ブレンド日記

世の中の出来事・木馬での出来事・映画の感想・本の感想・観るスポーツ等々ブレンドして書いてみました。

(45)「灰色の虹」貫井徳郎著(新潮社)・・11/2日読了

2010年11月09日 | 本の事
 いつものように自分で選んだ本ではない。
トンボさんの購入本を横取りして読んだ本。
そのような方法にて、この貫井徳郎の本は数冊読んだ気がするが、どれもサスペンスとして斬新で面白かった記憶があるので、楽しみにしてページを開いた。
うん、なんとなしにはまって読んでしまった。

<身に覚えのない殺人の罪で、職場も家族も日常も失った男は、復讐を決意した。刑事、検事、弁護士――。七年前、無自覚に冤罪を作り出した者たちが次々に殺されていく。だが男の行方は杳として知れず、宙に消えたかのように犯行現場から逃れる。彼が求めたものは何か。次の標的は誰か。あまりに悲しく予想外の結末とは。>BOOKレビューより。

身に覚えのない殺人の罪を着せられ服役した江木雅史の人生の暗転、すなわち綺麗な未来に向かってかかる虹が瞬く間に灰色の変わってしまうのだ。

やってもいない殺人事件の犯人に仕立て上げられるべく、恫喝を繰り返し、ついに自白に追い込んだ刑事、その刑事の書いたストーリを丸呑みにするだけだった冷淡な検事、無実と訴えても信じてくれなかった弁護士。
読みながらなんともやるせない、まったく突然身に降りかかった災難としか言いようがない。そんな思いでいっぱいになる
会社を首になり、最愛の恋人も失い、家族もばらばらになった主人公は、自分をこんな目にあわせたものたちに死を持って償わせようとする。

しかし、冤罪とはこのようにして起きるのか、なら真犯人はどうしているのか。
冤罪とは、一人の人間の一生を台無しにする。
そんな思いがよぎるが、この物語の後半は、復讐される側の日常のドラマが書かれている。

一度しかない人生 幸せの絶頂だった人生、それを台無しにされて復習したくなる気持ちがわからなくもない物語だった。

社会派サスペンスで、とても面白かったです。

雲り時々雨  12℃ 風強し もう突風です。怖い・・・