6月21日(金)晴れ
酒井順子著「家族終了」読了。
面白かった。
彼女のエッセイは結構読んでいるほうだが、今回初めて知った事が二点あり、改めて「家族」とか「親」について考えさせられた。
まず、一点め。
彼女のご両親は仲が悪かった。
というのも、お母様が自由恋愛な方で、彼女が中二という多感な時期に、好きな人ができたから離婚するというすったもんだがあった。
離婚はされなかったものの、しなかった理由が子供のためではなく年老いた姑を思ってのこと。
火宅の人、という表現が何度も出てくるが、ついつい昭和なワタクシは檀一雄的に父親のイメージを持っていたので、なんとも言えない気持ちになる。
だが彼女は、それ以前にも母親のBF達に会ったり、母のモテ話を聞かされていたので、ワタクシが思うほどにはダメージを受けていない。
二点め。
今現在、彼女は結婚はしていないが同居人と称する方がおられる。
勝手に、彼女は「男の人ね〜めんどくさそうだし、いらないわ」って言いそうと思ってた。
家族とか結婚とか家とかのしがらみに悩まされることなく、でも生活をともにする相棒はいて孤独ではないのねと思うと、最強だなこの人、と思ってしまった・・・
この二点は初耳だったなあ〜と思いながら読む。
そして、相変わらずの冷静な、下から(というか自虐的に)言ってるように見えるけど実は上からのような、鋭い目線。
同じ世代ということもあり、彼女の周りの未婚者、既婚者それぞれのはなしが「あるある!」
嫁をトランスフォーマーというあたりは、50歳過ぎた今、周りの嫁達を見てると、「そうそう!」
嫁という修行苦行に耐えて、義両親を看取り、自分の息子に嫁がきて姑となる。
都会の妻達はピンとこないかもしれない。
酒井氏のご友人の話が面白かった。
鹿児島の男に嫁いたご友人、男達が延々と宴会する中で女達は台所で立ちっぱなし
働きっぱなしという正月に耐えきれず離婚。
正月と言わず、お葬式など法事関係の時もそうですよ。
ワタクシが、いや、そっちの方が辛そう!と思ったのは東北に嫁がれたご友人の話。
広い家の中で、一つの部屋にしか暖房をつけないから、
家族全員が一日中その部屋で過ごすしかない。それに耐えられなくて離婚。
こういうことを乗り越えた嫁達が強くパワーアップして姑へと変身していくのだ。
田舎の友人達を見てて「強くなったな〜」とか「すごいなあ〜」とか思うワタクシの耳には、ガシャンガシャンと装備が重厚になって変身していく音が聞こえるようだ。
あ、ワタクシ、トランスフォーマーを知らないので、勝手にマジンガーZに変換してますね。
最近の、息子と親の関係の変化についても面白かった。
いや、ここんとこ陰惨な事件が続いてて、息子と父親との確執云々言われてるから面白がってる場合じゃないのかもしれない。
いつの時代も、親子関係というのは難しい。
が、少しずつ変わってるのは確かだと思う。
酒井氏も、男の子(大学生あたり)が、式典とかで平気で母親に感謝の気持ちを表し、大好きだよ的なことを言うことに驚く。
母親も、照れるでもなく素直に喜ぶ。
父親に対しても、反抗するでなく、素直に尊敬し、大好きを全面に打ち出す。
さすが昭和な女だ、違和感を感じておられる。激しく同感です!
息子と父親はライバル的な関係であり、密かに尊敬するものであり、それを柱の陰から母親が心配そうに見ている(・・・巨人の星?)
大体がそういう関係だと思ってた。
うちはそうだった。
とは言え、全体的な変化はあるが、いつの時代も、家族は一つとして同じものはなく、絵に描いたように幸せな家族というのも、ワタクシ的には皆無だと思っている。
何かトラブルがあって、その受け止め方が人それぞれで、乗り越えられる人もいれば、折れる人もいて、
耐えられないっ!と思う人もいれば、「全然平気!」と思う人もいる。
我が母が時々よそ様をうらやましげに「あそこのおうちは全てうまくいって」と言うが、
そんなことはないと思うのだ。
生きていて、大変なことがない家族っている?
病気、恋愛、人間関係、家族内での何か、家族が多ければ多いほど、そりゃ嬉しいこともあるけど何かしらトラブルも生じるとおもう。
それを、家族で乗り越えることもあれば、家族のせいでダメになることもある。
あ〜めんどくさいっ!と思ってしまいがちなワタクシなので、なるべくそういうしがらみからは逃れたいとは思ってる。
でも、家族親族の付き合いの面白さもちょっと味わいたい欲もあるので、正月の宴は頑張るよというところだ。
そうだ、ワタクシも、かすかに「自分の時代になった」感を持ってるのかもしれない。
この細い腕からミサイルがボンっと出るくらいには変身したのかもしれん(・・・)
酒井順子著「家族終了」読了。
面白かった。
彼女のエッセイは結構読んでいるほうだが、今回初めて知った事が二点あり、改めて「家族」とか「親」について考えさせられた。
まず、一点め。
彼女のご両親は仲が悪かった。
というのも、お母様が自由恋愛な方で、彼女が中二という多感な時期に、好きな人ができたから離婚するというすったもんだがあった。
離婚はされなかったものの、しなかった理由が子供のためではなく年老いた姑を思ってのこと。
火宅の人、という表現が何度も出てくるが、ついつい昭和なワタクシは檀一雄的に父親のイメージを持っていたので、なんとも言えない気持ちになる。
だが彼女は、それ以前にも母親のBF達に会ったり、母のモテ話を聞かされていたので、ワタクシが思うほどにはダメージを受けていない。
二点め。
今現在、彼女は結婚はしていないが同居人と称する方がおられる。
勝手に、彼女は「男の人ね〜めんどくさそうだし、いらないわ」って言いそうと思ってた。
家族とか結婚とか家とかのしがらみに悩まされることなく、でも生活をともにする相棒はいて孤独ではないのねと思うと、最強だなこの人、と思ってしまった・・・
この二点は初耳だったなあ〜と思いながら読む。
そして、相変わらずの冷静な、下から(というか自虐的に)言ってるように見えるけど実は上からのような、鋭い目線。
同じ世代ということもあり、彼女の周りの未婚者、既婚者それぞれのはなしが「あるある!」
嫁をトランスフォーマーというあたりは、50歳過ぎた今、周りの嫁達を見てると、「そうそう!」
嫁という修行苦行に耐えて、義両親を看取り、自分の息子に嫁がきて姑となる。
都会の妻達はピンとこないかもしれない。
酒井氏のご友人の話が面白かった。
鹿児島の男に嫁いたご友人、男達が延々と宴会する中で女達は台所で立ちっぱなし
働きっぱなしという正月に耐えきれず離婚。
正月と言わず、お葬式など法事関係の時もそうですよ。
ワタクシが、いや、そっちの方が辛そう!と思ったのは東北に嫁がれたご友人の話。
広い家の中で、一つの部屋にしか暖房をつけないから、
家族全員が一日中その部屋で過ごすしかない。それに耐えられなくて離婚。
こういうことを乗り越えた嫁達が強くパワーアップして姑へと変身していくのだ。
田舎の友人達を見てて「強くなったな〜」とか「すごいなあ〜」とか思うワタクシの耳には、ガシャンガシャンと装備が重厚になって変身していく音が聞こえるようだ。
あ、ワタクシ、トランスフォーマーを知らないので、勝手にマジンガーZに変換してますね。
最近の、息子と親の関係の変化についても面白かった。
いや、ここんとこ陰惨な事件が続いてて、息子と父親との確執云々言われてるから面白がってる場合じゃないのかもしれない。
いつの時代も、親子関係というのは難しい。
が、少しずつ変わってるのは確かだと思う。
酒井氏も、男の子(大学生あたり)が、式典とかで平気で母親に感謝の気持ちを表し、大好きだよ的なことを言うことに驚く。
母親も、照れるでもなく素直に喜ぶ。
父親に対しても、反抗するでなく、素直に尊敬し、大好きを全面に打ち出す。
さすが昭和な女だ、違和感を感じておられる。激しく同感です!
息子と父親はライバル的な関係であり、密かに尊敬するものであり、それを柱の陰から母親が心配そうに見ている(・・・巨人の星?)
大体がそういう関係だと思ってた。
うちはそうだった。
とは言え、全体的な変化はあるが、いつの時代も、家族は一つとして同じものはなく、絵に描いたように幸せな家族というのも、ワタクシ的には皆無だと思っている。
何かトラブルがあって、その受け止め方が人それぞれで、乗り越えられる人もいれば、折れる人もいて、
耐えられないっ!と思う人もいれば、「全然平気!」と思う人もいる。
我が母が時々よそ様をうらやましげに「あそこのおうちは全てうまくいって」と言うが、
そんなことはないと思うのだ。
生きていて、大変なことがない家族っている?
病気、恋愛、人間関係、家族内での何か、家族が多ければ多いほど、そりゃ嬉しいこともあるけど何かしらトラブルも生じるとおもう。
それを、家族で乗り越えることもあれば、家族のせいでダメになることもある。
あ〜めんどくさいっ!と思ってしまいがちなワタクシなので、なるべくそういうしがらみからは逃れたいとは思ってる。
でも、家族親族の付き合いの面白さもちょっと味わいたい欲もあるので、正月の宴は頑張るよというところだ。
そうだ、ワタクシも、かすかに「自分の時代になった」感を持ってるのかもしれない。
この細い腕からミサイルがボンっと出るくらいには変身したのかもしれん(・・・)