしまった。
本当なら、この後、我が娘と、老母を称えつつ、年寄りの猫の飼い方や心構えについて語った事を書くつもりだったのだが、、、
またこれは後日。
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