パパと呼ばないで

再婚した時、パパと呼ばないでくれと懇願した夫(←おとうさんと呼んで欲しい)を、娘(27)「おやじ」と呼ぶ。良かったのか?

寛容

2022年01月23日 | おでかけ
1月23日(日)雨

『向田作品朗読会「あ・うん」の世界』というのに当たったので行った。
奇しくも同じ日、同じ会場、同じ時間開始で鹿児島出身の落語家さんの独演会があり、夫と義弟Aが聴きに行く事になってたので一緒に向かう。
じゃあ後でね〜とワタクシは4階へ。

この朗読会には、向田作品のドラマに欠かせない女優さんと、鹿児島で活躍中のピアニストの方が出演。
ワタクシ、プロの方の朗読を聴くのは初めてだったのでとても楽しみにしていた。
最前列の、まあまあ真ん中あたりの席を確保。
まずはピアノ演奏。そして女優Kさん登場。
ああ、お変わりなく可愛らしい。
「男どき女どき」より「甘くはない友情・愛情」の朗読が始まる。
決して美声の持ち主ではないが、特徴のある個性的ないいお声である。
胸震わせながら聴き入るワタクシ。
しかし・・・
ん?喉の調子が悪い?咳き込むほどではないが、咳払いされたり、文章の途中でお水を飲まれたり。
つっかえたり、読み間違えたりが1、2箇所ではすまない。
こういうところだろうか、ワタクシに寛容さが足りないのは。
少し前の夫婦喧嘩の際、夫から「君には寛容さが足りない」と言われた。
こういう時、寛容な方達ってのは「あら大変!Kさん、体調がお悪いのかしら、無理を押して鹿児島くんだりまでわざわざ来てくださったのね、ありがたやありがたや。」と思うのかしら。
あるいは「高い入場料を取っての朗読会じゃないもの、そんなに完璧を求めるものではないわ。」と思うのかしら。
ええ、確かに地元の文学館が主催する、入場料300円也の朗読会ですよ。
でもさぁ〜彼女にはちゃんとギャラは払われるわけでしょ?鹿児島市とかどこかから。
もし、ワタクシが彼女だったら激しく落ち込むほどの不出来だったと思う。
そもそも、向田作品の出演者の中では若手だった彼女も老眼鏡をかけながら読むほど月日は流れたわけで、
出演者プロデューサー多くの方々が鬼籍に入られた今、彼女は向田作品の申し子のような立場だ。
作品は数多あるとはいえ、もうそりゃスラスラ暗記するほど読み込んでいてもバチは当たらんだろうに。
そんなことを思いながら、最前列で、苦虫を潰したような顔して、眉間にシワ寄せて聴く。
隣のおばさまは聴きながらアンケート用紙を記入されているので、ばさばさ紙の音がうるさい。
最前列なのに、音を立てる無神経さが信じられない。
演者に失礼とか考えないのか(心の中で演者を罵ってるおまえに言われたくないとは言わせない。それとこれとは話が別だ)
寛容という言葉と、向田邦子さんのことと、「あ・うん」のストーリーが頭の中をぐるぐる。

演目全てが終了し、司会の方(←おそらく文学館の方であろう)が、たどたどしい進行ぶりで、Kさんに向田さんとのエピソードなどを尋ねられ、しばしなごやかなひととき。
演出家久世さんを絡めてのエピソードなど、とても興味深く、これでだいぶ機嫌が直ったワタクシ、終了後アンケート用紙には感謝の意とやんわりと「Kさんは体調がお悪かったのでしょうか少々苦しそうでしたが・・・云々」と少々の寛容さを入れてみました。

落語会の感想を聞くと、義弟Aが「ずっと枕かっ!?って感じだった。」と言ったのが可笑しかった。
わかるわかる、あの人、そんな感じだもんね〜
義弟Aとワタクシ、お笑いには正統派を求めるところがよく似ているのである。
落語も然り。
寛容な夫は静かに微笑むのみ。
コメント
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