「誇」-URAWA REDS-
共に…
 



うなぎだ!
こうしてクラブの営業努力が形になったいると、
まだ捨てたもんじゃないなと、安心したりする。

開門前、開門後、ボーイズマッチが終わるまでに数杯。
その後も1杯。
早割400円は何とも危険な制度だ。

GK加藤
DF峻希・スピラ・永田・平川
MF柏木・啓太・原口・マルシオ・セルヒオ
FWランコ
リザーブ山岸・宇賀神・暢久・小島・直輝・マゾーラ・高崎
前節負傷交代の原口、風邪で帰浦の直輝がメンバー入り。
「肝心な時にウメも風邪なんだって?」
大きなチャンスを逃すと、後がなくなるのでは。
いい選手だけに、残念。

黙祷。
浦和カモン。
We are。
全て夜空に向けて。
この試合と未来と、その向こう側に。
「勝つから、今度こそ」
繋ぐ意識が強い浦和。
「あんまり蹴らないな」
前線に当てる意識の強い甲府。
「あんまり蹴って来ないな」
まずは互角、慎重な立ち上がりというべきか。
細かい指示の多い主審。
「扇谷だからな…」
予想していたとは言え、フラストレーションが溜まる。

「それでファールか?」
軽い接触プレーに笛が鳴る。
「あ、やり直しじゃ…」
早いリスタート、パウリーニョが抜ける。
「止めろよ、何でだよ」
棒立ちのDF、エリア外に飛び出す順大。
「どうだ、どうなる?」
主審の胸から赤いカードが出される。
「マジかよ…」
12分、ノブヒロ一発退場。
制御不能の笛と整備不良な守備。
13分、セルヒオout山岸in。
「ギシくん、準備出来てるか!?」
「これを乗り切れば何とかなる、頼むぞ」
数的不利、ここでの失点は致命傷になり兼ねない。
FKはクロスバー上に外れる。
「助かった…」

「マルシオが右で真ん中を空けるのか」
10人対11人。
夏の戦い、運動量がどこまで保てるのか。
「勝てるよ、勝てるよね」
大きく息を吸い、空を見上げる。

「グッチ!!」
鋭いシュートはGKに弾かれる。
「決まった!」
ランコが押し込む、ネットが揺れる。
劣勢を覆す先制点。
「え、オフサイド?」
「GK触ったのに?!」
「そっか、でもチャンスは作れるってことだよな」
その直後、甲府のシュートがバーを叩く。
「ついてるぞ、これは」
負けない、いや勝てるかも知れない。
今度こそ、今度こそ勝利を。
ここはホーム、やれば出来るはず。

アーリークロスからハーフナー。
「初めて合わされたな」
スピラ、永田が相手の長所を消している。
「ギシ!」
ルーズボールに山岸が食らい付く。
「こういうのは流石だよな」
啓太、峻希、ヒラ、柏木が相手をマーク。
「このままゼロで逃げられれば」

アディショナルタイム2分。
「危ない!」
ミドルシュートは再びクロスバー。
「ツイてる、ツイてるぞ」

前半終了、浦和0-0甲府。

「片桐か、嫌だな」
残り45分、どこまで我慢してどこで仕掛けるのか。
ひとり少ない浦和、
ふとり多くても攻め倦む甲府。

ランコのポストが決まる。
「いい選手だな」
凄味はないけれど、きっとやってくれる。
そんな期待を抱かれてくれる。
「慌てるな、ゆっくりでいいんだ」
峻希から左へ展開、柏木の壁パスに反応。
「原口、いや…」
PA内に突っ込む、相手DFと交錯。
「やった!!」
53分、浦和先制1-0。
仲間たちと揉みくちゃになる。
欲しかった、欲しかった得点。
「ヒラ、ヒラなんだ!」
「あんなところまで上がってたのか」
「さあ、しっかり守ろう」
やることは明確になった。
このままでもいい、勝つために僕らが焦らないように。

柏木が上がる、ランコに繫がる。
「行けるか、打てるぞ」
「惜しい!」
GKが弾いたボールにマルシオ。
「流れたか…」
シュートはポストの左。
「足、攣ってるな」
66分、ランコout高崎in。
「次はお前だ!」
PA内で粘る高崎。
「頑張れ、やれるぞ!」
逆襲、至近距離からシュートを打たれる。
「ギシ!!」
「得意だよな、ああいうの」
得点を許さない。

原口のドリブル。
「突っ込むのか?どうする?」
中央の柏木にパス。
「スゲーっ!」
飛び出したGKの頭上を越えるボール。
「見えてたのか」
73分、浦和追加点2-0。
柏木、2戦連続ゴール。
「これで負けない、大丈夫だ」
「しっかり守って、落ち着いていこう」
2点差、この雰囲気。
行ける、これなら行ける。

「さっきと同じ感じだったのになぁ」
柏木のループはクロスバーの上。
83分、マルシオout直輝in。
「ここで直輝なのか、どういう意図なんだ?」
右に張る直輝、その後ろに峻希。
「暢久じゃないのかな」

アディショナルタイム4分。
「ちょっと長くないか?」
時計を見る。
「53分までだな」
スピラが執拗にマークする、
原口が前線でキープする。
「もう終わりだろ?」
54分を指す針。
「まだか、まだか?」

試合終了、浦和2-0甲府。
「勝った、勝った」
夜空を見上げる。
「勝ちましたよ、やっと」

僕が進むべき道。
先達が切り開いたウチだけのものを、
ずっと守っていくこと。
それが、僕のプライド。



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