アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

新しい時代の教員養成 教職大学院大学構想

2009年07月27日 | Weblog
 教員養成にかかわり、20年ほど前に持論を開陳しました。
 概略は…大学卒業では、教員免許状を取得できないようにする。大学の4年間は、自分の好きなことを勉強し専門性を高めてもらう。教員を目指す場合、大学卒業後「教員養成大学院大学」に入学し、教員免許状を取得する。まあ、このようなものです。

 なぜ、このようなことを考えたか。
 教員にとって一番大切な資質は、「献身」と「倫理」です。高校で進路選択にあたって、「あなたの成績なら、ここの教育大学に入れるよ」などと、進学担当教員に指導され教育大学へ入って、トコロテン式に教員になる…「資質」は全く関係なく成績での振り分け。このことの弊害が教育に出てきている。(誤解のないように申し添えますが、教育大学出身者で素晴らしい教育をされておられる教員はたくさんおります。念のため)
 そもそも18歳で、「教員になる」と、決めるのが問題。

 大学で4年間勉強し、社会性も身につけ、それで教員志望であれば、「教員養成大学院大学」へ進む。教育界は、「教職員の資質・能力の向上」を20年以上も掲げています。と、いうことは20年以上も、資質・能力の向上が見られないということ。蝶になってから、資質・能力を向上させようとしても緩やかすぎる。青虫の時代、サナギの時代にたっぷり資質・能力を高めておく必要があります。

 私の論を受けたわけではないのでしょうが、文部科学省は、「教員に対するより高い専門性を求める社会的な要求に応えるため」として、教職大学院を設置しました(平成20年度からの開設)。2010年の4月からは、25の大学が、「教職大学院」を持ちます。「教職免許状の取得とは関係ない」ので、私の、「教職大学院大学構想」とは開きがあります。しかし、大きな前進す。これから、追い風が吹き、教職大学院を卒業しなければ、教員免許状が取得できないようになればいいなあと期待しています。
 
 …水を差す馬鹿者がいたのです。「女子大5校の共同教職大学院申請取り下げ」というニュースが。
 素晴らしいことに取り組もうとした大学が、申請を取り下げた。どういうこと?
 東京の女子大5校(昭和女子大、大妻女子大、実践女子大、東京家政大、日本女子大)が共同で、教職大学院の設置認可申請を文部科学省に求めていた。ところが、昭和女子大が、教員として申請した男(昭和女子大准教授)が、経歴を詐称していたことが発覚した。そのため、女子大5校がすべて申請を取り下げた。一蓮托生、連帯責任…あまり感心しないのですが。

 経歴詐称の男は、元高校教諭。教師としての資質・能力より、詐欺師としての資質・能力が高かった。私の遺志(おっと、まだ生きていました)に近づこうと、教職大学院を設置しようとしてくれた人たちが、カスみたいな男のために泣きを見る。腹立たしいです。しかし、これにめげず、女子大5校も、他の大学も頑張っていただきたい。
 これからの教員養成は、「教職大学院大学で」。

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